グループ魂初武道館公演で見せた“おもしろの彼方”

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グループ魂が2月5日に全国ツアー最終公演「客VS俺! どっちがスケベか勝負しようか15番勝負 ~決勝戦~」を東京・日本武道館で開催。ソリッドな演奏とエンタテインメント性あふれるステージで、8500人の観客を3時間半のあいだ釘付けにした。

オープニングの衣装は武道館公演用に新調されたもの。バイト君(写真左から2番目)は「楳図かずお」と呼ばれていた。(Photo by 緒車寿一)

オープニングの衣装は武道館公演用に新調されたもの。バイト君(写真左から2番目)は「楳図かずお」と呼ばれていた。(Photo by 緒車寿一)

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「職務質問」を披露するグループ魂。破壊(写真中央)のキレのあるダンスに観客は大きな拍手と爆笑を送った。(Photo by 緒車寿一)

「職務質問」を披露するグループ魂。破壊(写真中央)のキレのあるダンスに観客は大きな拍手と爆笑を送った。(Photo by 緒車寿一)

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「Over 30 Do The 魂」を演奏するグループ魂。港カヲル(写真左から4番目)のヒモパン姿がまぶしい。(Photo by 緒車寿一)

「Over 30 Do The 魂」を演奏するグループ魂。港カヲル(写真左から4番目)のヒモパン姿がまぶしい。(Photo by 緒車寿一)

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「いわきアンモナイト音頭 ~いわき兄弟~」を披露するしにものぐるい+α。写真左から遅刻、バイト君、もーやん、ゆっこ、暴動、便所石鹸。ゆっこはたびたび「ゴリラじゃないんですけどね」と主張していたが、どう見てもゴリラだ。(Photo by 緒車寿一)

「いわきアンモナイト音頭 ~いわき兄弟~」を披露するしにものぐるい+α。写真左から遅刻、バイト君、もーやん、ゆっこ、暴動、便所石鹸。ゆっこはたびたび「ゴリラじゃないんですけどね」と主張していたが、どう見てもゴリラだ。(Photo by 緒車寿一)

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「べろべろ」を演奏するグループ魂。この曲で、武道館はこの日一番の感動に包まれた。(Photo by 緒車寿一)

「べろべろ」を演奏するグループ魂。この曲で、武道館はこの日一番の感動に包まれた。(Photo by 緒車寿一)

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開演予定時間を10分ほど過ぎた頃、やにわに客電が落ちると同時に、モヒカン&鋲つきノースリーブ姿の港カヲル(46歳)がステージ上手袖から登場。「女は、1万個のキャビアである。なぜならカヲルが全部喰ってやる!」と謎のあおりを入れ「夜の億万コ長者、港カヲルでございます!」と恒例の挨拶を決めると、総立ちのオーディエンスから拍手喝采が飛ぶ。それを「うるさーい!」と遮ったあと、おもむろに「都会の山賊」をカラオケで熱唱するカヲル。曲間ではハイキックを見せるなど、いつになくアグレッシブだ。

カヲルはバンドのMC担当として、「いいねぇ武道館……」と感慨深げにつぶやいてみたり、卑猥な形に照らされた天井の照明にツッコミを入れたりと大忙し。この日の衣装は「メンバー内で最も体型の変動の激しいカヲル」のために作られた2011年冬の新作とのことで、テーマはずばり「パンク」。本人も「あと少しでブル中野です」と言うように、派手なメイクと強面の革製ノースリーブは、まるでプロレスラーのよう。

そして魂のライブでは恒例のコール&レスポンス「おっぱい元気ー?」が展開。この日は「元気元気、元気があれば乳首でハンコも押せる! 結婚、離婚、結婚、離婚、連帯保証人、自己破産。殺してー!」という文言を8500人の観客全員で叫ぶというシュールな光景が繰り広げられた。

