彼らがホールツアーを行うのは昨年の夏以来ちょうど1年ぶり。客席の照明が徐々に暗くなり、オープニングSEが流れ始めると早くも観客の絶叫と拍手が響き渡る。メンバーが登場し、TERU(Vo)が「OK、三郷!」と呼びかけると、歓声は一段と大きくなった。
ツアータイトルにふさわしく、アッパーなロックチューン2曲が立て続けに披露され、場内の熱気はさらに上昇。あまりの盛り上がりにTERUが「落ち着け、落ち着けって!(笑)」とファンをなだめるシーンもあった。そして「16年間走り回って、未だに走り続けているバンドって他にいないと思うからね。今日はオンリーワンなところを観てほしいです」と挨拶し、ライブへの期待をふくらませた。
「生きてく強さ」では恒例のオーディエンスによる大合唱と、TAKURO(G)とHISASHI(G)の高らかなギターソロが高揚感を煽る。中盤のパートでは懐かしい楽曲やレア曲も続々と披露され、そのたびに客席から悲鳴のような歓声が沸き起こった。
後半戦に突入する前にはTAKUROもファンに挨拶。「去年のカウントダウンライブでの約束を無事に果たして、ツアーを行うことができました。昨今の音楽業界のCD売上不振のせいか、みなさんツアーをたくさんやるみたいで、場所が無い無い(笑)。でもスタッフががんばってくれたおかげで『リーダーの嘘つき!』って言われずに済みました(笑)」と笑わせる。そして「GLAYは新たな活動の場を得て、自分たちの音楽をまっすぐにみんなに届けられる環境ができました。これからもがんばっていくので、応援よろしくお願いします」と新レーベル設立への意気込みを改めて語り、大きな拍手を浴びた。
そしてツアーパンフレットの付属CDにアコースティックバージョンが収録された、押井守監督とのコラボレーションナンバー「Satellite of love」をライブで初披露。ピアノのイントロから始まるこの曲は壮大な世界観を感じさせるバラード。情熱的なパフォーマンスに、ファンは息を呑んで見入っていた。
観客を圧倒する新曲披露に続き、TERUが「そろそろ激しい曲も聴きたい?『ROCK AROUND THE WORLD』って言うぐらいだからね」と呼びかけて、ライブはいよいよ終盤に。TERUの言葉どおり、迫力あるロックチューンを次々と演奏し、熱狂のうちに本編が終了した。
アンコールの声に応えて、メンバーはステージに再登場。TERUが「初日ね、なかなかよかったんじゃないかと」と振り返ると、JIRO(B)が「いや本当よかったよ。TERUすごいよ(笑)」と褒め、客席からは笑い声が起こる。「こんな和気あいあいとやれるのもね、長い月日がなせる業なんじゃないかと(笑)。20周年に向けてこれからも新しい扉を開いていきたいと思います。みんなには世知辛い世の中でも前進してほしいからね、こう『オーバー・ザ・トップ』でシルベスター・スタローンが帽子を後ろに返した瞬間みたいに……」とTERUが往年の名作映画のシーンを引用して語るが、場内は「?」という微妙な雰囲気に。すかさずJIROから「全然わかんねえよ!」と突っ込みが入り、さらなる爆笑が会場を包んだ。
小規模なホールならではのなごやかなトークの後、アンコールでは3曲を披露。最後はTERUが「16年後も変わらずみんなが夢を見ていてくれることが俺たちの夢なんだ! 今日は本当にありがとう!」と叫び、光景を目に焼き付けるように場内をじっくりと見渡した。
「GLAY LIVE TOUR 2010-2011 ROCK AROUND THE WORLD」はこの後7月まで全国のホールで開催され、11月から2011年にかけてはアリーナ公演を行う。新体制に突入してさらに前進を続ける彼らから、これからも目が離せそうにない。
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