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全編奈良で撮影された本作は、幻の薬草“Vision”を探すフランス人エッセイスト・ジャンヌと、吉野の山守・智が心を通わせていくさまを描く物語。ジャンヌをジュリエット・ビノシュ、智を永瀬が演じた。
奈良・吉野町長の北岡篤の挨拶の後、昨日完成版を鑑賞したというキャストたちがステージへ。永瀬は「毎回河瀬さんとご一緒した作品を観ると、すぐには立ち上がれなくなる。でも今回は家に帰ってから心が震えてきて、結局寝れずに徹夜でここに来ました」と打ち明ける。またクランクイン前の約2週間、実際に森で生活したという永瀬が「役作りじゃないんですよね。智として血液を入れ替える作業を丁寧にやらせていただきました。山守の方々にチェーンソーの使い方も教わりましたし。岩田くんは特殊伐採の講義も受けていました。カッコいい!って感じで、するするっと高い木の上に登っていって」と話すと、河瀬も岩田へ「芸能人辞めたら、(山守を)やったらいいのに!」と声をかける。それを受け岩田は「いやいや、めちゃくちゃ筋肉痛になりましたよ」と笑っていた。
山守・鈴役の岩田も、“河瀬メソッド”として1カ月の山中生活を依頼されたが、ツアーのために断念したそう。「でも劇中に出てくる納屋に少し住ませていただいて、起きると顔にカメムシが3匹付いているような生活で……虫と共存していましたね。でもそうそうに病気になってしまいまして、下山して民宿をお借りしました」と風邪を引いてしまったことを告白。また撮影を経て三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEのメンバーに心配されたらしく「『大丈夫?』って言われたんですよね。顔付きが変わっていたみたいで。『本当に森の人になってるよ!』って(笑)」と述懐した。さらに永瀬がかまど式の風呂を使っていたことが明かされると、岩田は「あそこのお風呂、怖かったですよね。一瞬でシャワーを浴びて、すぐ部屋に戻りましたもん」と慣れない山での生活の苦労を語った。
不思議な力を持つ老女・アキ役として約2週間山で生活した夏木は「生きて暮らしている間にドキュメンタリーのカメラが入ってきている意識だった。よもぎ団子が出て来るシーンがあるのですが、あれはまず、よもぎを摘みにいくところから始まるんです。私、今よもぎ団子のプロくらいになっています」と笑いを誘い、「1000年生きているような人物という設定だったので、2週間iPhoneも取り上げられまして。SNSはお休みさせていただいて、商売上がったりでした」とジョークを飛ばす。また通訳・花役の美波は「私は皆さんに申し訳ないのですが、ジュリエット・ビノシュさんとお醤油工場に行ったり、ボタニカルガーデンに行きました。幸せでした」と、憧れの女優との役作りを振り返った。
河瀬は企画のきっかけを「吉野の植林の歴史は500年ほど前にさかのぼりますが、今現在担い手がいるかというとそうではない。こんなに美しい山が衰退していくのは、人間にとっても“負”になるだろうなと思ったときに、今回のテーマが膨らんだ」と説明する。会見の最後には、音楽を担当したジャズピアニストの小曽根真がスペシャルゲストとして登場。本作のテーマ曲を生演奏し、キャストたちをうっとりさせた小曽根は「演奏していて、映像が(脳内に)出て来た。自分で弾きながら感動してしまいました」とコメントした。
「Vision」は6月8日より全国ロードショー。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
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「Vision」河瀬直美と永瀬正敏、岩田剛典の伐採技術を絶賛「山守になったら?」
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