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新海誠、映画賞贈呈式で「君の名は。」大ヒットに触れ「生活は変わっていません」

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第40回山路ふみ子映画賞贈呈式の様子。左から新海誠、宮崎あおい、松岡茉優、高橋惠子。

第40回山路ふみ子映画賞贈呈式の様子。左から新海誠、宮崎あおい、松岡茉優、高橋惠子。

本日11月25日、第40回山路ふみ子映画賞の贈呈式が東京・ヤクルトホールにて行われた。

山路ふみ子映画賞は、映画人の育成を図り、功績をたたえるために毎年発表される賞。監督作「怒り」で映画賞を受賞した李相日は「すべてのスタッフとキャストに対して感謝したいです。何よりうれしいのは、こうやって宮崎あおいさんと一緒にこの場に立てること。俳優として格闘している姿、苦しんでいる姿をずっと隣で見てきたので、これから彼女が表彰される姿を見られることをうれしく思います」と語った。

映画功労賞を受賞した「クリーピー 偽りの隣人」「モヒカン故郷に帰る」の撮影監督・芦澤明子は「これからもこの賞に恥じないようにと言いたいところですが(笑)、ますますやんちゃにわがままに、多様化する映画の美を追求していきたいです」とコメント。そして「ふたりの桃源郷」で福祉賞を授与された佐々木聰は「私たちがやってきたことを『福祉』と捉えてくださったことが何よりうれしいです。自分たちのやっていたことは間違っていなかったと証明していただいたようで、スタッフ一同誇りに思います」と述べた。

君の名は。」で文化賞を受賞した新海誠は「数字のことを言うのは大変いやらしいと思うんですが(笑)」と前置きしてから、「現時点で190億円以上の興行収入を記録し、1500万人以上の方に観ていただいたと伺っております。狙ってやったことではありませんし、もう一度同じことができるとは思いません。ただ、このような結果を残せたことが、ほかの作り手にとっての励みになったのではないかと」と話す。そして「僕たちが手探りでやってきたことはほかの人たちにできてもおかしくないんです。そうしてまた新しい作品がたくさん生み出され、観客の皆さんに届けられれば幸せなことです」と語り、拍手を受ける。また、来場者からの「大ヒットしたおかげで生活が変わりましたか?」という質問には「よく聞かれるんですが、まだ(ギャラが)振り込まれていないので特に変わりません」と答え笑いを誘った。

「怒り」で女優賞に輝いた宮崎あおいは「撮影が終わったあと、不思議な気持ちにとらわれて。公開初日を迎えた次の日からは“『怒り』ロス”になり、毎日毎日『怒り』のことを考えていました。考えすぎて『これはもう一度劇場で観ないといけない』と思い、お客様と一緒に『怒り』を映画館で観ました。そういう経験が今までなかったので、そんなふうに思える作品に出会えたことを幸せだなと思っていますし、この場に立たせていただけること、李監督と一緒にこの場にいられることも本当にうれしいです」と語った。

猫なんかよんでもこない。」「ちはやふる -上の句-」「ちはやふる -下の句-」で新人女優賞を受賞した松岡茉優が「私事ですが、宮崎さんとは事務所の先輩後輩という間柄です。私は8歳のときに子役として事務所に入ったんですけど、その頃から宮崎さんは事務所を引っ張る存在でした。それから13年、一度もお会いしたことがなかったのですが今日初めて会えました。もちろんこの賞をいただけたこともうれしいんですけど、控室でお会いしたとき、別の意味で涙が出てきました」と告白すると、会場が笑いに包まれる。

最後に賞を受け取ったのは、文化財団特別賞を授与された高橋惠子。高橋は「デビューから今日まで長い月日を重ねましたが、大映映画という今はもうなくなってしまった映画会社のスタッフの情熱を15歳のときに目の当たりにして、むしろその姿を撮りたいと当時の私は思いました。そんな経験があったからこそ、ここまで46年女優を続けてこられたのだと思います。大映のスタッフの方々に、心から感謝を申し上げたいです。ありがとうございました」と感謝を述べた。

※宮崎あおいの崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

第40回山路ふみ子映画賞 受賞結果

映画賞

李相日(「怒り」)

映画功労賞

芦澤明子(「クリーピー 偽りの隣人」「モヒカン故郷に帰る」)

福祉賞

佐々木聰(「ふたりの桃源郷」)

文化賞

新海誠(「君の名は。」)

女優賞

宮崎あおい(「怒り」)

新人女優賞

松岡茉優(「猫なんかよんでもこない。」「ちはやふる -上の句-」「ちはやふる -下の句-」)

文化財団特別賞

高橋惠子

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