佐藤浩市の身を削った演技を綾野剛と瑛太が賞賛「64-ロクヨン-」完成報告会見

「64-ロクヨン- 前編 / 後編」の完成報告会見が本日3月7日、東京・東京国際フォーラムにて行われた。

横山秀夫の小説をもとにした本作は、昭和64年に起きた未解決の少女誘拐殺人事件“ロクヨン”を軸に、県警広報室と記者クラブの確執を描くヒューマンドラマ。会見には主人公の県警広報官・三上役の佐藤浩市をはじめ、キャストの綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、瑛太、永瀬正敏、三浦友和、監督の瀬々敬久、原作者の横山が登壇した。

佐藤は、このあとに完成披露試写会が行われることに触れ「まだ公開まで日はありますが、やっとここまで来たんだなと……感慨深いものがあります」と挨拶。映画の見どころを聞かれると「身を削らさせていただきました。こんなに身を削った映画は久しぶりです」と述べ、「これだけの俳優の方々と十番勝負のようなことができ、刀傷を受けながらもなんとかここまで来れました」と登壇者を見渡しながら述懐する。

広報室係長の諏訪を演じる綾野が「座長である佐藤浩市さんが身を削られた作品」と見どころを語ると、佐藤から「（俺の言った）まんまじゃねえか」とツッコミが入り、現場で培った信頼関係をのぞかせる。同じく見どころを聞かれた榮倉は「華やかで豪華な先輩方」、窪田は「役者である大先輩の方々の感情だったり、表情から目が離せない」と出演できた喜びを述べながらそれぞれに回答していく。

県警本部長の辻内に扮している椎名は「敬愛している佐藤先輩に頭を下げられるシーンがあるんですが、とても恐縮に思いながらも楽しく演じさせていただきました！」と声を弾ませ、登壇者たちの笑いを引き出す。「前日に新潟の現場に入ったんですが、佐藤先輩が飲みに連れて行ってくれまして、後輩におもてなしをしてくれたわけです。そういう心遣いをしてくださる座長をたたえたいと思います」と椎名が現場でのエピソードを続けると、佐藤は「そのおかげで現場ではサディスティックな椎名桔平を見ることができたのでよかったです」と満足気な様子を見せる。

佐藤との共演について永瀬は「浩市さんは僕の中で特別な存在」と述べ、「僕のデビュー作を撮った相米慎二という監督との関わりも深く……やっとやっとやっと現場でご一緒できた、一緒の映画に出れたというのはとても幸せでした」と感慨にふける。一方佐藤は、過去に永瀬との共演作の企画が流れたことに言及しながら「あのときやれなかったことがいいか悪いかではなく、今回ご一緒できたことがうれしかったです」と思いを明かす。

三上と対立する東洋新聞キャップの秋川を演じる瑛太は、現場入りの前に設けられた酒席に触れ「そのときに浩市さんは僕ら記者クラブの役者に対して『全力でぶつかってこい、俺が全部受け止めてやる』と挨拶をしてくださり気が引き締まった」と振り返る。「『どうだった？』と周りの人に本作のことを聞かれるんですが、ストーリーも映画としてのスピード感もすべてパーフェクトだと僕は思っています。そして何より佐藤浩市という僕の大先輩が本当に素晴らしい」と作品をアピールする瑛太に、佐藤は「まあ、今の瑛太の言葉は飯をおごれという合図だと思ってます」と返し、登壇者たちの笑いを誘った。

「64-ロクヨン- 前編」は5月7日より、「64-ロクヨン- 後編」は6月11日より全国ロードショー。

※動画は現在非公開です。