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2008年に初演された「アラジン」は、新国立劇場バレエ団の芸術監督だった
舞台稽古前に、新国立劇場の舞踊芸術監督を務める
第1幕では、マグリブ人にそそのかされたアラジンが、ひょんなことから魔法のランプを手に入れ、プリンセスに恋に落ちるまでの様子が描かれる。アラジンの大冒険が始まることを予感させるような、ゆったりとした荘厳なメロディをオーケストラが奏でる中、真っ暗なステージ上に光り輝く魔法のランプが登場。その後、活気のある市場、大きな月が空に浮かぶ夜の砂漠、財宝が眠る洞窟へと場面は移っていく。具象的で精巧な作りの舞台美術や小道具、きらびやかなアラビア風の衣裳など、ビジュアル面にも力を入れている本作だが、洞窟のシーンは特に印象的で、赤、青、金などの衣裳を身に付けたダンサーたちが色とりどりの財宝に“扮装”している。
第2幕で描かれるのは、互いに惹かれ合ったアラジンとプリンセスが、アラジンの母やランプの精ジーンの力を借りながら、晴れて夫婦になり、祝宴を行うまでのシーン。プリンセスが浴場で身を清めているところにアラジンがひっそりと近付き、2人は初めてしっかりと視線を交わし合う。アラジン役の福田とプリンセス役の池田は、うっとりとした表情で愛おしそうに手と手をピッタリと合わせ、アラジンとプリンセスの間に恋が芽生えた瞬間のときめきを表現した。
第3幕では、魔法のランプを手に入れるべく画策するマグリブ人と、マグリブ人にさらわれたプリンセスを取り戻すために奮闘するアラジンの姿が描かれる。プリンセスと結ばれるまで未熟な面が目立っていた第2幕までのアラジンを、福田は手と足をバタつかせたひょうきんなダンスで表現していた。一方第3幕では、立派な青年に成長しプリンセスの夫となったアラジンを、福田は背筋をピッと伸ばして踊る力強いパフォーマンス、そして精悍な表情で表した。また、マグリブ人とアラジンが戦うシリアスなシーンには、あえてユーモアを交えたコミカルな振付が付けられており、アラジンとプリンセスが協力してマグリブ人をあざむき眠り薬を飲ませる様子に、客席からは時折笑い声が上がる。さらにラストシーンでは、「アラジン」の舞台となった場所が中国であることにちなんで、豪華絢爛なドラゴンダンスが披露された。
上演時間は休憩ありの約2時間45分。東京公演は6月23日まで行われ、その後、7月6・7日に北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruで上演される。
新国立劇場バレエ団「アラジン」
2024年6月14日(金)〜23日(日) ※公演終了
東京都 新国立劇場 オペラパレス
2024年7月6日(土)・7日(日) ※公演終了
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
スタッフ
振付:
音楽:
出演
アラジン:
プリンセス:
ランプの精ジーン:
魔術師マグリブ人:中家正博 / 中島駿野
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