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aiko、特殊演出多用のアリーナツアーが地元大阪で幕

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「aiko live tour『Love Like Pop vol.17.5』」10月31日の神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(撮影:岡田貴之)

「aiko live tour『Love Like Pop vol.17.5』」10月31日の神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(撮影:岡田貴之)

aikoの全国アリーナツアー「Love Like Pop vol.17.5」の最終公演が昨日11月13日、大阪・大阪城ホールにて開催された。

今回のツアーは10月14日に幕を下ろした全国30公演におよんだホールツアー「Love Like Pop vol.17」の追加公演として、全国3都市で計6公演が行われたもの。aikoの地元大阪ということもあり会場はライブ開始前から熱気に満ちており、観客は今か今かと彼女の登場を待ち続けた。

開演時間が少し過ぎた頃、会場が暗転。ダンサブルなSEが流れる中、ステージを覆う赤いカーテンに青い照明が当てられると、観客のテンションはさらに高まっていく。そしてカーテンが勢いよく下ろされると、その後ろから紗幕が登場し、aikoのライブパフォーマンスが映し出される。SEの終わりと同時に力強いギターリフが会場に鳴り響き、続いてスクリーン代わりの幕が下ろされるとステージ上空でパイロが爆発。ライブ1曲目「運命」がスタートすると、ステージでは黒を基調とした衣装を身にまとったaikoがパワフルかつ伸びやかな歌声を会場に響かせる。そして客席では観客全員に無料配布されたLED内蔵リストバンド・XYLOBAND(ザイロバンド)の最新バージョンが、曲の展開に合わせてカラフルに点灯。日本で初めて使用されるというこの最新型XYLOBANDを通じて出演者、観客が一体となってライブを演出していった。

ライブは「運命」から間髪入れずに「be master of life」へと続く。アッパーな楽曲の連発に観客の盛り上がりは一気に加速し、これに応えるようにaikoはアリーナ中央に一直線に伸びた花道を歩きながら歌唱。曲間のブレイクでは「イエーイ!……(声援が)全然足りません!」と言ってから、ライブ恒例の「男子! 女子! そうでない人!」という煽りを重ねて客席をヒートアップさせた。さらに「風招き」「愛の病」ではステージの左右をところ狭しと動き回り、スタンド席の観客とコミュニケーションを図りつつエモーショナルな歌声を聴かせた。

4曲終えたところで、この日最初のMCに突入。aikoは「皆さんこんばんは、aikoです!」「今日は本当に緊張して眠れませんでした。本当に皆さん来てくれて、どうもありがとうございます!」と挨拶してから、「今日はね、6月からスタートしたツアーの集大成です。だからいつもと変わらず、今までのツアーの中のいつもと同じ気持ち、さらにプラスα、すごいことが起こるように、みんなでがんばろうね!」とこの日のライブに対する意気込みを口にした。その後は「花風」「サイダー」「キスの息」といったポップチューンを連発。さらに11月12日にリリースされたばかりのニューシングル「あたしの向こう」の収録曲で、ドラマチックなアレンジが印象的な「ドライヤー」も披露し、会場を盛り上げた。

スローバラード「気付かれないように」ではaikoの切ない歌声をさらに盛り立てるように、ステージ後方からストリングス隊が登場し演奏を華麗に演出。aikoやバンドがステージを去ったあとも、楽曲の余韻を引きずるようにストリングス隊は温かな音色を奏で続け、観客のXYLOBANDは会場中を青一色に染め尽くした。続いてアリーナ中央のセンターステージに移動したaikoとバンドメンバーは、アコースティック編成で「恋のスーパーボール」を披露。ボッサ調にアレンジされた同曲は原曲とは異なる魅力を放ち、会場を優しい空気で包み込む。さらに「ポニーテール」「大切な人」ではバイオリンも加わり、通常のバンド編成とはひと味違ったアレンジで観客を魅了した。

アコースティックコーナーが終わると、ライブもいよいよ後半戦に突入する。ヒットシングル「キラキラ」から再びエンジンがかかると、続くロック色の強い「染まる夢」「舌打ち」ではスクリーンに歌詞の1フレーズが断片的に表示されたり、文字の羅列がスクリーン上を流れたりなどの演出も。また「ボーイフレンド」では客席に向けて銀テープが放たれ、aikoは花道を走り回ってフロアを煽る。さらに「Power of Love」ではライブ恒例となったお題付きのバンドメンバー紹介もフィーチャーされ、ライブの盛り上がりは終盤に向けて一気に加速していった。

