「中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~」は、昨年2・3月に東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)ほかで上演された作品。
上演に際し藤原は「仲蔵として、再び同じ座組で歌舞伎の世界に戻れることを嬉しく思います。一年前に稲荷町からやっとの思いで下剋上を果たしたのですが、また出直すことになりました。(笑) しかも今回は日本ではなく海外公演。僕自身は2018年の『ムサシ』以来7年ぶりの海外公演となりますが、その時と同じ中国上海で公演ができるということも、とても楽しみです。改めてこの役と向き合い、言語の壁を越えてこの作品の熱を届けたいと思います」と語った。脚本の源、演出の蓬莱からのコメントは以下の通り。
源孝志コメント
上海は北京と並ぶ京劇の都だと聞いている。古典劇に対する目の肥えた地元観客の方々も、少なからず観に来られることと思う。日本の歌舞伎を題材にした本作が、彼らにどのように受け入れられるのか……緊張感を持って臨む演出家や出演者の皆さんには申し訳ないが、個人的にはまことに興味深い。
ことに仲蔵の物語は、歌舞伎界の生々しい舞台裏や権力闘争にフォーカスした作品で、様式美に満ちた壮大な史劇の中で、一瞬の煌めきのような人間感情を垣間見せる事を上とする京劇とは異なる。思い切り人間臭い本作が、上海の演劇ファンに、どのように評価されるのか?
私の大好きな映画に、京劇の世界を舞台に、時代に翻弄される役者たちの半生を生々しく描いた「さらば、わが愛/覇王別姫」という作品がある。キャラクターこそ180度違うが、仲蔵と同じく社会の最下層から京劇のスターに上り詰める主人公を演じたレスリー・チャンの姿を、どこかで藤原竜也と重ねて脚本を書いたことを、いま思い出している。
出自による差別、同性愛、固陋な階級社会……そういう仄暗い世界を、芸の力だけで閃光のように切り裂く仲蔵の姿は、上海でも共感を持って受け入れられるに違いない。そんな根拠のない自信が私にはあるのだが、さてさて、どうなるか……。
この作品を上海で上演できることを心より光栄に思います。
蓬莱竜太コメント
この作品がこんなにも早く再び上演出来ることに驚きと喜びを感じております。日本の芸能である「歌舞伎」の世界の中で渦巻く登場人物たちの生き方が海外ではどのように伝わるのか今からとても楽しみです。
舞台「中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~」
2025年9月13日(土)〜21日(日)
中国 上海交通銀行前滩(ゼンタン)31文化芸能センター・大劇場
スタッフ
出演
中村仲蔵:
初代市川八百蔵 / 酒井新左衛門:
中村伝蔵:
志賀山お俊:
中村伝九郎:
七代目中村勘三郎 / 中村任三郎:
瀬川錦次:
五代目市川團十郎ほか:
蕎麦屋の万蔵ほか:斉藤莉生
金井三笑:
コン太夫:
市川團十郎:髙嶋政宏
パーカッション:萱谷亮一
ステージナタリー @stage_natalie
舞台「中村仲蔵」上海公演に藤原竜也「言語の壁を越えてこの作品の熱を届けたい」(コメントあり)
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