森七菜の主演作「炎上」をポン・ジュノが絶賛「強烈と言わざるを得ない」、“映画の力”感じる

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森七菜が主演を務めた映画「炎上」を、「パラサイト 半地下の家族」で知られる映画監督ポン・ジュノが鑑賞。「強烈と言わざるを得ない、議論を巻き起こさずにはいられない映画だと感じます」と絶賛した。

「炎上」メイキング写真。主演を務めた森七菜

「炎上」メイキング写真。主演を務めた森七菜

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本作は、家族との関係に耐え切れずに家を飛び出した“じゅじゅ”こと小林樹理恵が、SNSを頼りに歌舞伎町の“トー横”にたどり着く物語。彼女はそこで同じく生きづらさと傷を抱えた若者たちと出会い、“じゅじゅ”という新しい名前を得る。森がじゅじゅ、アオイヤマダが親友・三ツ葉を演じ、「そうして私たちはプールに金魚を、」「ウィーアーリトルゾンビーズ」の長久允が監督・脚本を担当。第42回サンダンス映画祭では、挑戦的で既存の枠にとらわれない作品が選ばれるNEXT部門にノミネートされた。

「炎上」メイキング写真。左からアオイヤマダ、森七菜

「炎上」メイキング写真。左からアオイヤマダ、森七菜 [高画質で見る]

ポン・ジュノはまずアンソニー・ホプキンス主演作「ファーザー」を挙げ、「あの映画は、認知症を追体験させる、1人称視点でアルツハイマーを体験させるという、そんな恐ろしさがありました。今回の允さんの新作も、1人称視点を通して痛みを体験させる側面があります。恐ろしい苦痛の旅です」と説明する。また“じゅじゅ”の父による虐待の描写にも触れ、「この映画がどれほど肉体的であるか、どれほど身体的な感覚に依存しているか。それをはっきり見せながら映画が始まるのです」ともコメント。「僕がもし東京を歩いていて偶然その広場を通り過ぎたとしたら、この映画の中の子供たちのことを思い出すでしょう。その場所が違って見えるはず」と述べ、「それが映画が持つ力だと思っています」と締め括った。

あわせて歌舞伎町で撮影された本作のメイキング写真9枚も到着。セルフィーを撮る森の姿や、アオイ、曽田陵介らキャストと過ごした時間が使い捨てカメラによって切り取られている。本編も画面比率が3:2の写真サイズになっており、長久はその狙いを「過去を振り返った樹理恵の心に焼き付いた写真のような映画にしたい。そして現実に対する夢という抽象的なコンセプトをルックに宿らせたかった」と告白。「完成した作品には、面白おかしく報道・消費されたりする彼らの姿とは違った、本質的な何かが描かれています」「今作るべき理由がちゃんと定着した映画だと確信しています」と語った。

「炎上」メイキング写真。左から森七菜、曽田陵介

「炎上」メイキング写真。左から森七菜、曽田陵介 [高画質で見る]

「炎上」メイキング写真

「炎上」メイキング写真 [高画質で見る]

「炎上」は4月10日より全国でロードショー。出演には古舘寛治、松崎ナオ、新津ちせ、広田レオナ、一ノ瀬ワタルらも名を連ねた。

※古舘寛治の舘は舎に官が正式表記

ポン・ジュノ コメント

アンソニー・ホプキンス主演の「ファーザー」という映画をご存じでしょうか。
あの映画は、認知症を追体験させる、1人称視点でアルツハイマーを体験させるという、そんな恐ろしさがありました。
今回の允さんの新作も、1人称視点を通して痛みを体験させる側面があります。恐ろしい苦痛の旅です。
しかし、その旅は非常に美しく、さらに鮮やかな映像で彩られているため、そこから生まれる強烈なコントラストが、いっそう恐ろしく胸を締めつけるように感じられる映画です。
強烈と言わざるを得ない、議論を巻き起こさずにはいられない映画だと感じます。

導入部のその恐ろしい父親による虐待の描写。
映画的な表現の限界を越えるかのような、あまりにも幼い姉妹の小さな背中に刻まれた傷を描くシーンからわかります。この映画がどれほど肉体的であるか、どれほど身体的な感覚に依存しているか。それをはっきり見せながら映画が始まるのです。
実際に存在するとても強力な肉体的な痛みを描き、それゆえに心にも深い痛みを避けられない映画。そんな痛みと苦しみについての1人称視点の映画だと思います。だからこそ、「その広場」を題材にした、そこにいる青少年を扱ったドキュメンタリーのようなものとは全く異なる、正反対の地点にあるスタイルとアプローチを持つ映画です。
そのような正反対のスタイル。
主観的で映画的で、さらには美しいとさえ言える映像を通して、むしろそこにいる子供たちの苦しみや危険な状況がより鮮明に浮かび上がる作品だと思います。
余韻が長く残らざるを得ない作品です。
僕がもし東京を歩いていて偶然その広場を通り過ぎたとしたら、この映画の中の子供たちのことを思い出すでしょう。
その場所が違って見えるはずです。表面的な姿とは異なる何かが見えてくるでしょう。
そこに座っている子供たちも、そうです。
それが映画が持つ力だと思っています。

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©︎2026映画「炎上」製作委員会

映画「炎上」予告編

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しにたに @raisenikitai_47

男の人タイプすぎて観に行くしかない https://t.co/t3Ur4816bY

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