超特急「REAL?」ツアーで刻んだ真の存在証明「15年かけるべきだった」8号車とともに新たなステージへ

27

1599

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 334 1265
  • 0 シェア

超特急のアリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2025-2026 REAL?」が昨日2月21日に東京・国立代々木競技場第一体育館でツアーファイナルを迎えた。

超特急とは?

9人組の“メインダンサー&バックボーカルグループ”。カイ(2号車 / メインダンサー)、リョウガ(3号車 / メインダンサー)、タクヤ(4号車 / メインダンサー)、ユーキ(5号車 / メインダンサー)、タカシ(7号車 / バックボーカル)、シューヤ(11号車 / バックボーカル)、マサヒロ(12号車 / メインダンサー)、アロハ(13号車 / メインダンサー)、ハル(14号車 / メインダンサー)で構成されている。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビュー。2015年6月にはデビュー3周年記念の9thシングル「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」をリリースし、インドネシア・ジャカルタでのライブイベントに出演して海外“開通”を果たした。2017年4月にはデビュー5周年を記念したシングル「超ネバギバDANCE」を発売し、同作でグループ初のオリコン週間シングルランキング1位を獲得。2018年12月には初の埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演を含むアリーナツアー「BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH」を成功させる。2019年8月に沖縄県内で行われた全国ツアー最終公演をもって“全国開通”を達成した。2022年4月にメンバーオーディションの開催を発表し、8月にシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルの4人が加入して9人体制に。10月に新体制初のシングル「宇宙ドライブ」を発表。2023年に入ってからは3月に5thアルバム「B9」、5月にカンテレ・フジテレビ系ドラマ「ホスト相続しちゃいました」の主題歌「Call My Name」、9月に「Lesson II」を発表した。2024年4月に1st EP「Just like 超特急」をリリース。

超特急

超特急

高画質で見る

「REAL?」のラストゲーム、スタート

まるで映画のような世界観の中、謎解き要素を含むストーリーが展開した「Joker」(2024年12月~2025年1月)や、「生命」「祝祭」をキーワードに根源的なテーマと向き合った「EVE」(2025年6~8月)──ツアーごとにコンセプチュアルなテーマを掲げ、5号車・ユーキの手によるこだわりの演出やメッセージ性を含ませた選曲、そして何よりも9人の豊かな表現力で8号車(超特急ファンの呼称)の驚きや感動を誘ってきた超特急。今回のツアーで彼らがコンセプトに置いたのは「ゲームの世界」で、さまざまなゲームのステージを舞台に、9人が現実(REAL)と虚構(FAKE)の間で揺れながら真実を追い求め進んでいく姿が描かれた。加えて、最終公演では超特急が結成当初からの目標としてきた東京・東京ドームでのワンマンライブ開催が発表に。この先、超特急の歴史に刻まれていくであろうメモリアルな公演には大勢の8号車が集い、U-NEXTの生配信を通しても多くのファンが9人の勇姿を見届けた。

開演時刻を迎え映し出されたのは、ゲームに順にログインしていくメンバーの姿をモニタの奥から覗き込むようなアングルで捉えたメンバー紹介VTR。「START」ボタンを押すとともに画面の中へと“吸い込まれた”9人は、多層に組み上げられたステージセットのあちこちに出現した。「君たちはこの空間を動かす唯一の要素だ。現実か虚構か、その答えは君たちの中にしかない。元の世界に戻るには証明が必要だ。君たちのリアルが、まだここにあるということを。さあ、世界を動かしてみせよ」。この世界の創造主・ワールドクリエイターを名乗る存在の声で覚醒した9人は、今ツアーのテーマ曲である「REAL」で “ラストゲーム”をスタートさせる。額や耳、頬に装着したギアが特徴的な赤いバトルスーツを身にまとった彼らは鋭い視線を客席に向け、グリッチノイズや複雑な回路が交錯する映像を背に冒頭からパワフルに躍動。すると改めてゲームの幕開けを告げる壮大なオープニング映像が流れ、ここで創造主は「ゲームスタート」を告げた。

マサヒロ

マサヒロ [高画質で見る]

