第38回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている映画「
本作の主人公は、大人になりきれない30歳の公立中学校教師・市川。彼が担任を受け持つクラスの生徒数十人が、校則への抗議として髪を金色に染めて登校したことから物語が展開する。自分がおじさんだと気付いていない“ダサい教師”市川を岩田が演じ、クラスの生徒で“金髪デモ”の発起人・板緑に白鳥が扮した。
岩田は「今日のために金髪にしてきました!」と冗談めかして挨拶し、通訳が入った際に「恥ずかしいな……」と恐縮した様子を見せる。本作に参加した経緯を問われると「脚本を読んで『すぐにやりたい!』と魅了されました」と答え、「世代間の問題という耳が痛くなるようなテーマ。市川の姿を反面教師にしてほしいし、いろいろな視点で楽しめるコメディになっています」とアピールした。
白鳥は「板緑は芯のある子。どんなふうにしゃべるか、どんなふうに歩くかをすごく考えたんですが、金髪の姿になることによって、事前に考えていたよりも板緑に近付けた感覚があった」と振り返り、“金髪ウィッグ”に感謝を述べる。市川の同僚・中本役の山田は、学生時代に教師を目指していたそうで「教育指導要領を読んで『私には守れない』と思ってあきらめたんです。でも中本さんは完璧に守っている人で、ルールから絶対にはみ出ない」とコメント。「市川先生が困っているときに『大変だね』とは言うんだけど、実際には何もせず傍観していて、周囲に巻き込まれたくないと思っている人物です」とも表現し、「指導要領的にはパーフェクトに見えても、卒業と同時に記憶から消えてしまうような先生。そういう人は多いのかもしれませんね」と、演じた“ことなかれ主義”な人物に言及した。
市川の相談相手・駒井役の田村は、これまで何度も坂下の監督作に出演してきた。改めて彼の印象を聞かれると「(撮影が)速いですよね!」とまず一言。「ボソッと『そんな感じで大丈夫です』と伝えられるのみなので、『今ので終わったんですか?』と思うのだけれど、完成したものを観たらちゃんと仕上がっている。気が付けば手のひらの上にいたような気持ちでした」と現場の印象を口にする。岩田も「何を考えているかよくわからない方」と続き、「プロモーションでご一緒したときに『岩田さんって何を考えているかわからないですよね』と逆にこちらが言われてしまって(笑)。この映画は何を考えているかわからない2人が作っています!」とジョークを交えて会場を和ませた。
市川の恋人・赤坂と同じクリニックの受付で働く西原役の内田は「坂下作品の魅力は、コメディではありつつけっこう社会派なところ」と切り出し、「事件が起こったときの感情の揺れ動き方など、観察眼が鋭いなと思っています。『教師はみんな大人になりきれているわけではない』という正直な視点もすごく信頼できる」と発言する。そして坂下は、オリジナル脚本である本作の制作を「校則という、自分と距離感のある題材に挑みましたが、作っていくうちに自分と近しいような、共感できるようなキャラクターが生まれていきました」と回想。「距離の遠い題材と、逆に距離の近い主人公。一風変わった合わせ技のような作品になったのではと思います」と言葉に力を込めた。
最後に岩田は「人間は成長するにつれて、価値観や常識などが少しずつ変化していく。その過程で生じるボタンのかけ違いが見どころです。どの世代にも刺さる映画ですし、頭をからっぽにして楽しんでいただきたいです」と語りかけ、イベントの幕を引いた。
「金髪」は11月21日より全国で公開される。
映画「金髪」予告編
岩田剛典の映画作品
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久しぶりの銀座、久しぶりの映画館〜やはり良いものですね😉 https://t.co/AozrnD4suR