「教団X」の中村文則による同名小説を実写化した本作。岩田がルポライターの耶雲恭介、
クランクインから1カ月ほど経った2017年8月中旬、撮影は東京都内の撮影所で行われた。この日の舞台となるのは、耶雲と百合子が暮らす事務所兼自宅。薄暗いセットの中には、事件の資料となる新聞や雑誌がうずたかく積まれ、壁を覆い隠すように無数の写真が貼られていた。
撮影されていたのは、ある女性が焼死した謎の事件を追ううちに、容疑者の木原坂によって抜けることのできない深みにはまっていく耶雲と、結婚を控える百合子がすれ違いを見せるシーン。不安げな表情を見せる百合子が「ごはん、できたよ」と声をかけると、耶雲は仕事の手を止めず「あとにする」と答え、2人の間にぎこちない空気が漂う。岩田が「明るく和気あいあいとした雰囲気かと問われれば、そうではないなと。毎日、いい緊張感で進んでます」と語る通り、現場は緊迫した雰囲気の様子。カメラが回り始めると、岩田は大きく目を見開き演技に臨む。一方の山本も終始真剣なまなざしを見せていた。
山本は、この日の撮影でクランクアップ。花束をもらい緊張がほぐれたのか、笑みをこぼす場面も。その後、囲み取材に応じた岩田は「俳優として試されていること」を問われると「すべてです。僕の生きてきたすべてを懸けた現場です」と即答し、「正直、撮影期間中は映画のことしか考えていません。細部まで魂を抜きたくないですね」と続ける。また脚本に魅了されたという岩田は、「演じるうえで自分の持っている引き出しや弾をすべて出さないと表現しきれないなと。プレッシャーもあるんです。だからこそナイーブになりますし、現場の緊張感にも“くらう”というか、ずっとトンネルの中に入っている気分です」と打ち明けた。
さらに岩田は共演する斎藤と北村の3人で飲みに行ったエピソードを披露。撮影の合間のいいリフレッシュになったそうで「朝4時半まで5軒はしごしました(笑)」と話し、ダーツバーに行ったときのことを振り返って「北村さんの負けず嫌いがわかりました。僕と工さんばかり勝っちゃって、北村さんは『俺が勝つまで帰れねえぞ』って(笑)。最終的に勝って帰られましたよ」と笑顔で語る。また2人からの影響を「お二人ともトーンの低い芝居をされるので、そこに向かっていく自分も落ち着いた芝居というか、実年齢よりは上を意識して演じてますね」と明かした。
撮影所内にはそのほか東京拘置所をモデルに作られたという接見室や、木原坂の暗室などのセットも建てられていた。「去年の冬、きみと別れ」は3月10日より全国でロードショー。
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