そして次で最後の曲というタイミングで、aikoは「いろんな曲を歌うことができてうれしかったです。CDも発売になって、気付いたらもう30枚以上のシングルを出すことができて。こうやって出せることが本当に特別なことだと思います」と語り、「これからももっともっと、みんなと楽しい時間を過ごせるようにがんばりますので、みんなもがんばってください。一緒に歳を重ねていきましょう。よろしくお願いします!」と告げてから、本編最後の1曲として最新シングル「あたしの向こう」を力一杯歌った。aikoが曲後半でセンターステージに移動すると、アコースティックコーナーでも多用された“ドットミラーイメージ”を使った照明システムがステージ上やアリーナをまばゆい光で演出。ピアノを前面に打ち出した曲調と相まって会場は感動的なクライマックスを迎え、ライブ本編は幕を下ろした。

観客のaikoコールに導かれるように再度ステージに現れたaikoとバンドメンバーは、「シアワセ」でライブを再開。再びストリングス隊を迎えた編成でゴージャスなサウンドが鳴らされる中、客席のXYLOBANDはピンク一色で会場を染め上げる。大阪城ホール全体がピースフルな空気で包まれたところで、aikoは「ツアーの最終日とかって、自分の中で意識せずにいつも過ごしていこうと思っていて。でも、さっき『シアワセ』を歌う前に『ああ、終わってしまうんだな』と思って、すごい寂しくなりました」と現在の心境を口にした。そして「また(ライブに)来たいなって思ってくれるような演奏、歌をみんなに届けられるように、これからもまた1からぐらいの気持ちで歌おうって思いました」と力強く宣言して「どろぼう」を歌唱。さらにホールツアー「Love Like Pop vol.17」ではオープニングに歌われた「明日の歌」で、歌詞を噛みしめるような心のこもった歌でライブを締めくくった。

最後にバンドメンバーとともにステージ上に一列に並ぶと、aikoはマイクを使わずに「皆さん、本当に今日は最後までありがとうございました。みんな一緒にライブを作ってくれて、本当にどうもありがとうございました!」と感謝の言葉を送る。そして1人ステージに残ると、花道を歩きながらアカペラでファンへの思いを込めた歌を即興で歌ってからステージを降りた。

スクリーンにはライブのエンドロールが流れ、最後にaikoからのメッセージが表示されたところでライブは完結したかと思われた。しかし再度アンコールを求めるaikoコールと手拍子はさらに大きくなっていく。この声に応えるかのように、aikoは三たびステージに登場。「ただいま!」とうれしそうに叫んでから、「mix juice」を熱唱する。曲の最後のブレイクでは「皆さん、少し早いですが、今年も1年ありがとうございました。そしてこれからも、来年もよろしくお願いします!」と今年最後のライブにふさわしい挨拶も飛び出した。そして「また必ず会えますように。ここから少しずつ月日が経っていって、またツアーができたらいいなと思います。それまで待っていてください」と語ってから、「Love Like Pop vol.17.5」のラストを飾る楽曲「カブトムシ」に突入。イントロのピアノの音色が会場に響くと、客席からは大歓声と大きな拍手が沸き起こり、aikoは最後の力を振り絞って、感情の赴くままに歌い上げた。そんな彼女の熱唱を、さらにセンターステージのドットミラーイメージと照明がドラマチックに演出。聴き手の涙腺を刺激するエモーショナルな歌声が客席を包み込み、温かな空気が充満したところで3時間半におよぶツアー千秋楽は終了した。aikoはセンターステージから観客に感謝の言葉を送ると、そのままステージとは反対側に向かって花道を歩き出し、そのままアリーナ後方の扉から会場をあとにした。

6月24日から約4カ月に及んだ「Love Like Pop vol.17」から、間髪入れずに実施されたアリーナツアー「Love Like Pop vol.17.5」はこうして大成功のうちに終了。ニューシングル「あたしの向こう」で新境地を見せたaikoが2015年、どのような活動を展開するのか期待がかかるところだ。

aiko live tour「Love Like Pop vol.17.5」
2014年11月13日 大阪城ホール セットリスト

01. 運命
02. be master of life
03. 風招き
04. 愛の病
05. 花風
06. サイダー
07. キスの息
08. ドライヤー
09. 気付かれないように
10. 恋のスーパーボール
11. ポニーテール
12. 大切な人
13. キラキラ
14. 染まる夢
15. 舌打ち
16. 相合傘
17. ボーイフレンド
18. Power of Love
19. あたしの向こう
<アンコール>
20. シアワセ
21. どろぼう
22. 明日の歌
<ダブルアンコール>
23. mix juice
24. カブトムシ

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