すると再び会場の照明がすべて落とされ、同時にバンドの歴史を辿る映像がスタート。ホルスト「木星」をBGMに1995年から2010年までの魂を駆け足で振り返ったあとは、1995年に浅草でオリジナルメンバーである破壊(Vo)、暴動(G)、バイト君(大道具)の3人が路上ライブを行っている様子が映し出される。コントと音楽の中間のような寸劇を行っている映像が終わり照明がつくと、すでにステージ上にはグループ魂7人全員が揃っているというドラマチックな演出に、会場からは大きな歓声が上がった。

初めての武道館公演の記念すべき1曲目は、最新アルバム「1!2!3!4!」収録曲の「ずるむケーションブレイクダウン」。冒頭から破壊のスリッパ投げが炸裂し、アリーナ上空を青いスリッパが華麗に舞う。「はいどぉも武道館ー!!」という破壊のシャウトが響き渡ると石鹸(Dr)の叩くリズムに載せてoiコールが起こり、そのまま「アイサツはハイセツよりタイセツ」になだれ込む。続く「くるま売りたいな」では、暴動のブルージーなギターソロを遮るようにカヲルが博多・中州のソープの話を繰り広げ、客席からはこらえきれないように爆笑が起こった。

曲が終わると、破壊は「すげーなー、こんなに入ってんのか。こんばんはー!」と叫び、じっと黙り込む。誰もが破壊の心情を思いやった瞬間だったが「3Fの奥のほうの人が、感極まって泣いてるんじゃないかって勘違いするんじゃないかと思い、黙ってました! 全然泣いてません楽しいでーす!」と人を食った発言をする。その後は恒例の時事ネタトークで会場の笑いを呼び、バイト君のボケに対しスリッパで突っ込み「1!2!3!4!」を演奏するという、魂のライブではお馴染みの展開に。さらに石鹸のお父さんである三宅はじめさんまでネタにし、1F南スタンドで観覧していたはじめさんがスクリーンに大映しになるというサプライズもあった。

そしてその石鹸がボーカルをとる「男腐りかけ」が披露されたのち、女子高生のコスプレをした港カヲルが登場し「オッス! オラ女子高生!」と軽快に挨拶する。カヲルがこの格好で出てきたということは「High School」が演奏されるということ。真っ赤なデカパンを大胆に見せながら踊るカヲルが目につく曲の次には、2月2日にリリースされたばかりのシングル「だだだ」が披露された。この曲では、ステージ左右に設置されたスクリーンに「だだだ」の文字が飛ぶエフェクトが展開。全編にわたりVJとしてバンドのパフォーマンスをバックアップしたDEVICEGIRLSの腕が冴え渡っていた。

続く「男腐りかけ2」では、ステージ左右に伸びた花道を破壊が駆け回り、観客を煽る。しかし直後に暴動が「すいません、今ホントは破壊さん(袖に)はけるはずだったんですけど、あっちのほうでお客さん煽ってたからびっくりした」と衝撃の事実を暴露。また「5時に始めたからって8時に終わるわけじゃないからね」とオーディエンスの期待を増幅させるようなトークをする。すると破壊が再度ステージに姿を見せ、「ポゥ!」とキレよくシャウト。さらにスパンコールで飾られた中折れハットをかぶると、まるでマイケル・ジャクソンのような出で立ちで「職務質問」を歌い始めた。

この曲は破壊、カヲル、バイト君のフロントマン3人による見事なダンスも見どころのひとつ。また2番では暴動、カヲル、バイト君の3人でムーンウォークをするシーンも。最後は破壊をカヲル、バイト君が支える形で「Smooth Criminal」のPVで観られる体躯が斜めになるポーズを決め、観客から拍手喝采を浴びた。そのまま照明が怪しい色味に落ち、「オクサーヌ」を演奏。続く「沖縄行きたい」では遅刻(G)がステージ前方にセットされたスピーカーの上に乗ってギターを弾き、観客を魅了する。

