新国立劇場バレエ団のオリジナリティを発揮した「アラジン」スタート、吉田都も手応え

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新国立劇場バレエ団『アラジン』」が6月14日に東京・新国立劇場 オペラパレスで開幕。これに先駆けて13日に舞台稽古が行われた。

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、福田圭吾演じるアラジン(中央左)、池田理沙子演じるプリンセス(中央右)。(撮影:鹿摩隆司)

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、福田圭吾演じるアラジン(中央左)、池田理沙子演じるプリンセス(中央右)。(撮影:鹿摩隆司)

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新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、木下嘉人演じるランプの精ジーン。(撮影:鹿摩隆司)

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、木下嘉人演じるランプの精ジーン。(撮影:鹿摩隆司)[拡大]

2008年に初演された「アラジン」は、新国立劇場バレエ団の芸術監督だったデヴィッド・ビントレーが、同バレエ団のために振付した作品。本作では、貧しい青年アラジンがプリンセスやランプの精ジーンと出会い、成長していく姿が描かれる。今回の上演版では、アラジン役を奥村康祐速水渉悟福岡雄大、福田圭吾、プリンセス役を小野絢子柴山紗帆米沢唯池田理沙子が演じる。舞台稽古には福田と池田が出演した。

舞台稽古前に、新国立劇場の舞踊芸術監督を務める吉田都があいさつ。吉田は「『アラジン』はアメリカやイギリスでも上演されている作品ですが、先日実施された通し稽古を観たビントレーさんが『この作品はやはり新国立劇場バレエ団のものだね』と言ってくださったことが、とてもうれしかったです。また、バレエ団がオリジナル作品を持つことの大切さを実感いたしました」「ダンサー、作品共に成長した『アラジン』をどうぞご覧ください」とコメントした。

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、福田圭吾演じるアラジン(中央)。(撮影:鹿摩隆司)

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、福田圭吾演じるアラジン(中央)。(撮影:鹿摩隆司)[拡大]

第1幕では、マグリブ人にそそのかされたアラジンが、ひょんなことから魔法のランプを手に入れ、プリンセスに恋に落ちるまでの様子が描かれる。アラジンの大冒険が始まることを予感させるような、ゆったりとした荘厳なメロディをオーケストラが奏でる中、真っ暗なステージ上に光り輝く魔法のランプが登場。その後、活気のある市場、大きな月が空に浮かぶ夜の砂漠、財宝が眠る洞窟へと場面は移っていく。具象的で精巧な作りの舞台美術や小道具、きらびやかなアラビア風の衣裳など、ビジュアル面にも力を入れている本作だが、洞窟のシーンは特に印象的で、赤、青、金などの衣裳を身に付けたダンサーたちが色とりどりの財宝に“扮装”している。

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、手前から池田理沙子演じるプリンセス、福田圭吾演じるアラジン。(撮影:鹿摩隆司)

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、手前から池田理沙子演じるプリンセス、福田圭吾演じるアラジン。(撮影:鹿摩隆司)[拡大]

第2幕で描かれるのは、互いに惹かれ合ったアラジンとプリンセスが、アラジンの母やランプの精ジーンの力を借りながら、晴れて夫婦になり、祝宴を行うまでのシーン。プリンセスが浴場で身を清めているところにアラジンがひっそりと近付き、2人は初めてしっかりと視線を交わし合う。アラジン役の福田とプリンセス役の池田は、うっとりとした表情で愛おしそうに手と手をピッタリと合わせ、アラジンとプリンセスの間に恋が芽生えた瞬間のときめきを表現した。

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、左から池田理沙子演じるプリンセス、福田圭吾演じるアラジン。(撮影:鹿摩隆司)

新国立劇場バレエ団「アラジン」舞台稽古より、左から池田理沙子演じるプリンセス、福田圭吾演じるアラジン。(撮影:鹿摩隆司)[拡大]

第3幕では、魔法のランプを手に入れるべく画策するマグリブ人と、マグリブ人にさらわれたプリンセスを取り戻すために奮闘するアラジンの姿が描かれる。プリンセスと結ばれるまで未熟な面が目立っていた第2幕までのアラジンを、福田は手と足をバタつかせたひょうきんなダンスで表現していた。一方第3幕では、立派な青年に成長しプリンセスの夫となったアラジンを、福田は背筋をピッと伸ばして踊る力強いパフォーマンス、そして精悍な表情で表した。また、マグリブ人とアラジンが戦うシリアスなシーンには、あえてユーモアを交えたコミカルな振付が付けられており、アラジンとプリンセスが協力してマグリブ人をあざむき眠り薬を飲ませる様子に、客席からは時折笑い声が上がる。さらにラストシーンでは、「アラジン」の舞台となった場所が中国であることにちなんで、豪華絢爛なドラゴンダンスが披露された。

上演時間は休憩ありの約2時間45分。東京公演は6月23日まで行われ、その後、7月6・7日に北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruで上演される。

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新国立劇場バレエ団「アラジン」

2024年6月14日(金)〜23日(日) ※公演終了
東京都 新国立劇場 オペラパレス

2024年7月6日(土)・7日(日) ※公演終了
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru

スタッフ

振付:デヴィッド・ビントレー
音楽:カール・デイヴィス

出演

アラジン:奥村康祐 / 速水渉悟 / 福岡雄大 / 福田圭吾
プリンセス:小野絢子 / 柴山紗帆 / 米沢唯 / 池田理沙子
ランプの精ジーン:井澤駿 / 渡邊峻郁 / 木下嘉人
魔術師マグリブ人:中家正博 / 中島駿野

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おっくん! @0909okkun02

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