8bitサウンドに乗せ、ゲームの世界を次々と

ここで観客の目に飛び込んできたのは、ゲームのプレイヤー選択の画面。超特急の9人の個性的なステータスに加え、カイは海賊、シューヤは射手、アロハはアサシンと、それぞれにジョブが割り当てられており、明転したステージにその職業のプレイヤーに扮した9人の姿が浮かび上がると客席から歓声が沸く。2曲目に鳴り響いたのは、8bitミュージック風のアレンジが施された「メタルなかよし」。ステージ背景は「REAL FACTORY」というタイトルの固定画面アクションゲームに見た目を変え、9人は楽曲を歌い踊りながら、この曲のジャケットにも描かれたドラゴンを討伐すべく“上”を目指した。画面上には9つの“ライフ”が示され、アクションの中でメンバーが脱落するたびにライフも削られていく。9人が生身でゲームプレイを再現するという楽しい演出の中、最後まで残ったのはこの曲のセンターを務めるリョウガ。剣を手に階層を駆け上がった彼のひと振りで、ドラゴン討伐は見事に成功した。

超特急

超特急 [高画質で見る]

続いて9人がログインしたのは「REAL TRAVEL」というボードゲームのタイトル。チップチューンアレンジの「AwA AwA」の調べとともに、9人は“サイコロ振って”日本縦断の列車旅に出た。メインステージとエンドステージをつなぐ一直線の花道を線路に見立て歩みを進めるメンバーだったが、曲中に登場する「リセットボタン」をシューヤが踏んでしまったことから振り出しに。すると今度はタカシが“特急券”を繰り出し、9人は倍速アレンジで楽曲を歌い踊る。人生をゲームに重ねポジティブに歌い上げる「AwA AwA」の世界観が立体的に可視化されたような演出で、8号車の笑顔を誘う9人。サビパートでは秋田県の「西馬音内盆踊り」岐阜県の「郡上おどり」、徳島県の「阿波踊り」という“日本三大盆踊り”の動きを取り入れたパフォーマンスで列島縦断の様子が表現され、メンバーの動きに合わせて観客たちも楽しく盆踊りに参加した。

「ちょ、今から本気出していくわ」というハルの声をきっかけにエンドステージからメインステージへ舞い戻った9人。「to be continued…」というアウトロの効果音が流れると、彼らは「YES」を選択する。するとステージ上は、最新シングル曲「NINE LIVES」とともに「REAL ELEVATOR」と題した新たなゲーム世界へと展開。この曲では「行こうか上まで」というフレーズでメンバーが天を指すたびにエレベーターが新しい世界が広がる階層へとプレイヤーを引き上げていく、LED映像と連動したダイナミックな演出が8号車の目を奪った。

伝説の剣を“てこの原理”で

「REAL ELEVATOR」は実際にメンバーをスタンド席の上層階へと運び、「CASTLE QUEST」と題されたRPGゲーム風のブロックでは5台のトロッコに分乗した9人が10色のペンライトの海の中を進みながら観衆の声を求めていく。ここで届けられたのは「Drive on week」「ジュブナイラー」と、8号車の盛り上がりが必須の楽曲。会場中の8号車の威勢のいい声がメンバーへと向けられる中、カイがコールや“バッテンダンス”を頼もしくリードした「Burn!」では、森の中を行くダンジョンの道中に宝石や武器、エーテルといった強化・回復アイテムが無数に配置されている様子がビジョンに映し出され、8号車の声援やペンライトの光が9人の“パワーの源”であることが視覚的にも表現された。

カイ

カイ [高画質で見る]

「イチとゼロの間にある Distiny 超えていこう」と2進法のデジタルな世界観で愛を歌う「One/O Signal」を勇壮な佇まいで歌い踊り、クエストのゴールである“城”へとたどり着いた9人は「KNOCK U DOWN」でその城の中へ。ドープなサウンドが緊迫感を醸成する中でタカシとシューヤが「余裕で越えていく Last Dungeon」と朗々としたボーカルで歌い上げるも、最上層へたどり着いたセンターメンバーのマサヒロが檻の中に囚われてしまう。彼を助けるべく、続く「Believe×Believe」で立ち上がったのは、この曲のセンターを務める勇者リョウガ。彼は選ばれし者にしか抜けない伝説の剣を台から引き抜くも、その剣を使い“てこの原理”で檻を持ち上げようとする。まさかの判断に戸惑いが広がる中、彼を見守る8号車は「がんばれ!」とリョウガを応援。ユーキが「精霊たち(8号車)の声を聞いただろ?」、タクヤが「早くー」、カイが「がんばぇ~」と声をかけるなど、メンバーもリョウガに声をかけながら踊り続ける。それでもネジ回しをするなど一向に正しい剣の扱いができないリョウガに、しびれを切らしたマサヒロは「斬って? それで斬って?」と冷静にツッコみ、リョウガは最後に鉄格子を断ち切ってステージクリアした。