オーディエンスも踊りまくって会場全体があたたまったところで、黄緑色の全身スーツを身にまとったカヲル扮する「ストイックマン」と幼児番組の司会のような格好をしたバイト君が演じる「ストイックマンジュニア」が登場。これは、アルバム「1!2!3!4!」用に録音したにもかかわらずアルバムには入らなかった「ストイックマン」というコントの衣装。ストイックマンはまず全員をステージ前方に整列させると「この中で年長者は誰だ?」と遅刻にいちゃもんを付け、横っ面を張り手で張る。その次に、なぜこのコントがアルバムに入らなかったのかを、シナリオ考案者である暴動の口から説明させる。曰く「尺の関係で入らなかった」「じゃあシングル『だだだ』に入れようかと思ったけど、コントのラストでストイックマンさんが子供をぼこぼこにしているので、子供向けアニメの主題歌シングルに入れるのはちょっと」「なのでお蔵入りに」とのこと。「じゃあなんでボツになったコントをこのツアーでやらせる!」とのストイックマンの訴えに「……15回目の辱め?」と答える暴動。アルバム未収録コントを生で観られる、ファンには貴重なひとときとなった。

次のストレートなパンクナンバー「押忍!てまん部」では、破壊が「手」と「まん」をモチーフにしたコール&レスポンスを要求。恥ずかしがるオーディエンスに「今日は武道館だから、ツアー最後だから、ちゃんとやらなくちゃダメです」ときっぱり言い放ち、何度も何度もやり直しを命じる。そして曲終わりからは歌詞のとおり「くん兄さんVSアン姉さん」になだれ込む。ここでもあまり例をみないコール&レスポンスならぬ“クンニ&レスポンス”が繰り広げられ、会場には妙な一体感が生まれていた。さらにライブ定番曲「君にジュースを買ってあげる♥」を演奏し、客席はますます盛り上がる。

するとスクリーンに「『男腐りかけ』作詞コンテスト結果発表!」の文字が踊り、昨年11月より募集されていたコンテストのベスト3を決める展開に。「数えてないんだけど、約1200通ぐらい」(暴動)届いたという応募の中から、全国各地の予選で14通の優秀作品をすでに発表。また、各地の予選では石鹸がボーカルをとってきたが、この日は決勝戦にふさわしくゲストを招聘。まず第3位、金沢大会で演奏された「チャコ」さんの作品のボーカリストとして怒髪天の増子直純が呼び込まれると、客席から悲鳴のような歓声が響き渡った。なお「チャコ」さんの歌詞は、就職難にあえぐ若者の苦悩を歌いつつ、最後には「この際なんでもラブ注入♡」と開き直る秀作。増子兄ィも「素晴らしい歌詞でした! 時事ネタを入れるってことはバンドの人はなかなかしない。だって来年歌えねぇもん!」と絶賛する出来映えだった。

気を取り直して、破壊の「みなさんキュンキュンしますか?」というあおりから「SEARCH&片思い」を演奏。さらにBPMが早めの「IN」では、カヲルが自身考案の“入っちゃった”ダンスでがんばりすぎ、曲終わりに「ゥヲエウ!」とリアルにえずく場面も。

ここで再び「『男腐りかけ』作詞コンテスト結果発表!」が行われることに。暴動が「この曲1分しかないんだよね。だからどんなゲストを呼んでも1分しか歌ってもらえない。増子さん、汗かいてなかったもんね」と話の腰を折る発言を放つも、粛々と発表が進められる。2位の、名古屋予選で披露された「派遣」さんの作品でボーカルをとったのは、電気グルーヴのピエール瀧だ。ベースボールキャップに革ジャンという出で立ちで現れた瀧は、堂々とした振る舞いで2位の歌詞を歌い上げる。さらに譜面立てを放り投げたはいいが、直後に「歌詞歌詞!」と困る微笑ましい場面も見せていた。おまけに「こんばんは! 愚かで鈍いと書いて愚鈍です!」と破壊&暴動の自己紹介に似せた挨拶をぶちかまし、「よしっ、次の曲行こう!『アナーキーIN THE JK』!」と無茶ぶりも。会場をすっかり自分の色に染め、ステージをあとにした。

