本作は、家族との関係に耐え切れずに家を飛び出した“じゅじゅ”こと小林樹理恵が、SNSを頼りに歌舞伎町の“トー横”にたどり着く物語。彼女はそこで同じく生きづらさと傷を抱えた若者たちと出会い、“じゅじゅ”という新しい名前を得る。森がじゅじゅ、
ポン・ジュノはまずアンソニー・ホプキンス主演作「ファーザー」を挙げ、「あの映画は、認知症を追体験させる、1人称視点でアルツハイマーを体験させるという、そんな恐ろしさがありました。今回の允さんの新作も、1人称視点を通して痛みを体験させる側面があります。恐ろしい苦痛の旅です」と説明する。また“じゅじゅ”の父による虐待の描写にも触れ、「この映画がどれほど肉体的であるか、どれほど身体的な感覚に依存しているか。それをはっきり見せながら映画が始まるのです」ともコメント。「僕がもし東京を歩いていて偶然その広場を通り過ぎたとしたら、この映画の中の子供たちのことを思い出すでしょう。その場所が違って見えるはず」と述べ、「それが映画が持つ力だと思っています」と締め括った。
あわせて歌舞伎町で撮影された本作のメイキング写真9枚も到着。セルフィーを撮る森の姿や、アオイ、
「炎上」は4月10日より全国でロードショー。出演には古舘寛治、松崎ナオ、新津ちせ、広田レオナ、一ノ瀬ワタルらも名を連ねた。
※古舘寛治の舘は舎に官が正式表記
ポン・ジュノ コメント
アンソニー・ホプキンス主演の「ファーザー」という映画をご存じでしょうか。
あの映画は、認知症を追体験させる、1人称視点でアルツハイマーを体験させるという、そんな恐ろしさがありました。
今回の允さんの新作も、1人称視点を通して痛みを体験させる側面があります。恐ろしい苦痛の旅です。
しかし、その旅は非常に美しく、さらに鮮やかな映像で彩られているため、そこから生まれる強烈なコントラストが、いっそう恐ろしく胸を締めつけるように感じられる映画です。
強烈と言わざるを得ない、議論を巻き起こさずにはいられない映画だと感じます。
導入部のその恐ろしい父親による虐待の描写。
映画的な表現の限界を越えるかのような、あまりにも幼い姉妹の小さな背中に刻まれた傷を描くシーンからわかります。この映画がどれほど肉体的であるか、どれほど身体的な感覚に依存しているか。それをはっきり見せながら映画が始まるのです。
実際に存在するとても強力な肉体的な痛みを描き、それゆえに心にも深い痛みを避けられない映画。そんな痛みと苦しみについての1人称視点の映画だと思います。だからこそ、「その広場」を題材にした、そこにいる青少年を扱ったドキュメンタリーのようなものとは全く異なる、正反対の地点にあるスタイルとアプローチを持つ映画です。
そのような正反対のスタイル。
主観的で映画的で、さらには美しいとさえ言える映像を通して、むしろそこにいる子供たちの苦しみや危険な状況がより鮮明に浮かび上がる作品だと思います。
余韻が長く残らざるを得ない作品です。
僕がもし東京を歩いていて偶然その広場を通り過ぎたとしたら、この映画の中の子供たちのことを思い出すでしょう。
その場所が違って見えるはずです。表面的な姿とは異なる何かが見えてくるでしょう。
そこに座っている子供たちも、そうです。
それが映画が持つ力だと思っています。
映画「炎上」予告編
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