リョウガ

リョウガ [高画質で見る]

リョウガいわく“セーブポイント”のMCタイムでは、自己紹介を行う中でタカシが「僕この衣装、お医者さんなんですよ。だから今日はあなただけの処方箋を作ります」と言って黄色い悲鳴を誘ったり、リョウガが「みんな、超特急という神ゲーをプレイする準備はできてんのかーい? 攻略できんのかーい? オッケー!」と呼びかけたりと一気に砕けたムードに。21日公演では超特急の恒例行事となっている、タカシによる手作りバレンタインのエピソードが明かされた。今年、タカシは「マシュマロで作ったチョコのプリン」をメンバーに贈ったそうで「俺も早くメンバーと共有したいなと思ってたんよ」と彼が言うと、シューヤは「かわいい~!! みんなも食べたいもんね?」、リョウガは「食べられませーん!」とそれぞれ8号車にマウントを取る。シューヤの提案のもと、ホワイトデーには「8人でごはんに連れて行き、タカシくんをもてなす」というお返しをする話が進んだが、メンバーの「何か欲しいものある?」という問いかけにタカシは「ホンマに、みんなが笑ってくれてたらそれでいい」と応じていた。

タカシ

タカシ [高画質で見る]

超特急と8号車のときめきタイム

9人が舞台の奥へ姿を消すと同時に、観衆は「ときめきREAL?」というタイトルの恋愛シミュレーションゲームにログイン。学生服姿の9人と“日曜日の遊園地デート”の約束をする会話が展開された次の瞬間、ステージの背景は遊園地へと姿を変える。メンバーカラーのデートルックに着替えた9人は、20日公演では「Revival Love」、21日公演では「Winter Show」で華やかにパフォーマンスを再開した。このセクションで届けられたのは「バッタマン」「ikki!!!!!i!!」「超えてアバンチュール」のメドレー。いずれも超特急のライブではおなじみのアッパーチューンでありながら、「そもそも誰が決めたんだReal or Fake?」という歌詞が歌われたり、8bitサウンドが取り入れられていたり、“2次元愛”を表現する楽曲だったりと、今回のツアーテーマとも深いつながりがある楽曲群だ。

超特急

超特急 [高画質で見る]

「バッタマン」ではいつもスタンドプレイで大暴れするセンターのハルが日替わりでメンバーを巻き添えにし、20日公演ではリョウガが、21日公演ではタクヤが長い花道を激走。“股下3km”の大きなストライドでダイナミックに推進するリョウガ、エンドステージで余裕たっぷりに踊ってから快足を飛ばしてラストシーンに合流したタクヤと、それぞれの個性がにじむパフォーマンスでハルの期待に応えてみせる。「超えてアバンチュール」ではダンサーの7人がメインステージとエンドステージに、ボーカルの2人が花道の中央に立ち、それぞれの場所から8号車を熱く煽り立てる。落ちメロで1人エンドステージに残り、いつのまにか“電池切れ”していたセンターのリョウガは、8号車から注がれる「(僕には)リョウガだけ!」の声で復活。タカシとシューヤが歌い上げるラストサビを背に受けながら、見事な“エヴァ走り”で8人のもとに合流した。

超特急と8号車の、にぎやかでエネルギッシュでちょっと奇抜な愛の交歓が行われたこのシーンは、ボーカルのタカシとシューヤ、通称「せぶいれ」によるバラード「スピカ」で締めくくられた。満点の星空へと景色を変えたステージに残った2人。1番をタカシが、2番をシューヤが歌い上げたのち、セットの最上層で合流したせぶいれはお互いに目を合わせながら美しいハーモニーを会場いっぱいに響かせる。豊かな広がりをたたえたタカシの温かい歌声と、シャープで自由闊達なパワーを感じさせるシューヤのボーカル。2人の声の美しい重なり合いに、オーディエンスはじっくりと耳を傾けていた。

