「怪物の息子たち」は脚本を
長男・蒼空(そら)役の崎山は「自分にとって初めての三人芝居。稽古から並々ならぬ思いで挑んできました。お客さんが入るとまた変化があると思うので、楽しみながら演じられたら」、次男・陸久(りく)役の安西は「舞台は生き物でまさに“怪物”のようなところがあると思うので、共演者・スタッフの皆さんと1つの怪物を作っていきたい」、三男・宇海(うみ)役の田村は「稽古期間は怖さが勝った期間もありましたが、今は信頼できる先輩2人と芝居ができるワクワクが勝っている」と思いを語った。
木下は「世の中ではフィクションを超えた出来事が起きる。誰しも心の中に“怪物”のようなものがいると思いますが、その怪物を飼い慣らすのか、食われてしまうのかは人それぞれ。本作を通じて『私の中にはどんな怪物がいるだろう』と考えていただけたら」、毛利は「三人芝居は過酷なもので、稽古場で丹念に言葉を交わしながら積み重ねてきた結果がこの舞台に現れると思っています。まさに“怪物”と呼べる素晴らしい俳優たちが集まりましたので、極上の時間をお楽しみいただけたら」とそれぞれ観客へメッセージを送る。
本作の見どころについて田村は「95分が僕ら3人の会話だけで進む。舞台上からはける瞬間もない、濃密な時間」と言い、安西は「音響や照明の力も借りて、3人で20人くらい演じます。また、息子役の自分たちが父親役も演じることには、大きな意味があると思っています。息子たちが演じる父親が本当の彼なのか、それとも我々(息子たち)の記憶の中で作られた父親なのかという視点で楽しんで」と本作の見どころを伝える。崎山は「道具を動かすのも、場面転換させるのも自分たち。水を飲む瞬間も計算されています。イレギュラーなことが起きても、頭をフル回転させて3人だけでカバーするところを楽しんでいただけると思う」とアピールした。
会見では、崎山、安西、田村が「互いを怪物に例えると?」という取材陣からの質問に答える場面も。崎山と安西という先輩2人について田村は「“お芝居の怪物”。(一緒に芝居を)やっていると怖く感じる瞬間もあって、胃がヒリヒリする(笑)。優しいパスの日もありますが、急に豪速球を投げてくるので、がんばって受け止めています」とリスペクトを込めて語る。続けて田村は「つばさくんは良いお兄ちゃん。稽古期間は自分で『差し入れおじさんでーす』と言いながら、プリン、シュークリーム、団子、金貨チョコ、野菜ジュース、エナジードリンク、唐揚げなど、毎日違うものを差し入れしてくれた」と明かした。
安西は「つばさくんは"心優しい怪物"。座長として、みんながお芝居を作りやすい空気を作ってくださる」と崎山への感謝を口にする。一方の崎山は「しんた(安西)は"バランスの怪物"。出るとこは出て引くところは引くというように、一番客観的に作品を見ている」と安西の魅力を分析した。
また安西が「心くんは“末っ子の怪物”。現場を明るくし、活気をくれる」と発言すると、登壇者の間に笑いが起き、崎山も「違いない」と即座に同意。田村を「“後輩の怪物”」と称した崎山は「(食事に行った際に)知らないうちに酒を頼んでくれていたり、お好み焼き屋さんでお好み焼きを作ってくれたり。いろいろな現場で先輩に揉まれてきたんだなと思う」と述べ、田村自身も「そうですね。間違いなく(笑)」とうなずいた。
上演時間は約1時間35分。公演は6月9日まで行われる。
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木下半太 @hanta_kinoshita
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