後半は、石川遼のコスプレにお色直ししたバイト君がメインボーカルを務める「ともかず(バイト君40歳記念ソング)」からスタート。くねくね踊りながら今年で46歳になる気持ちを軽やかに歌い上げた。そして、暴動のパンチ力あるボーカルと破壊の「くれないかー!!」というシャウトが聴ける「パンク仲間はずれ」、小園(B)のうねるベースラインが聴きどころの「アイブラユー」と最新アルバムからのナンバーが続く。

そして三たび「『男腐りかけ』作詞コンテスト結果発表!」のコーナーに。1位を発表するものと思いきや、石鹸が「ベスト3は惜しくも逃したんですけど審査員の心をつかんだものがあるんです」と審査員特別賞を設けたことを告げる。それは熊本予選で歌われた「じゅんじゅん」さんの作品で「おかあ腐りかけ」。この曲のボーカリストとして招かれたのは、なんと夏木マリだ。騒然とする観客の前に姿を見せた夏木は、真っ赤な割烹着にド派手なメイクといったファンキーな格好。息子が隠すエロ本を見つけては晒し上げるという内容の歌詞を、パンク精神あふれるボーカルで歌い上げると、颯爽と去っていった。

意外なゲストの登場に「おい、夏木マリだぜ!」と動揺する港カヲルを尻目に、淡々と1位を発表する石鹸。福岡予選で披露された「ナバティ」さんの作品のボーカルとして招かれたのは、ショートカットのカツラにピンクのドレスでおめかしした荒川良々だ。まさかの人選に場内からは悲鳴まじりの爆笑が起こった。なお、ベスト3に選ばれた3人は偶然にもこの日武道館に来場しており、それぞれの発表の際にスクリーンに登場していた。そして荒川が悠然とステージをあとにすると、破壊が「なんであんな堂々としてられるんだろうね」と不思議そうにつぶいていたのも印象的だった。

19曲目には、「今日初めて魂のライブを観にきた人たちが知らない曲やろう!」という破壊の提案から、“有名人の名前を付けた曲”のスペシャルメドレーに突入。「本田博太郎 ~magical mystery UPAAAAAAAAA!!!!!~」「欧陽菲菲 ~グループ魂に横山剣(クレイジーケンバンド)も~」「竹内力」「チャーのフェンダー」「中村梅雀」と名曲が畳み掛けるように演奏された。また「欧陽菲菲」では遅番(Sax)も参加し、サウンドに彩りを添えた。

そして「ペニスJAPAN」では会場全体が一体となってサビを歌い上げ、「Over 30 Do The 魂」ではヒモパン1枚になって舞台の上を駆け回るカヲルをよそ目に遅刻が“鬼神社”弾きを決める。さらに破壊がコール&レスポンスを要求し、「アリーナ! 2F! 3F! 立ち見! 子供! 三宅家!」と客席を独自に分類。そして破壊の「武道館! また来てもいいですか武道館ー!!」という絶叫に続き、本編ラストとしてグループ魂15周年記念ソングとも言える「俺たちに品はない」を演奏。2時間半のライブをしめくくる熱いプレイを見せつけ、大喝采を浴びた。

アンコールを求める拍手に応え姿を見せたのは、MCヘルス(暴動)とMCソープ(石鹸)によるヒップホップユニット・ライムサワーだ。もちろんDJウメッシュ(荒川良々)とDJトッシュ(益田トッシュ)もDJブースに控えている。MCヘルスが「ギター持ってないから楽だぜ!」と叫んだとおり、左右の花道を存分に使ったパフォーマンスを見せる。さらにライムサワーのステージではおなじみの、MCヘルスが投げるオレンジをMCソープが口にくわえたフォークで受け取る芸も実行。この日は大舞台で緊張したのか、3回目でやっと成功していた。