シューヤ

シューヤ [高画質で見る]

リアルとフェイクの曖昧な境界線

8bitのレトロゲーム風の演出で幕を開けた「REAL?」は、テクノロジーの進化の道筋をたどるように、終盤に向けて表現を複雑化させていく。宙に浮く小型AIロボットがストーリーテラーを担った次のセクションで9人が飛び込んだのは“少し未来の世界”。AIロボットはここが「リアルとフェイクの差がわからなくなってくる」場所であることを説明し、「見分けがつかなくなってきたら、後ろを振り返るといい」という言葉を残して姿を消した。AIロボットに代わりステージに現れた超特急は、緻密なデジタルサウンドが疾走する「Star Gear」でパフォーマンスを再開する。ホワイトとシルバーの近未来的なスーツに着替えた9人はカラフルに輝くサイバーシティをバックに精緻なポージングとダイナミックなムーブを掛け合わせたダンスで聴衆を圧倒。センターのカイは1人花道に踊り出て、パワフルなソロと大ジャンプで注目を一身に集めてみせた。

超特急

超特急 [高画質で見る]

続く「ウィンクキラー」は今ツアーで初披露された楽曲。コレオグラファー・Macotoが手がけたコレオは妖艶さと切れ味、複雑なフォーメーションが同居するもので、ハルやリョウガ、ユーキがキメのタイミングで見せるキャッチーなウィンクポーズや、せぶいれの2人が歌いながら腕を絡ませ見つめ合う仕草などに客席から黄色い歓声が上がる。ただ、そんな熱狂とは裏腹に、ステージ両脇のモニタに映る“ライブ映像”には違和感が。目の前で群舞を見せているはずの9人がセットに散り散りになっていたり、アロハだけが踊らず“傍観者”になっていたり……現実と虚構がないまぜになり始めていることを静かに示唆した。すると次の「Steal a Kiss」では、アロハが「こっち向けよ」と告げるはずの決めゼリフパートでハルが「大好きだよ」とひと言。このフェイクは2番の決めゼリフでも発生し、タクヤが「素直になれよ」と言うところをアロハが「離れんなよ」と言い放つ。メインステージで艶やかに、挑発的に躍動していたはずの9人の姿はいつの間にか逆光に照らされたシルエットに変化したが、モニタに映るのは順光の中で歌い、踊り続ける9人の姿。客席に渦巻く違和感がにわかに高まったそのとき、会場に響いたのは「こっちだよ」というタクヤの声で、その声をたどるように観客が“後ろを振り返る”と、リアルの9人はエンドステージで歌い踊っている、という特大のギミックが8号車の驚きを誘った。

“未来の虚構”で“過去の現実”を超えて

現実と虚構の境界線の曖昧さが加速する中、観衆が次に経験したのは“時空の歪み”。「Time Wave」のインストバージョンに乗せ、現在を始点に昨夏の「EVE」ツアー、そして1年前の「Joker」ツアーへと時間が巻き戻されていくVTRが流れ、そこに「Joker」ツアーで“真のジョーカー”を演じたハルの手が時計を巻き戻す映像がオーバーラップする。これから何が起こるのか、緊張感が張り詰める中でステージに姿を見せたのは、8号車にとって見覚えのあるグレーのスーツ姿の9人と、ジョーカーの仮面を被ったハル。ハルがゆっくりと仮面を外したその瞬間、ブラックアウトしていた彼らの背景が「Joker」ツアーのステージセットに姿を変え、9人はここで「Joker」ツアーのラストナンバーだった「JOKER FACE」を披露した。

超特急

超特急 [高画質で見る]

