歌舞伎俳優の
2人は金屏風を背景にした舞台に登場。まず橋之助が「このたび私、中村橋之助と能條愛未は婚約する運びと相成りましたことをここにご報告させていただきます」と発表し、「役者としても1人の男としても、お客様を大事に、家族を大事に、仲間を大事に、そして愛未を大事に、素敵な家庭を築いて参りたいと思っております。歌舞伎のため、成駒屋のために、夫婦で力を合わせて素敵な家庭を築いて参りたいと思います」と続けた。能條は「これまで私を応援してくださったファンの皆様への感謝の思い、私を育て支えてくださった関係者の皆様、お一人おひとりへの感謝の思いを胸に、成駒屋へ嫁ぎ、橋之助さんを隣でしっかりと支えられるよう精進して参りたいと思っております」とあいさつした。
橋之助は「会場に来るまでは愛未より私のほうが緊張していたのですが、支度が完成した愛未を見たらワクワクした気持ちが勝ってきて、緊張より幸せでいっぱい」と言う。能條が「1週間前ほど前からドキドキが止まらなくて、質疑応答の練習を互いにしていました」と裏側を明かすと、橋之助は「昨日までの練習とは別人のようにうまくしゃべれているじゃん」とツッコミを入れて仲睦まじい様子を見せた。
出会いは、2021年に夫婦役で共演したミュージカル「ポーの一族」。能條は当時の様子を「互いに極度の人見知りなので、最初は会話もほとんどありませんでしたが、徐々にお話をする機会が増えて。歌舞伎俳優さんはお堅いイメージがありましたが、橋之助さんは気さくで優しくて楽しい方で、私の中で印象が変わっていきました」と説明。橋之助は同舞台の公演期間後に告白したそうで、「次の舞台で京都に行くことになっていたので、その前夜に告白してなんとかOKをいただきました」と照れくさそうに振り返った。
そこから4年半の交際を経て、今年7月のハワイ旅行中にプロポーズが行われた。ロケーションはレストランの海の見える席。橋之助がひざまずいて指輪の箱を開け、「これから愛未にたくさん良い思いをさせられる男でいますから、結婚してください」と思いを伝え、能條が「もちろんです」と応じた。婚約指輪がハリー・ウィンストンの0.7カラットだと明かされると、橋之助は「がんばりました!(笑)」と面映ゆそうにアピールした。
また橋之助はハワイに発つ前日、両親である八代目中村芝翫と三田寛子、そして弟の中村福之助と中村歌之助を自宅のリビングに集めて結婚の意思を伝えたという。橋之助は「母はすごく心配性なので、『もし断られても私たちがいるからね』と言葉をかけてくれて(笑)。それに対し福之助が『今そんなこと言うもんじゃないから』と返すなど、ワイワイと送り出してくれました」と楽しげに振り返った。
能條は、橋之助の両親の反応について「お父様からは『念願の娘ができてうれしい。ようこそ中村家へ』、お母様からは『何があっても愛未ちゃんのことは私が全力で守るから任せなさい』と言っていただきました。涙が出るほどうれしかったです」と喜びをかみ締める。会見で能條が身にまとっていた着物は、三田が婚約会見で着用したもの。橋之助は「34年前に祖父(七代目中村芝翫)が母のために選んだと聞いているので、率直にうれしい」と述べる。また、本日の東京は朝から晴れていたが会見直前のみ一時雨が降ったことに触れ、橋之助は「成駒屋といえば雨。今日はすごく晴れていたのに、先ほどちょっと雨が降ったと聞いて、祖父が見に来てくれたんだなと、鳥肌が立ちました」と、雨男とされた七代目芝翫に思いを馳せた。
結婚の決め手を記者に問われると、橋之助は「以前は役者として自分自身どうなるかわからないという不安や、父のようになれるのか、作品の真ん中に立てる役者になれるのかといった焦りがあり、踏み切れていませんでした。ですが伴侶を得て、責任を負って自分の好きな歌舞伎に真摯に向かうことで、それが自分のパワーになるのではという考え方に少しずつ変わっていきました」と、能條の存在が力になっていることを伝えた。
能條は、橋之助の好きな部分を「まっすぐなところ。熱血。正義感。猪突猛進。この言葉は橋之助さんのためにあるのではと思うほど」と尊敬の眼差しを向け、「『愛未の笑顔を見るために僕は生きているんだよ』と常々言ってくださるので、毎日彼の温かさに救われています」と述べる。また歌舞伎俳優としての橋之助については「舞台の上での橋之助さんは非常にカッコよくて素敵です。私が一番好きなお役は、『番町皿屋敷』の青山播磨」と、同演目を観て惚れ直したことを明かす。また記者に「橋之助に直してほしいところがあるか?」と問われると、「一緒に映画を観ているときに先の展開の予想を言ってきてそれが当たってしまうところ」と答えて場を和ませた。
能條は今後、橋之助を支えながら、女優業を続けていく。記者に「梨園の妻となることへの不安はなかったか?」と問われると「(不安が)まったくなかったと言えばうそになってしまいますが、橋之助さんがいてくだされば私は何が起きても大丈夫と確信しております」「しっかりと良き妻になれるよう努力してまいります」と決意を口にする。「まずは筆ペン練習用ノートを買ってきて練習しています。お母様は、私が負担を感じないようとても気遣ってくださり、『“橋之助”という文字を綺麗に書ければいいからね』と言ってくださっています」と明かした。
理想の家庭像について、橋之助は「私は福之助と歌之助のことが大好きで、最強の三兄弟になることが夢ですので、弟たちのような子供を育てられるような、温かい家庭にしたい」と話す。能條も「3人の様子を見ていると、とても仲が良くて心が温まる。もし私も授かることができたら、にぎやかな家庭にできたら」と期待を込めた。
なお会見に際し、八代目芝翫と三田も連名でコメントを発表した。「このたび、長男中村橋之助が能條愛未さんと結婚することとなり、家族一同、心より喜んでおります。これまでも多くの皆さまに温かく見守っていただき、心より感謝申し上げます。二人はこれから、新たな家庭を築くとともに、芸の道にも 一層の精進を重ねてまいります。 今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます」とつづっている。
挙式・披露宴は来年初夏を予定している。
にょり @nyori1028
一瞬ドラマか何かの製作発表の劇中婚約会見かと思ったらマジな婚約会見じゃん!!!能條愛未ちゃんおめでとうだよ!!!!!!😭 https://t.co/DvFN0Kxd0s