ライムサワーの面々が袖に下がると同時に、場内に再びホルスト「木星」が響き渡り、スクリーンに「しにものぐるい」の文字が映し出される。オーディエンスの笑いまじりの拍手で迎えられたゆっこ(Vo / 港カヲル)、もーやん(G / 小園)、便所石鹸(Cajon / 石鹸)は、神妙な面持ちで「しにものぐるい」を披露。優しいメロディのミディアムバラードを無事歌い終わると、ゆっこのゴリラっぽいしゃべりを便所石鹸が通訳のようにフォローする、というかたちでMCが進められた。アルバム収録のコントから地続きとなったその内容に、会場のあちこちからこらえきれないように爆笑が起こっていた。

アンコール3曲目は、しにものぐるいに暴動、バイト君、遅刻が加わった編成で「いわきアンモナイト音頭 ~いわき兄弟~」が演奏されるという異色の展開に。そして曲終わりにカゲアナで、9代目中村屋華左衛門(破壊)が“お詫び行脚”を終え武道館に到着したことが伝えられる。直後にスクリーンでスタッフ数人がかりで抱え上げられた中村屋が映し出され、舞台まで運ばれる様子が中継された。

舞台下手より姿を見せた中村屋は、歌舞伎「暫」の主人公・鎌倉権五郎に似た派手な衣装にアイマスク姿。そのままよろよろと歩き、袖に控えたバンドメンバーから飛ぶ「右右!」「斜め左!」といった指示に従ってステージ上に用意された紅いゴールテープを切ると、やんややんやと喝采を浴びた。そしてアイマスクがとられると、顔には見事な筋隈取が。大舞台にふさわしい正装に身を包み、1カ月間の“お詫び行脚”について説明する中村屋。曰く、この場で“復帰興行”を執り行う予定だったが、今度は「オクサーヌ」で歌われたとおり女房が万引きGメンに捕まったため“復帰興行”は中止とし、代わりに15本締めを実施。そのうち、3のつく数と3の倍数で見栄を切る、というどこかで聞いたようなパフォーマンスを持ってお詫びに代えていた。

長い長い「大江戸謝罪&レスポンス」のあとには、そのまま「就職しやがれ!」を披露し、アンコールを終えた。この時点ですでに3時間が経過していたが、観客はまだ物足りないとばかりにさらなるアンコールを要求。すると紅と白を基調にした裃を身に着けた港カヲルが現れ、「2回目のアンコールありがとうございます。もうおもしろは出し切った! だからここからはメンバー1人ずつに、自分の言葉で皆さんに感謝の言葉を告げてもらいます。笑いなしで」と口にした。

まずオリジナルメンバーの暴動が、観客に向けて「ありがとうございます」と言い、「みなさんが職場や学校で堂々と『わたしはグループ魂が好きです』と言えるようなバンドには、なりません!」と宣言。バイト君は「魂やっててこのツアーが一番楽しくって」「グループ魂ってごほうびだなぁ、って思ったんです」とこの15年間を振り返った。続いて小園が「フロントの面白い人たちを(お客さんが)キラッキラした目で観てるのを見ながら演奏できるんです」「僕、グループ魂大好きなんです」と感慨深げに語る。そして石鹸は「なんかもうすげぇたくさん人がいるから、さっき(開演前に)あそこ(袖)で俺吐きそうで」と大粒の涙をぼろぼろこぼしながら熱い感情を吐露。「武道館やってひと区切りみたいですが、グループ魂、まだ始まってもいねーよ!」と今後も精力的に活動することを約束した。さらに遅刻は「石鹸が泣いたあとなんでしゃべりづらいんですが(笑)」と苦笑しつつ、「みなさんとこの時間を分かちあえたことは一生忘れません。不沈の泥舟、グループ魂号はまだ旅の途中です」と感謝と感動を伝えた。

会場がメンバーを祝福する気持ちで満たされた中、演奏されたのは魂唯一のバラード「べろべろ」。暴動が奏でるギターのアルペジオと破壊のゆったりとした歌声が、感動を増幅させる。また、シングルジャケットを飾ったべろべろ君も姿を見せ、ステージに華を添えた。