作り込まれた世界観の中、ミステリータッチの物語とライブパフォーマンスを掛け合わせた「Joker」は超特急の新たな一面をあらわにし、彼らの表現のさらなる可能性を提示したマイルストーン的なツアーとなったが、タカシの不在によって9人全員で最終公演を完走することが叶わなかった。その無念を晴らすかのように、“仮想現実”の中に過去を出現させた超特急。“未来の虚構”の中で“過去の現実”を超えていくという選択肢を選んだ9人の表情は覇気に満ち、表情や仕草、1つひとつの巧みな表現で哀しきジョーカーの激情をドラマチックに描き出す。“過去の現実”では響かせることのできなかった、力強いユニゾンで会場の空気を震わせるタカシとシューヤ。時に声を歪ませ、ジョーカーが憑依したような乾いた笑い声を上げながら曲の世界観を浮かび上がらせる2人の歌声が「二人揃わない未来ならいらない」というフレーズが持つ意味を、聴く者の心に刻み付ける。迫真のパフォーマンスが展開した「JOKER FACE」のラストシーン、見開いた目で前を見据えるハルは暗転直前に小指を噛みちぎるような仕草を見せて観衆の悲鳴を誘った。

メインダンサーの存在証明

「クライマックスといこうか。見せてもらおう、君たちの『生きる』という現象を」。創造主がそう告げたライブの最終盤、オールブラックのレザーウェアで“制御不能”となった仮想空間に舞い戻った9人は、今ツアーが初披露となったラウドなロックチューン「Ready?」でクライマックスの火蓋を切る。ステージのあちこちでファイヤーボールが吹き上がる中、闘志に満ちあふれた挑発的な躍動を見せる9人。シューヤが圧倒的な声量で響かせた「ブチ上げろ!」のロングトーンが、会場を一層ヒートアップさせる。続けて投下された「Beautiful Chaser」ではセンターのユーキが鬼気迫る表情とダンスで狂気的な感情を爆発させ、「全ての終焉へ」と勢いを加速させていく。唸りを上げるギターの音色に誘われるようにエンドステージへと駆け出したのはダンサーメンバーの7人。彼らがメインステージに目を向けると、そこには“ラスボス”の2つの大きな目が出現していた。

アロハ

アロハ [高画質で見る]

その大きな目は会場をぐるりと見渡しながら「証明してみせろ、お前たちがここに在るということを。そして、この世界を終わらせてくれ」と9人に語りかけた。するとダンサーの7人はすうっと息を整え、ここで“無音ダンス”を披露して観衆を静かに驚かせる。静寂が広がる大空間に響くのは、一糸乱れぬ足音と「はっ!」という掛け声だけ。繊細なニュアンスの手振りやダイナミックなステップを息ぴったりにそろえ躍動する7人の姿を、8号車は息をのむように見つめる。「メインダンサー」という肩書きを背負う7人のプライドに満ちた“存在証明”が成されたその瞬間、響き渡ったのは「COUNTDOWN」。メインステージに合流した9人が見せるパフォーマンスは圧巻で、テンションを振り切ったユーキはジャケットを脱ぎ捨ててアクロバティックなソロを踊ってみせた。最高潮のボルテージへと達した9人が曲を歌い踊り切ると、大きな爆発音とともに「REAL GATE OPEN」の警告音が鳴り響く。力強い輝きをたたえた瞳でまっすぐに前を見据えた9人は、ステージを降りると客席通路を抜け、“現実世界”へと駆け出していった。

超特急

超特急 [高画質で見る]

じゃじゃーん!「Big Ta-Da!」のサプライズ

仮想空間での9人の冒険が終わり、これまでの公演では「Big Ta-Da!」に乗せてエンドロールが流れていたが、ツアーファイナルの代々木第一公演ではこの「Big Ta-Da!」のパフォーマンスが初披露されるというサプライズが用意されていた。メンバーは1曲目の「REAL」と同じ場所、同じポーズから起き上がるも、浮かべているのは正反対の柔らかな表情。ユーキとU★Gが手がけたコレオは、ハンドサインや超特急の過去楽曲に登場する振りを取り入れたハートフルなもので、歌詞に歌われる“愛すべき日々”を全力の笑顔で表現する9人が放つ温かなパワーに、客席にも笑顔の輪が広がっていった。

次のページ
アンコール:「東京ドーム決定しました!」
撮影:米山三郎、笹森健一

この記事が役に立ったらいいね!をお願いします

いいね!をすると、Xのタイムラインであなた向けのナタリーの記事が表示されやすくなります。

いいね!する

読者の反応

mimic🐈‍⬛ @megring12

曲順変わった事でこの衣装での爪トギ見れたのめちゃくちゃ良かったかもしれない https://t.co/GXrXkJbUuJ https://t.co/E3I0Ih1hqU

コメントを読む(27件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 超特急 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。