11月25日に東京・WWWにて
開演時刻を迎え会場が暗転すると、ステージに設置された巨大スクリーンにバンドの歴史をたどる映像が上映開始。「TEEN'S MUSIC FESTIVAL 2004」出演時のパフォーマンスや、成人式直前に行われたワンマンライブの様子などが次々と映し出され、貴重な映像の数々に会場のあちこちからどよめきや歓声が沸く。ときには初々しいメンバーの姿に笑いが起き、オーディエンスの緊張を解きほぐした。
会場の空気がすっかり和んだ頃に、メンバーが拳を突き上げながらステージに登場。4人の顔には満面の笑みが浮かび、準備が万端であることをうかがわせた。光村龍哉(Vo, G)は「よっしゃ楽しもうぜ!」と宣言すると、この日のために作った新曲を早速披露。ゆったりとしたテンポの骨太のロックサウンドに乗せて、オーディエンスを歓迎する言葉が散りばめられた歌詞を歌い上げる光村。そこに対馬祥太郎(Dr)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)の素朴なコーラスが重なり、ライブへの期待感を高めていった。
オーディエンスの心をつかんだところで、間髪入れずに肉体に訴えかける激しいナンバーを連発。「泥んこドビー」では光村が曲中で野球愛を存分に炸裂させ、「錆びてきた」では古村の奏でる歪んだギターと坂倉の猛々しい低音が楽曲に新たな彩りを添える。続けて演奏された「そのTAXI,160km/h」では光村の吠えるようなシャウトが会場を揺らし、たたみ掛けるような展開に会場は熱狂の渦に。「Broken Youth」の前には対馬のスネアが破けてしまうハプニングが発生し、「勢いよくいき過ぎたそうで」と光村が笑いながら説明する場面があった。
通常のワンマンライブならばこのあたりでミディアムナンバーが投下されるが、この日は異例のリクエスト大会がスタート。かつてないレア企画にオーディエンスは驚喜した。光村は「今日は大感謝祭的なものにしたいと思って。ここからしばらくはセットリストを決めてません! 皆さんのリクエストにお応えしようかな」「一応このためにスタジオに1日こもって、全曲おさらいしましたから」と自信満々に語った。
チケットの半券を使った抽選会の末、1曲目としてリクエストされたのは「エトランジェ」。光村は「1stフルアルバムに入ってる曲で、自分たちらしい曲ができたなと思った1曲です。やるたびに熱い思いが込み上げてくるナンバーです」とコメントした。4人は軽く打ち合わせた後、演奏を開始。最初はぎこちない様子も見られたが、フレーズが進むごとに安定したプレイで魅了した。
続いてのリクエストで挙げられたのは「友情讃歌」。オーディエンスは予想外の選曲に沸き立つが、当のメンバーたちはなぜか戸惑い気味。その理由はアンコールで判明することになるが、光村は「あれは学生の頃の曲で……。他のリクエストある? 俺は『雲空の悪魔』がやりたいんだけど……」とファンをうまく誘導し始める。それに賛同するように対馬も「『エトランジェ』から『雲空の悪魔』はいい流れだよね」と語り、ファンの承諾を得て「雲空の悪魔」を披露した。
リクエストの2曲目を終えると光村は、「次はアッパーな曲がやりたいなぁ。このコーナーを締めくくる大団円感のある曲をね」と誘導尋問モードに。しかしリクエストされたのは、春の情景を歌ったミディアムナンバー「April」。意外な選曲にメンバーは驚きつつも、光村の「季節外れですが、『1125の日』ということでやりたいと思います」という言葉で「April」を演奏することに。みずみずしいアンサンブルで会場を満たし、春の空気をオーディエンスに届けた。
リクエストコーナーを無事終えると、光村は「リハーサルをやったときに、スタッフからリクエストをもらったんだけど『ゲルニカ』ばっかりで(笑)。もういいよ!って感じだったんだよね」と舞台裏を暴露。続けて「皆さんに作ってもらったセットリストは新鮮でした。またいつか、アルバムをあと3枚くらい出した後にでもやりたいと思います」とリクエスト企画への意欲を語った。
