ダルデンヌ兄弟が新作引っさげ来日、主演女優との出会いや自作のこだわり明かす

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本日2月23日、「午後8時の訪問者」のティーチインが東京都内で行われ、監督のジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ兄弟が出席した。

「午後8時の訪問者」ティーチインの様子。左からジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ。

「午後8時の訪問者」ティーチインの様子。左からジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ。

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リュック・ダルデンヌ

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ジャン=ピエール・ダルデンヌ

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本作は、若き医師ジェニーを主人公にしたヒューマンミステリー。アデル・エネルを主演に選んだ決め手を、リュックは「彼女とはパリで行なわれた作家協会の授賞式で会いました。とても若々しくて顔が好ましくて、純真無垢で信頼できるような印象を受けました。当初、ジェニーは30歳から35歳くらいを想定していましたが、彼女に会ってもっと若くてもいいかもと思ったんです」と語る。そして観客が「どうしてこの映画を作ろうと思ったのでしょうか?」と尋ねると、ジャン=ピエールが「ほかの映画で医者を主役にしようとしたけど、うまくはまらなかったんです」と前置きして、「医者が期待されることは人の命を救うこと。今回はその逆で、ジェニーが扉を開けなかったために身元不明の少女が死んでしまう設定にしようと思ったところから始まりました」と続けた。

客席から「この映画を作るにあたって苦労した点は?」と質問が飛ぶと、リュックは「すべて難しいですし、すべてそれなりに容易に進みました」と茶目っ気たっぷりに答え、「私たちは撮影前に俳優とたくさん練習をしたり、長い時間をかけて準備をするのでその間に問題が解決するんです。しいて言えばセットを作るのが大変だったかな」とにっこり。

「ジャン=ピエールはどっちに立つの?」と立ち位置を気にするリュック・ダルデンヌ(右)と、ジャン=ピエール・ダルデンヌ(左)。

「ジャン=ピエールはどっちに立つの?」と立ち位置を気にするリュック・ダルデンヌ(右)と、ジャン=ピエール・ダルデンヌ(左)。[拡大]

「ありがとう!」と観客に感謝を述べるジャン=ピエール・ダルデンヌ(左)と、リュック・ダルデンヌ(右)。

「ありがとう!」と観客に感謝を述べるジャン=ピエール・ダルデンヌ(左)と、リュック・ダルデンヌ(右)。[拡大]

そして「ダルデンヌ兄弟の作品に音楽が少ない理由は?」という声にはジャン=ピエールが「音楽を入れる場所がないんです」と即答し、「ある特定の時間を切り取るように長回しで撮っているのですが、その時間の中に動きや言葉、沈黙、効果音があるんです。そして、長回しのシーンと次の場面には(物語上の)時間の経過がある。映画自体が事故のようなもので、別で切り取られた時間がたまたまつながったというようにできているんです」と理由を述べる。さらにジャン=ピエールは「音楽を入れてテストをしたこともありますが、音楽が映画を包み込んでしまうんですよ。観ている人と映画の中で起こっていることに距離ができてしまうし、私たちにとって大切な生々しい感じがなくなってしまうと思い、音楽を入れていないんです」とこだわりを明かした。

「午後8時の訪問者」は、4月8日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。

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(c)LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINEMA - VOO et Be tv - RTBF (Television belge)

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田下愛(たおり あい)・エンタメ・お笑い・文房具好きライター @ai_writer

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