10月31日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて「
「起終点駅 ターミナル」は、孤独を背負う歳の離れた男女が北海道・釧路の地で出会い、互いに歩み寄りながら人生を取り戻していくさまを描いた作品。この舞台挨拶は、同映画が閉幕作品を務める第28回東京国際映画祭のクロージングイベントの最後に行われた。
同映画祭に参加するのは6回目で、「雪に願うこと」にて最優秀男優賞の受賞経験もある佐藤は「今日もこういう形で参加することができて大変うれしいです。日本映画らしい日本映画を持って来れたことを光栄に思っています」と挨拶。緊張気味の本田は「こういった場に立つのは初めてで、気の利いたことは言えないのですが、最後まで観ていってください」と話した。
原作である直木賞作家・桜木紫乃の短編小説について聞かれ、佐藤は「映像化にあたって、どこをそぎ落としてどこをフィーチャーするか。短編のもっている本質的な部分を大事にしながらどう肉付けしていくか。それを監督と楽しみながら作り上げることができました」と、本田は「原作と自分の役の設定がだいぶ違ったので、どうしていけばいいかを考えました」と返答。尾野は脚本を読んだときのことを「日本で失われつつあるものがこの映画の中にある気がして。しかも篠原さんが撮ってくださるということで間違いなく日本を代表する映画になるだろうと思いました」と振り返る。
劇中で、佐藤演じる鷲田完治に人生を変えられる女性に扮する本田と尾野。佐藤と共演した感想を尋ねられた本田は「ほとんど2人芝居だったのですが、浩市さんの仕事に対する姿勢などを見ることができて勉強になりました」と話す。一方の尾野からは「この映画の通り、(佐藤に)人生を変えていただいたのではないかと思います(笑)」という発言が飛び出した。
最後に、佐藤は「男女というのは言葉を持っているから救われることもあれば、逆に言葉があるからこそボタンのかけ違いをしてしまうこともある。そういう中で、20何年前に起こった悲劇に関する自分への罰として、この地(釧路)に流刑している男の話です。自分の心の中にある罪の意識を、人はどうやって抱えていくのかと考えながら演じました」と作品を解説。そして篠原は「この男の人生を通して、人はもう一度生き直すことができるんだということをしみじみと描いたつもりです。自分の人生を振り返るきっかけにしてもらえれば」と観客にメッセージを送った。
その後、本作の上映を持って第28回東京国際映画祭が閉幕。「起終点駅 ターミナル」は、11月7日より全国の劇場で公開される。
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- 「起終点駅 ターミナル」公式サイト
- 「起終点駅 ターミナル」予告編3
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