そのまま話は今後のリリースへと流れ、1月12日にシングル「Diver」と初夏に行われた「ミチナキミチ」ツアーのライブDVDを同時発売することを発表。「Diver」についての話におよぶと「最初はゆったりめのドシドシした曲だったんだけど、『NARUTO』のタイアップの話をもらったのもあって、テンポを上げて、歌詞も書き直したんです」「日頃の鬱憤を晴らすような曲になったと思うので、シングル買ってね」と笑顔でアピール。よりダイナミックにバージョンアップした「Diver」へとつなげた。
後半は「アッパー連続でいきたいと思います」という予告どおり、エンジン全開のパフォーマンスを展開。「N極とN極」の演奏中には光村が突然フロアに降り、ファンと一緒にサビを合唱。「今日はスペシャルなライブにするって決めたんだから容赦しないぜ!」という宣言から始まった「B.C.G」では、坂倉と古村がステージ中央で互いの音をぶつけ合い、「サドンデスゲーム」では光村が声を枯らしながら絶唱する。4人がノンストップで繰り出すアッパーチューンに、オーディエンスのボルテージは上がりっぱなし。アウトロで激しいデッドヒートを繰り返した「THE BUNGY」は特にすさまじい盛り上がりをみせ、曲が終わると興奮気味の拍手と歓声が響いた。
アンコールはファンとのハイタッチからスタート。光村は「いやいやいや、いろいろ狂ったわ。でも、このくらいのライブハウスっていいですね」と、会場の居心地の良さを褒めつつ本編を振り返る。そして「実はこの曲が『Diver』のカップリングになりまして……」とエクスキューズすると、中盤でリクエストのあった「友情讃歌」がセットリストに組み込まれていたことを告白。「この曲は高校時代に学園祭のために作った曲で、レコーディングするつもりはなかったんだけど、今年各地の学園祭に出たときにやったら評判が良くて。つい先日レコーディングしました」と照れくさそうに明かした。そんな流れを受けて披露された「友情讃歌」は、シンプルなコードと青臭さ全開の歌詞が耳に残る、陽気なロックチューン。アンコールのリラックスした雰囲気にぴったりな1曲で、オーディエンスを楽しませた。
「今年はライブをたくさんやろうと思ってやってきて、1年間で曲もバンドも大きくなれたと思う。ライブを1本1本やっていく中で、お客さんの反応が大事だと気付いたから、今日はそんな皆さんへの感謝の気持ちだけでステージに立ってます」と「1125の日ライブ」に賭ける思いを吐露した光村。最後に「4月からまたツアーをやります。一生懸命曲を作って、また各地に届けに行きますんで来年もよろしくお願いします」と挨拶。さらに来年の「1125の日ライブ」の開催をファンに約束しMCを締めくくった。
ライブのクライマックスを飾ったのは「Aurora」「ホログラム」の2曲。4人は笑顔を浮かべ、それぞれの音を重ねていく。その晴れ晴れとした表情と力強いプレイは、「1125(いいニコ)の日ライブ」がメンバーにとって手応えのあったものであったことを物語っていた。
「1125(いいニコ)の日ライブ」セットリスト
01. 新曲
02. 泥んこドビー
03. 錆びてきた
04. そのTAXI,160km/h
05. Broken Youth
06. エトランジェ
07. 雲空の悪魔
08. April
09. Diver
10. N極とN極
11. B.C.G
12. サドンデスゲーム
13. THE BUNGY
<アンコール>
14. 友情讃歌
15. Aurora
16. ホログラム
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うーん行きたかったーー( ; ; )
今年はどんなのやるのかな。レポ楽しみ。