最後は破壊が「どうもありがとうございました。ファンのみなさんあってのグループ魂です」と珍しく素直に挨拶。しかし直後に石鹸に向かって「なんかさっき泣いてた人いたねぇ。あとでなんて言ってたか教えて」と言い、オーディエンスを笑わせることも忘れない。さらに、しんみりした空気では終わらせない、とばかりに「TMC」「グループ魂のテーマ」とガレージサウンド全開の楽曲を立て続けに投下し、最後にもう一度大きく盛り上げた。

すべての楽曲を披露し終えたメンバーは、カヲルの呼びかけでステージ前方に1列に整列。破壊が無視して一度袖に引っ込んでしまうも、カヲルが「バカヤロ! バカヤロ! 呼んでこいあいつを! スリッパ取りにいってんじゃない!」と呼び戻す。そしてカヲルによる「グループ魂、16年目の新人です! どうかCD買ってください!」と彼ららしい宣言が行われたあと、会場が一体となった337拍子で締め。メンバーが全員ステージを去ったあとには、カヲルの「もう限界でございます! 日本武道館、どうもありがとう!!!」という絶叫が響き渡り、3時間半におよんだグループ魂初の武道館公演は幕を下ろした。

なお、3月5日(土)深夜にはNHK総合にて「グループ魂15年の軌跡(仮)」と題した番組のオンエアが決定。全国ツアー全15公演に密着した模様や、メンバーによる座談会のほか、NHKが所有する貴重なアーカイブ映像が放送される。ファンは録画予約をお忘れなく。

客VS俺! どっちがスケベか勝負しようか15番勝負 ~決勝戦~
2011年2月5日 東京・日本武道館セットリスト

オープニング 港カヲルMC ~ 都会の山賊
01. ずるむケーションブレイクダウン
02. アイサツはハイセツよりタイセツ
03. くるま売りたいな
04. 男、腐りかけ
05. High School
06. だだだ
07. 男、腐りかけ2
08. 職務質問
09. オクサーヌ
10. 沖縄行きたい
11. 押忍!てまん部
12. くん兄さんVSアン姉さん
13. 君にジュースを買ってあげる♥
<「男、腐りかけ」作詞コンテスト結果発表!第3位>
14. SEARCH&片思い
15. IN
<「男、腐りかけ」作詞コンテスト結果発表!第2位>
16. ともかず(バイト君40歳記念ソング)
17. パンク仲間はずれ
18. アイブラユー
<「男、腐りかけ」作詞コンテスト結果発表!審査員特別賞&第1位>
19. スペシャルメドレー(本田博太郎 ~magical mystery UPAAAAAAAAA!!!!!~ - 欧陽菲菲 ~グループ魂に横山剣(クレイジーケンバンド)も~ - 竹内力 - チャーのフェンダー - 中村梅雀)
20. ペニスJAPAN
21. Over 30 Do The 魂
22. 俺たちに品はない

<ENCORE>
EN01. ライムサワーのテーマ ~ライムサワー~
EN02. しにものぐるい
EN03. いわきアンモナイト音頭 ~いわき兄弟~
EN04. 大江戸謝罪&レスポンス
EN05. 就職しやがれ!

<DOUBLE ENCORE>
D-EN01. べろべろ
D-EN02. TMC
D-EN03. グループ魂のテーマ

グループ魂15年の軌跡(仮)

NHK総合 2011年3月5日(土)24:50 ~ 25:33

※記事初出時、冒頭の港カヲルによるコール&レスポンスに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

※2011年2月8日15:56追記:3月5日(土)にNHK総合で放送される特番のオンエア開始/終了時間が5分遅くなりました。

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読者の反応

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ののちゃ @nono_trebo

どっかに写真と歌詞残ってねぇのかな。DVD見りゃいいんだけど。 https://t.co/zoInr6BVE3

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