スペースシャワーTVが主催するミュージックビデオ賞「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS」の関連イベント「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS クリエイターズセッション」が、3月28日にApple Store, Ginzaにて行われた。
このイベントは今年のMVAの年間最優秀作品「BEST VIDEO OF THE YEAR」に選出された、
「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」は、山口にそっくりな人形4体が登場し、山口本人がそれらを操ってのバーダンスや麻生久美子演じる謎の女性との“キス未遂シーン”を演じるなど、インパクト十分の光景が次々と繰り広げられる作品。今回のビデオのアイデアについて、田中は「サカナクションのアートディレクターの北澤“momo”寿志さんから『バカっぽいけどカッコいいもの』『ダンスもの』というテーマをいただいて考えた作品です。『バカっぽいもの』とは言われてたけど、ここまでやっていいのかな、OK出るのかなという不安はありました(笑)」と明かす。それを受けて山口は「田中さんだったら絶対に面白いものを作ってくれると思っていたので。持ってきてくれた絵コンテを見た瞬間に“勝ち”が見えてました」と、田中のプランを絶賛した。
途中では田中が描いた絵コンテや、撮影時のオフショットなども公開された。田中は印象的なシーンが続くこのビデオのストーリーを「最初のサビで人形を登場させようと決めていたんですけど、よく考えたら『これで4分持つんだろうか?』って。だから物語をきちんと展開させて、一発芸で終わらないようにしようと。それで、最初は人形と山口さんが仲良くなるんじゃないかと思って日常生活を一緒に過ごさせて。だけど仲良くなったら仲悪くなるだろうなということで、女を登場させて奪い合いだ!というストーリーにしました(笑)」と説明。また、山口は人形4体とのバーダンスについて「前日の練習のときには段ボールでできた人形だったので軽かったんです。でも本番用の人形は頭にラジコンが入ってて、25kgもあるから重くて。監督から『真顔でやってるのがシュールでいい』って言われたんですけど、重くて必死なだけなんです(笑)」と、苦労話を明かした。
麻生久美子との共演シーンに話が及ぶと、山口は「僕が麻生さんと一緒に演技をするっていうのは、麻生さんのフィールドに僕が入るわけですからものすごい大変なことなんですよ。『なんてことしてくれるんだ』って、監督に軽い殺意を感じました(笑)」と当時の心境を話し、観客を笑わせる。また、田中はアーティストに演技を求めるときの心境を「絶対無理なことはやってもらわないです。ただ『できるな』と思ったことは、ちょっと無理してやってもらいます(笑)」と説明していた。
締めくくりの挨拶では、田中がビデオクリップの果たす役割を「音楽をテレビメディアに乗せるというライトな役割だからこそ自由な表現ができる。ルールがないところが一番素晴らしいし、アイデアさえあればよいものができるんです。でも自由を履き違えてはいけなくて、時には目を背けたくなることに気づかせるような、社会的な責任を全うする表現もしないといけないと考えています」と語った。また、山口は今後のビデオクリップの発展について「今は表現する方法も増えているし、映像を使った、新しいクリエイティブなものを作り出すチャンスが来ていると思うんです。ビデオクリップでもライブ映像でもないわくわくするものを作って、音楽が好きな人に対するアプローチをしていきたいと思います」と話した。
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