INIのファンになっちゃいました
「INI THE MOVIE『I Need I』」はデビューから現在まで約4年間のメンバーの姿を追った作品。これまでの舞台裏の映像や撮り下ろしのインタビューを通して、スポットライトの裏で言葉にならなかったメンバーの本音や迷いが明らかになる。ドキュメンタリー映画を視聴した西は「普段はメンバー同士でふざけ合ってばかりで、お互いのことを赤裸々に話す機会があんまりなかったんです。映画のインタビューではみんな本音で話しているので、『こういうふうにINIのことを見てくれてるんだな』というのがわかりました。INIのファンになっちゃいました(笑)」と照れ笑い。田島も「僕的には(藤牧)京介のインタビューとか、特に印象的でした。『こんなことを思ってたんだ』というのを知れた場面があったりして。メンバーそれぞれのインタビューから、それぞれの考え方や道筋はいろいろあれど、ちゃんとみんな同じ場所を目指してるんだなと改めて確認できてうれしかったです」と顔をほころばせた。
結成からわずか2年半でドーム公演を叶え、日々の活躍ぶりからも順風満帆に見えるINIだが、劇中ではメンバーの気持ちがバラバラになってしまっていた時期の姿をはじめ、それぞれの葛藤や不安も赤裸々に映し出されている。尾崎は「インタビューでメンバーが『バラバラの方向を向いてるかもしれない』と言っていたシーンが印象に残りました。観た人にいいふうに捉えられるか、悪いふうに捉えられるか、それはわからないんですけど、活動していく中で各々の個性が強まってきて、それぞれの色、やりたいことが出てきたからこそメンバー同士でぶつかった瞬間だったなと思いました」と回想する。「キラキラした部分だけではなく、葛藤をさらけ出すことに対して怖さはなかったか?」と尋ねると、田島は「僕らは『全部うまくいっています』というふうに見せることに、違和感を感じてしまうタイプ。ありのままの自分たちを見せたほうが、MINI(INIファンの呼称)ともっとわかり合えると思います」ときっぱりと言い切った。
おじいちゃんになっても昔のみんなの姿が観れる
“注目してほしいシーン”の話になると、西は「マッキー(藤牧)と(木村)柾哉の2人のドラマみたいなシーンがありました。急にスローになって、耳打ちをしてる場面もあって。『なんだあれ!』と思ったのですが、何を言ってるのか、ぜひ皆さんに当ててほしい」と2人の絆を感じられるシーンをピックアップした。田島は「匠海がリハーサル中に語ってたシーンが印象に残っているよ。心に刺さりました」と、今年1月に行われたソロステージのリハーサルで尾崎がスタッフに語った言葉に感激した様子。尾崎は照れながらも「思ってることがあったので、とりあえずカメラに収めておこうと思ったんです」と当時のことを振り返った。
「メンバーの見た目の変わりようがすごくて面白かったです。みんなだんだん大人になっていって……」と西がメンバーのビジュアルの変遷に触れると、尾崎も「西くんはだいぶ筋トレしてましたもんね」と頷く。田島は「メンバーの経過を観れるから、できればこれからも記録として撮っていただけたらうれしい。おじいちゃんになっても昔のみんなの姿が観れる」とメンバー愛をのぞかせた。
みんながどんどん制作に携わっていってる
映画ではアーティストとしてのINIの成長も余すことなく描写。楽曲制作やライブの演出にメンバーが積極的に取り組んでいく様子を観ることができる。尾崎は「以前はプロデューサーさんからもらったものを昇華するというところに集中していたけれど、今はみんながどんどん制作に携わっていってるのをすごく感じています。そこはINIが活動していく中で変わっていったポイントですね」と話す。メンバーの中でも早い段階から作詞作曲に参加していた西は「曲作りで一貫してるのは、前の作品よりもさらにカッコいい曲を作るということ。どうしたらみんなが気持ちよく歌えるかなということも考えていますね。“日本語の面白さ”も意識しています。日本発のグループとして世界に飛び込んでいくので、そこは大切にしていきたい」とこだわりを言葉にした。
劇中には今年発表された楽曲「Pineapple Juice」の振付を木村、田島、西がアイデアを出し合って作っていくシーンも。振付の話になると、田島は「初めての挑戦だったんですけど、楽しかったですね。2人がいてくれたおかげで作ることができました。ライブでも『これ、僕らで作った振付なんだよな』と感じながら踊っていて、いつもと少し気持ちが違うんですよね。『Pineapple Juice』の振付は“メンバーで目を見合わせて楽しむ”ということを念頭に置いて作ったのですが、実際にメンバーから『楽しい』という声も聞こえてきてうれしいです」と目を輝かせた。
メンバーからのラブレターのように感じた「君がいたから」
映画の主題歌は池﨑理人、尾崎、後藤威尊、佐野雄大、髙塚大夢、藤牧が作詞を手がけたバラードソング「君がいたから」。尾崎はこの曲について「INIとMINIのことを考えて書いた楽曲です。僕たちにしか歌えない歌詞を書きたかった。この曲を聴くと、INIのこれまでのことをたどることができると思います」と述べた。自身がつづった“こだわりのフレーズ”として尾崎が挙げたのは、「あの日交わした約束と 見てきた景色すべて 夢の続きをともに」という楽曲の最後を飾る言葉。尾崎は「『あの日交わした約束』というのは……僕たちはサバイバルオーディション番組で生まれたグループなので、投票してもらっていたときのことも思い浮かべられる。あと、多分それぞれみんないろんな思いを懸けてオーディションに挑んでいたと思うんですよ。ラストチャンスだと家族に約束していたかもしれないし。それぞれが歌いながら、聴きながら、過去のことを思い返してもらえればいいなと思って書きました」とフレーズに込めた思いを明かした。
西が「最初に『君がいたから』の歌詞を見たとき、メンバーからのラブレターのように感じました。もちろんMINIへのメッセージでありながら、自分にも言葉をかけてくれているような感覚があって。ちょっと照れくさいです。ドキドキしちゃいました」と笑顔を浮かべると、田島も「僕も歌詞を見て、自分への言葉のような感じがありました。歌うのが楽しみになる曲です」と愛おしそうに言葉にした。
11人みんながINIのことを大切に思ってる
「君がいたから」はメンバーが1人ずつ歌い継ぎ、最後にユニゾンで11人の歌声が重なるという構成の楽曲だ。INIの歌声について、尾崎は「声のバリエーションが豊かですよね」と話す。11人それぞれの歌声の“色”はバラバラなのだが、重なったときに驚くほど調和が取れているという話をすると、西は「おのずと調和しにいってるところもあるのかもしれない。それはボーカルに関してだけではなく、『このメンバーはこういう感じだから、自分はどういう色を出していけばいいんだろう?』ということはよく考えます。INIの中で自分がどういう存在なのか。それはみんな少なからず考えてると思いますね」とINIの絶妙なバランス感について述べた。
11月3日に結成4周年を迎えるINI。「結成から4年を経て感じるINIの魅力は?」と問うと、田島は「普段インタビューとか見て思ったりするのですが、ちゃんと11人みんなが『このグループにいてよかった』って、INIのことを大切に思っているところがいいなと思います」とまっすぐに語り、「映画を観ていて、INIはまだまだ伸びしろがあるなと改めて感じたので、またこれからがんばっていきます」とグループのさらなる可能性に期待を膨らませた。
Bami @Mcmooney20
@natalie_mu Okay