「身に余る素敵な人生をありがとう」Cocco、万感の20周年記念武道館ライブ

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Coccoがデビュー20周年記念ライブ「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻×二の巻~」を、7月12日と14日に東京・日本武道館にて開催した。ここでは12日に行われた「一の巻」の模様をレポートする。

「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」の様子。(撮影:田中聖太郎)

「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」の様子。(撮影:田中聖太郎)

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「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」の様子。(撮影:田中聖太郎)

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7月12日の公演にはメジャーデビューから中期までのプロデュースを務めた根岸孝旨(B)のほか、向山テツ(Dr)、白井良明(G)、長田進(G)、柴田俊文(Key)、武藤祐生(Violin)という当時のCoccoを支えたアーティストたちがバンドメンバーとして参加。14日の公演には近年の彼女の作品やライブに参加している椎野恭一(Dr)、鹿島達也(B)、藤田顕(G)、粂絢哉(G)、渡辺シュンスケ(Key)がバンドメンバーとしてステージに立った。

「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」の様子。(撮影:田中聖太郎)

「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」の様子。(撮影:田中聖太郎)[拡大]

初期メンバーがCoccoを支えた12日のライブは、1stアルバム「ブーゲンビリア」収録曲「カウントダウン」でスタート。白いロングドレスを翻すようにステージに登場した彼女は、真っ赤な照明に照らされる中、盤石のアンサンブルに乗せ、鬼気迫る歌声で観客を圧倒する。さらに「水鏡」「けもの道」「走る体」と初期のナンバーを連投。彼女は全身を使い、髪の毛を振り乱してダークな楽曲を歌い上げていった。

アコースティックギターの柔らかいストロークから始まる「やわらかな傷跡」で、それまでの空気から一転、Coccoの優しい歌声が場内を包む。続く「Drive you crazy」では観客の繰り出すリズミカルなハンドクラップにあわせてCoccoは楽しそうにさまざまなポーズを決めてみせた。

和やかなメンバー紹介では根岸がCoccoへ「いつまでも乙女でいてください」とメッセージを送る場面も。また根岸に「我らが歌姫、Cocco!」と紹介された彼女はうれしそうにくるりと一回転し、ファンから温かな拍手を受けた。中盤にはアコースティックギターの柔らかな音色に乗せた「Raining」やバンドメンバーによる厚みのあるコーラスが場内に広がった「陽の照りながら雨の降る」、壮大なロックチューン「手の鳴るほうへ」などが届けられた。

MCではCoccoが、活動初期はまだインターネットが普及しておらず、ライブ情報を郵送のダイレクトメールで知らせていたと回想。さらに2004年の活動休止時に、その送り先をまとめた「DMリスト」を「盗んで逃げた」と告白してファンを驚かせる。続けて彼女は盗んで逃げた理由について「みんなは『あっちゃん』って呼んでくれるのに、Coccoは『みんな』ってしか言えないからさ、それが罪悪感みたいな感じがして。DMリストを大学ノートに写して、1人ずつ名前を呼んだんだよ」と明かす。そして彼女が「名前、呼ばれた人いるかな?」と客席に目をやると「手紙届いたよ!」というファンの声がいくつも飛び、Coccoは「ありがとう」と顔をほころばせた。

「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」の様子。(撮影:田中聖太郎)

「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」の様子。(撮影:田中聖太郎)[拡大]

Coccoがより一層力強い歌声を聴かせた「ポロメリア」、幻想的なイントロから壮大なサウンドへと変化していく「強く儚い者たち」、打ち込みを取り入れた「音速パンチ」と、シングル曲を連投してライブはクライマックスへ。真っ赤な照明がステージを照らす中、彼女は手を高く伸ばしエモーショナルに「焼け野が原」を歌い上げ、ファンは凄みのあるステージングにじっと観入っていた。

柔らかいオレンジ色のライトの差し込む中「風化風葬」を静かに歌唱すると、彼女は最後のMCへ。「なんかもう、私たちはもう大丈夫な気がする。長くかかったけど、よく来たよね。『もう死んでもいい』ってところから、『生きててよかった』っていうところまでみんなでよく来たね」と涙を流しながら言葉を重ねる。客席を見渡しながら、「20年だって。みんなおめでとう、ありがとう」とファンへ言葉を送ると、客席から盛大な拍手が送られた。続けて彼女は「なんか愛って一番の自由な気がします。あっちゃん、この歌が終わったら、きっと今まで一番自由になる気がする。みんなにもらうその自由を、大事にこれから生きていきます。今までありがとう。身に余る素敵な人生をありがとう。みんな、さよなら」と語りかけ、ラストナンバー「もくまおう」を丁寧に歌唱。歌い終わると、彼女はアウトロの流れる中、晴れ晴れとした表情で、ファンとバンドメンバーに向かってお辞儀と投げキッスをし、軽やかにステージを去った。

なお、7月12、14日の両公演の様子は9月10日にWOWOWで放送される。

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Cocco「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻」
2017年7月12日 日本武道館 セットリスト

01. カウントダウン
02. 水鏡
03. けもの道
04. 走る体
05. やわらかな傷跡
06. Drive you crazy
07. Raining
08. しなやかな腕の祈り
09. コーラルリーフ
10. 陽の照りながら雨の降る
11. 手の鳴る方へ
12. ありとあらゆる力の限り
13. ポロメリア
14. 強く儚い者たち
15. 樹海の糸
16. 音速パンチ
17. Rainbow
18. 焼け野が原
19. 風化風葬
20. もくまおう

Cocco「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~二の巻」
2017年7月14日 日本武道館 セットリスト

01. 焼け野が原
02. ドロリーナ・ジルゼ
03. 強く儚い者たち
04. 遺書。
05. Raining
06. 箱舟
07. キラ星
08. やわらかな傷跡
09. 樹海の糸
10. Heaven's hell
11. 手の鳴るほうへ
12. オアシス
13. カウントダウン
14. 絹ずれ~島言葉~
15. 音速パンチ
16. BEAUTIFUL DAYS
17. blue bird
18. Never ending journey
19. ジュゴンの見える丘
20. 有終の美

WOWOW「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 ~一の巻~」

2017年9月10日(日)21:00~

WOWOW「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 ~二の巻~」

2017年9月10日(日)22:30~

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読者の反応

Emiri.S @emr_81

この写真もめちゃくちゃバレリーナで素敵だしテキストの時点でライブ観れてもないのに凄い迫り来るものが

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