avenir’eは、2023年に旗揚げされた“劇場を持たないアンサンブルチーム”。今回は、西暦2046年の世界を舞台に、おしゃべりAIを購入したある夫婦の物語を再演する。
脚本・メインディレクターを務める須賀真之は、上演に際し、「本作『#VALUE!』は、AIが『完璧で正解な言葉』をくれる未来を舞台に、あえて人間どうしの不器用な会話を描く物語です。不器用で噛み合わず、時にすれ違い、要点を捉えにくい会話。でもたしかに、何かが伝わる。優しさや心遣いがこちらに届いてくる時がある。そのような目に見えないものをやりとりする瞬間は、生身の人間がその場にいる演劇だからこそ表現できるものだと考えています」とコメントした。
そのほか脚本チームに休日の図書館、出演者に家入健都、
須賀真之コメント
「それ、ChatGPTに聞いたら一発だよ」
最近、そんな会話が日常に溶け込んできました。
議事録、企画書、プレゼン資料、バナー画像。
以前なら自分の手で試行錯誤していた仕事も、AIに任せた方が早くて、正確なことが増えてきました。
しかし、ふとこんな瞬間が訪れます。
要約された会議メモから、自分の発言だけがこぼれていて、いなかったことになっている。
AIが書いた企画書に、なぜか自分の考えが一言も残っていない。
AIに生成させた画像が、自分のスマホの中にある写真にそっくりで、気味が悪い。
私たちはこのようなモヤモヤを表現する言葉をまだ得ていません。
たしかにAIは、正しいことを素早く打ち返してくれます。
しかし、たいせつな人と大事な話をするとき、「正しさ」や「素早さ」はどれだけ重要なのでしょうか?
本作「#VALUE!」は、AIが「完璧で正解な言葉」をくれる未来を舞台に、あえて人間どうしの不器用な会話を描く物語です。
不器用で噛み合わず、時にすれ違い、要点を捉えにくい会話。
でもたしかに、何かが伝わる。優しさや心遣いがこちらに届いてくる時がある。
そのような目に見えないものをやりとりする瞬間は、生身の人間がその場にいる演劇だからこそ表現できるものだと考えています。
正解が溢れ、何もかもが最適化されていく現代社会だからこそ、一見ムダで遠回りな言葉が、誰かの心の緊張をほどくのではないか。
劇場に訪れた方々といっしょに、そのような言葉によって今の時代の空気をゆるめるような瞬間を作り出せたらと思っています。
お楽しみいただけたら幸いです。
avenir’e 9th create「#VALUE!」
2025年7月23日(水)〜27日(日)
東京都 OFF・OFFシアター
スタッフ
脚本・メインディレクター:須賀真之
出演
家入健都 /
※U-22、高校生以下割引あり。
ステージナタリー @stage_natalie
おしゃべりAIを購入したある夫婦描くavenir’e「#VALUE!」再演(コメントあり)
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