Ki/oon Musicのレーベル設立20周年を記念し、東京・LIQUIDROOM ebisuにて20日間にわたって開催されるライブイベント「キューン20 イヤーズ&デイズ」の初日公演が、4月7日に行われた。
このイベントではKi/oon Musicに所属するさまざまなアーティストが、ワンマンや対バンなどの形式でライブを展開する。初日公演では
20日間にわたるイベントのオープニングを飾ったのはゴスペラーズ。ステージを覆う幕が左右に開いた瞬間、5人がアカペラで1曲目「ひとり」を歌い始める。美しくも力強いハーモニーに、フロアからは大歓声と拍手が沸き起こるが、その後は彼らの歌声にじっくりと耳を澄ませる。続く「靴は履いたまま」では、リズムに乗せて5人が華麗なステップを踏み、村上てつやと黒沢薫が「最高の夜にしよう!」と、この日にぴったりの歌詞を高らかに歌い上げた。
その後も「一筋の軌跡」「ミモザ」と、圧巻のハーモニーで会場を圧倒。MCではこの日のオープニングBGMの選曲を5人が「僕らが愛したキューンの曲」というテーマで手掛けたことを明かし、それぞれBINGO BONGOや電気グルーヴ、モダンチョキチョキズ、RHYMESTERなどの曲名を挙げる。さらに村上から、BINGO BONGOには早稲田大学時代の同級生が在籍しており、「どちらが早くCDデビューできるか」で競争したというエピソードも明かされ、観客は興味深そうに聞き入っていた。
この日のセットリストは村上曰く「20周年にちなんで、時の流れが感じられるものを」というコンセプト。1曲目から2曲目の流れは2001年に開催した初の日本武道館ライブと同じで、中盤では昔のライブで披露された「あたらしい世界」と「U'll Be Mine」のメドレーを歌うなど、往年の名ライブを彷彿とさせるような演出が多数盛り込まれた。
終盤では村上と北山陽一が"世田谷ホーンズ"としてホーンセクションを担当する「いろは 2010」をパフォーマンス。曲の途中で村上は「今日は世田谷ホーンズに助っ人が来ています!」と、この後の真心ブラザーズのライブにも登場するマウンテンホーンズの4人を呼び込む。マウンテンホーンズの4人は元々BINGO BONGOで活躍していたメンバーで、村上とは旧知の仲。強力なサポートを受けてのいつも以上に華やかな「いろは 2010」に、会場は大盛り上がりとなった。
後半戦、真心ブラザーズのライブは「新しい夜明け」で始まる。YO-KINGは「キューン20周年おめでとう!」と叫び、オーディエンスを煽ってジャンプを繰り返す。そして「BABY BABY BABY」ではYO-KINGの歌声と桜井秀俊のギター、マウンテンホーンズの圧巻のサウンドが会場中に響き渡り、フロアの一体感も急速に上昇していった。
序盤のMCでYO-KINGは「20周年で、本来なら会社とアーティストがおめでとうって言い合えばいいんですけど。皆さんにお金出していただいて、こんな素晴らしいイベントを20日間もやれることになって(笑)」などと生々しいトークを連発し、観客を大爆笑させ、桜井を「初日からこの濃さですか?(笑)」と呆れさせる。そんな話の後には「空にまいあがれ」、そして彼らがキューンから初めてリリースしたアルバム「善意の第三者」の収録曲「旅の夢」を演奏し、柔らかく温かみのあるサウンドでオーディエンスを魅了した。
ここで「キューン20 イヤーズ&デイズオーディション」の企画のひとつである「真心賞」のコーナーが始まる。これは同オーディションに応募したアーティストの中から1組を選出し、真心ブラザーズとサポートバンドMB'sをバックにした演奏の機会を与えるという企画。栄えある「真心賞」に選ばれた、北海道富良野市出身の19歳のシンガーソングライター・増子周作がステージに登場すると、真心の2人は朴訥とした印象の彼をいじり倒す。しかし演奏が始まるとその朗々とした歌声で会場を圧倒。ステージ上も強力なアンサンブルで彼のパフォーマンスを支えていた。
後半では4月25日リリースのニューアルバム「Keep on Traveling」から新曲「Keep on smiling」を披露。ラストは桜井の力強いギターが炸裂した「拝啓、ジョン・レノン」、そして会場中をハッピーな空気で満たした「EVERYBODY SINGIN' LOVE SONG」で、強力に盛り上げて締めくくった。
アンコールでは真心ブラザーズの2人、さらにゴスペラーズの5人がキューンのロゴをあしらった揃いのTシャツで登場し、オーディエンスから大歓声を浴びる。お互い「愛社精神あるよねー!(笑)」と茶化し合う一方、桜井と同じ大学出身の村上は「俺、学園祭で桜井さんのライブ観てましたよ。まさかレコード会社まで同じになるとは(笑)」と、先輩との縁を感慨深げに振り返った。
総勢14名によるアンコールセッションの1曲目は「ENDLESS SUMMER NUDE」。「学生時代のカラオケボックスみたい(笑)」と言いながら、ゴスペラーズの5人とYO-KINGが交代でボーカルを取り、フロアを熱狂させる。その後は増子も加わって「どか~ん」を全員で熱唱。ゴスペラーズによる華麗なハモりも飛び出す、この夜限りの貴重なセッションで初日のステージが終了した。
「キューン20 イヤーズ&デイズ」は4月30日まで、休演日をはさみながら全20公演を実施。期間中、LIQUIDROOM ebisuの2階ではKi/oon Musicの社史や参加アーティストからのコメント展示、グッズ販売などが行われている。2階には公演チケットがなくても入場可能なので、ぜひ足を運んでみよう。
「キューン20 イヤーズ&デイズ」真心ブラザーズ / ゴスペラーズ
2012年4月7日 LIQUIDROOM ebisu セットリスト
ゴスペラーズ
01. ひとり
02. 靴は履いたまま
03. 一筋の軌跡
04. ミモザ
05. Promise
06. あたらしい世界~U'll Be Mine
07. 永遠に
08. いろは 2010
09. FIVE KEYS
真心ブラザーズ
01. 新しい夜明け
02. BABY BABY BABY
03. 空にまいあがれ
04. 旅の夢
05. Keep on smiling
06. Song of You
07. 拝啓、ジョン・レノン
08. EVERYBODY SINGIN' LOVE SONG
<アンコール>
09. ENDLESS SUMMER NUDE
10. どか~ん
リンク
- キューンミュージック20周年記念イベント『キューン20 イヤーズ&デイズ』
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@sugi5music ですよねえ… これ胸熱だったの思い出しました http://t.co/34LwfvRjlR