「『蜜のあわれ』公開記念展示~人を好きになるということは愉しいものでございます~」と銘打った同イベントでは、二階堂が劇中で着用した衣装や小物が展示される。また、二階堂演じる赤子がソファに寝そべる場面と同じシチュエーションで撮影できるフォトスポットも。開催期間は3月1日から13日まで。会期中には、本作のスチール撮影を担当した中野愛子による撮影会も実施される予定だ。
auのCM“三太郎シリーズ”を筆頭に、「ライチ☆光クラブ」「信長協奏曲」「るろうに剣心」など、さまざまな作品の衣装デザインを手がけてきた澤田石は、赤子のドレスについて「金魚の赤子が産み落とされて死んでしまうまで、その時間を追う衣裳です。つまり赤子の成長が衣裳で表現されているのです」とコメント。またドレスには13種の生地が使用されているといい、「裾を軽くするなど金魚の尾鰭の動きをイメージした、柔らかいドレスにしてもらっています。透ける素材のドレスを重ねることで、衣裳の輪郭に金魚の尾鰭の様な印象を加えることもデザインの一つです」と語った。
室生犀星の短編小説を
「蜜のあわれ」公開記念展示~人を好きになるということは愉しいものでございます~
2016年3月1日(火)~13日(日)東京・渋谷ヒカリエ CREATIVE LOUNGE MOV / aiiima1
料金:入場無料
澤田石和寛 コメント
金魚の赤子が産み落とされて死んでしまうまで、その時間を追う衣裳です。つまり赤子の成長が衣裳で表現されているのです。袖が伸び、スカートの丈が長くなり、次第に「赤」の面積が増え、朱赤色のシルクオーガンジーから赤黒い二色糸のシフォンへ素材の変化に合わせて「赤」がどんどんと深くなっていくのです。赤子の尾鰭はスカートになっていて、3種類のスカートがありました。
ドレスだけで13種類の生地で制作しています。靴下も手袋も帽子も鞄も赤です。時代設定を追ってヴィンテージの鞄をフランスから送ってもらいました。金魚を表現するためにもうひとつ重要だったのがフォルムです。金魚のフォルムをデザインするために衣裳制作の岩崎晶子に金魚の形をおこしてもらいました。裾を軽くするなど金魚の尾鰭の動きをイメージした、柔らかいドレスにしてもらっています。素材に透ける素材のドレスを重ねることで、衣裳の輪郭に金魚の尾鰭の様な印象を加えることもデザインの一つです。男性の思考から産まれた女性の「艶めかしさと純情」を赤い色をつかって表現することができたと思います。作家にも同じことをしています。作家の着物は灰白色の着物で始まり最後は漆黒まで色を深めていきます。死に向けた色として。死の色については「黒」と石井さんが口ずさんだことを覚えています。大体12色の着物があったと思います。時間を追ってどんどん作家の着物は色が濃くなっていきます。
■二階堂ふみとのやりとり
彼女はこちらの思い描いたイメージに乗り、その上でもっと個性を強くするアイディアを出してくれる素敵な役者です。顔合わせで初めて会ったときにデザイン画をみて、「楽しみにしています」と言っていました。衣裳的には、「ポックリがいいと思う」とアイディアが出てきました。まだ白い生地で作成された衣裳の仮縫いを着て、「ポックリ、、、」と彼女が口ずさんだことを覚えています。衣裳合わせでは、一着ずつ着ながら、こちらの意図を確認するようにゆっくり時間をかけて赤子のキャラクターを完成させてくれました。「蜜のあわれ」の世界観の中心に立って、赤子を体現してくれたと思います。
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