映画ナタリー - 最新映画ニュースを日々配信

是枝裕和が語る「海街diary」と小津安二郎作品の共通点とは

93

6月13日に公開された「海街diary」。本作の映画化に際して、監督の是枝裕和小津安二郎を意識していたことがわかった。

日本国内のみならず、世界中の映画ファンや監督から敬愛される小津が一貫して描いていたのが、市井の人々の生活。「東京物語」「秋刀魚の味」「晩春」といった代表的な作品では、「家族」にまつわるテーマが“小津調”と呼ばれる独自のスタイルで描かれ、国や時代の垣根を越えて多くの人々の共感を得ている。一方、作品によってアプローチを変えながらも「家族」を題材とした映画を撮り続けている是枝もまた、「そして父になる」で第66回カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞するなど、世界中の人々の共感を呼んでいる。

ヨーロッパの批評家や記者から小津と比較されたり、小津の孫だとよく言われる是枝だが、本来は成瀬巳喜男に影響を受けており、腑に落ちない部分もあったという。しかし「海街diary」については、「原作は単なる人間ドラマではなく、人間を取り巻く時間を描いている。過ぎ去るというより、積み重なっていく時間。それが小津的だなと感じたのは事実です。何本かの小津作品を参考のために観直しました」とコメントしている。

また、「今回の物語は登場人物の背筋の伸び方が小津に近いんです。カット割りも丁寧にしていて、ポイントでは構図を作り、かなり狙って撮っています」と説明。劇中に登場する姉妹の長女役を演じた綾瀬はるかのキャスティングについては、「背筋の伸びた立居振舞いが長女役にぴったりだなと。原節子さんを思わせる昭和の香りがしました」と、小津作品の常連女優を引き合いに出して語った。

「海街diary」は、吉田秋生の同名コミックを原作とするヒューマンドラマ。鎌倉で暮らす3姉妹と彼女らの父が残した腹違いの妹が、1つ屋根の下で暮らすうちに本物の家族になっていくさまを描いている。今年行われた第68回カンヌ国際映画祭では、日本の作品で唯一コンペティション部門に出品された。

映画ナタリーをフォロー