第88回アカデミー賞「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が最多6部門で頂点に

第88回アカデミー賞授賞式が、アメリカ・ロサンゼルスのドルビーシアターで現地時間2月28日に開催された。

最多6部門を制した「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ＆ヘアスタイリング賞、編集賞、音響編集賞、録音賞を獲得。メガホンを取ったジョージ・ミラーは監督賞を逃したが、妻のマーガレット・シクセルが編集賞を受賞した。

最多12部門にノミネートされていた「レヴェナント：蘇えりし者」は、監督賞、主演男優賞、撮影賞の3部門に輝いた。「バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）」に続いて監督賞2連覇となったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、主演のレオナルド・ディカプリオに向けて「レオ、人生を注ぎ込んで演技してくれてありがとう」と感謝する。

これまで3度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされながら、いずれも受賞には至らなかったディカプリオ。プレゼンテーターから彼の名が発表されると、会場ではスタンディングオベーションが沸き起こる。悲願のオスカー初受賞を遂げたディカプリオは感謝の言葉を並べるとともに、「監督は過去2年間で映画の歴史を切り開き、時代を超越する作品を作ってくれました」とイニャリトゥを賞賛。同作で共演したトム・ハーディについては「兄弟のように取り組んでくれ、素晴らしい才能を発揮してくれた。そして素晴らしい友情を築いてくれました」と真摯に伝えた。

また「ヘイトフル・エイト」で音楽を担当したエンニオ・モリコーネは作曲賞に輝き、6度目のノミネートで初受賞を達成。2011年に急逝したイギリスのシンガーソングライター、エイミー・ワインハウスの半生に迫った「AMY エイミー」は長編ドキュメンタリー賞に輝き、メガホンを取ったアシフ・カパディアが「エイミーがどんな曲を作り、実際はどんな人だったのか、どれだけ美しく、楽しくて、機知に富んだ特別なアーティストで、大切にしなければならない存在だったのか、その真実の姿を描きました」と語った。

セレモニーでは「007 スペクター」の主題歌で歌曲賞を授かったサム・スミスのパフォーマンスや、「トイ・ストーリー」のウッディとバズが長編アニメーション部門でプレゼンターを務め、同じくピクサー / ディズニー作品の「インサイド・ヘッド」を発表するなどの特別な催しも。このほか「スポットライト 世紀のスクープ」が作品賞と脚本賞の2冠を達成し、主演女優賞には「ルーム」のブリー・ラーソン、助演男優賞には「ブリッジ・オブ・スパイ」のマーク・ライランス、助演女優賞には「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデルが選ばれた。

第88回アカデミー賞授賞式の模様は、本日21時からWOWOWプライムにて放送される。受賞結果は以下の通り。

第88回アカデミー賞受賞結果

作品賞

「スポットライト 世紀のスクープ」

監督賞

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「レヴェナント：蘇えりし者」

主演男優賞

レオナルド・ディカプリオ「レヴェナント：蘇えりし者」

主演女優賞

ブリー・ラーソン「ルーム」

助演男優賞

マーク・ライランス「ブリッジ・オブ・スパイ」

助演女優賞

アリシア・ヴィキャンデル「リリーのすべて」

撮影賞

エマニュエル・ルベツキ「レヴェナント：蘇えりし者」

衣装デザイン賞

ジェニー・ビーヴァン「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

編集賞

マーガレット・シクセル「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

メイクアップ＆ヘアスタイリング賞

レスリー・バンダーボルト、エリカ・ワーデガ、ダミアン・マーティン「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

美術賞

コリン・ギブソン、リサ・トンプソン「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

音響編集賞

マーク・マンギーニ、デヴィッド・ホワイト「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

録音賞

クリス・ジェンキンス、グレッグ・ルドロフ、ベン・オスモ「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

視覚効果賞

アンドリュー・ホワイトハースト、ポール・ノリス、マーク・アーディントン、サラ・ベネット「Ex Machina（原題）」

脚色賞

チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ「マネー・ショート 華麗なる大逆転」

脚本賞

トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー「スポットライト 世紀のスクープ」

作曲賞

エンニオ・モリコーネ「ヘイトフル・エイト」

歌曲賞

ジミー・ネイプス、サム・スミス「Writing's on the Wall」（「007 スペクター」）

短編実写映画賞

「Stutterer（原題）」

長編アニメーション賞

「インサイド・ヘッド」

短編アニメーション賞

「Bear Story（英題）」

長編ドキュメンタリー賞

「AMY エイミー」

短編ドキュメンタリー賞

「A Girl in the River: The Price of Forgiveness（原題）」

外国語映画賞

「サウルの息子」（ハンガリー）

※記事初出時、内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。

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