「娼年」娼夫役の猪塚健太が「女性に寄り添い味方となる作品」とアピール

松坂桃李が主演を務める「娼年」のトークイベントが本日3月26日に東京・ユーロライブで行われ、キャストの冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、大谷麻衣が登壇した。

女性専用の会員制コールクラブ・パッションで働くことになった森中領が、“娼夫”のリョウとしてさまざまな女性と体を重ねていく中で成長するさまを描く本作。松坂がリョウを演じ、2016年に石田衣良の同名小説を舞台化した三浦大輔（ポツドール）が映画版でも監督を務めた。

パッションで働く咲良を演じた冨手は、「『何者』でご一緒した三浦監督から（リョウの友人である）恵の役で、舞台版のオーディションに呼ばれたんですが、落選したんです」と述懐。そして映画版のオーディションについて「咲良の役をどうしてもやりたいと思っていたので、悔しいと思いながら再チャレンジした。想像してみて自分に絶対ピッタリだと感じていたんです。何がなんでも受かってやろうというギラギラした気持ちで挑んだので、選ばれてうれしかった」と笑顔を見せる。

同じくオーディションで選ばれた恵役の桜井は「服は着てますけど、とても壮絶な緊張感があるオーディションでした。原作を読んで感じた余白の部分をどう表現できるかなと思って、ギラギラした思いで臨まさせていただきました」と語る。パッションの顧客・ヒロミに扮した大谷は「オーディションにあたって4人分の女性キャラクターの台本が来て、必死で練習しました。オーディションは1週間あったんですけど、友人たちが心配するくらいげっそりしてた。役者人生で一生忘れないくらい貴重な時間でした」と振り返る。

舞台版でもトップクラスの売上を誇る娼夫アズマを演じた猪塚は「映画化する話を小耳に挟んで、（アズマ役を）誰がやるの!?って眠れない状態で過ごしてたんです」と回想し、「風邪で寝込んでたときに『アズマ役をやってください』って電話が来て一発で治った。舞台を超えるものをやろうと思いました」と明かす。

映画の感想を聞かれた冨手が、好きなシーンとして「アズマとリョウのシーン。美しい男性同士が重なり合う姿は見応えがありました」と話すと、女性だけで埋められた客席からも賛同のざわめきが起こり、大谷と桜井からも同意の声が上がった。猪塚は「原作がとてつもなく魅力的で面白い。原作を初めて読んだときに感じた、心がほっとする感覚が映画にもはっきりと出ていた」と感想を述べる。桜井は「ハードな部分はあるけど、思ってたよりも柔らかく満たされる感覚だった。役者さん1人1人の空気感が違っていてとても素敵」、大谷は「リョウくんが少しずつ丁寧に穏やかに変わっていくさまがとても美しく切り取られていた。過激さだけではなく愛のある作品だなと思いました」とそれぞれコメントした。

最後に猪塚は「女性は私たちの映画だと思って観に行っていただけたらと思います。女性に寄り添った女性の味方となる作品。日本の女性をみんなで勇気付けて救っていけたらいいなと思います」とメッセージを伝え、イベントの幕を引いた。

「娼年」は、4月6日より東京・TOHOシネマズ 新宿ほか全国でロードショー。

※「娼年」はR18+指定作品