ASIAN KUNG-FU GENERATION、3カ月におよんだファン感謝の旅がお台場で終幕

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブツアー「ファン感謝サーキット」が、12月19日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にて終幕した。

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファン感謝サーキット」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファン感謝サーキット」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:山川哲矢)

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「自由に、自分らしく、楽しんで」

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)[拡大]

アジカンはこのツアーで、メジャーデビュー20周年および伊地知潔(Dr)加入25周年を記念して、全国23都市のライブハウスを巡り、アニバーサリーイヤーを迎えることができた感謝の気持ちを音楽で表現。原点とも言える4人だけの編成で、ライブの定番曲から隠れた名曲までを披露し、「ファン感謝サーキット」のタイトルにふさわしい音楽体験をオーディエンスにプレゼントした。

喜多建介(G, Vo)(撮影:山川哲矢)

喜多建介(G, Vo)(撮影:山川哲矢)[拡大]

山田貴洋(B)(撮影:山川哲矢)

山田貴洋(B)(撮影:山川哲矢)[拡大]

セットリストを構成する楽曲は今年8月に神奈川・横浜BUNTAIで行われた「ファン感謝祭2024」を一部踏襲しつつも、全編をライブハウスに合う仕様にアップデート。ステージに等間隔に並んだ4人はじっくりと時間をかけて互いの音を重ねたのち、2006年リリースのアルバム「ファンクラブ」の収録曲であり、ファンからの人気が高い「センスレス」でツアーファイナルの口火を切った。

伊地知潔(Dr)(撮影:山川哲矢)

伊地知潔(Dr)(撮影:山川哲矢)[拡大]

序盤のハイライトとなったのは、ワンマンライブでもフェスでも欠かせない大ヒット曲「リライト」。後藤正文(Vo, G)と喜多建介(G, Vo)がギターをかき鳴らした瞬間、爆ぜるような歓声が沸きフロアの待望感を物語る。そんな熱狂的なムードの中、後藤は「今、話題の『リライト』です」と漫才大会「M-1グランプリ2024」決勝戦のプロモーションビデオにこの曲が使用されていることを匂わせつつ、「この曲の2番はみんなのものなんで。どうか自由に、自分らしく、楽しんで。本物の演奏で歌えることってないから」と彼らしい言葉で呼びかけ、ライブハウスを揺らすほどの大合唱をオーディエンスから引き出した。

サービス精神旺盛すぎる後半戦と予定外のWアンコール

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファン感謝サーキット」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファン感謝サーキット」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:山川哲矢)[拡大]

4人は四半世紀にわたる活動の中で築き上げた気骨のあるアンサンブルで、パワーポップ全開の活動初期、中期、コロナ禍に生まれた近年の楽曲を次々とプレイ。伊地知が叩くギミックに富んだビート、山田貴洋(B)が奏でる無骨な低音と時折聞かせる端正な歌声、喜多の弾く時に繊細で時に豪快なギターや、伸びのあるハイトーンボイス、そして後藤の愚直なまでにまっすぐな歌声が渾然一体となり、さまざまな音像やイメージを描いていく。イントロが耳に飛び込んでくるたびに、観客は歓声を上げたり、驚きの声を上げたり、拳を突き上げたりしながら“自由に、自分らしく”、アジカンが奏でる1曲を味わう。なおワンマンライブならではの醍醐味である、喜多がリードボーカルを取るブロックは「ファン感謝サーキット」でも健在。後藤との味わいのあるハーモニーが特徴の「ナイトダイビング」を皮切りに、「嘘とワンダーランド」「お祭りのあと」と連投するサービス精神の旺盛さを見せた。

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)[拡大]

伊地知の踏む四つ打ちのビートにフロアが軽やかに揺れた高揚感たっぷりの「君という花」、しみじみとした余韻を演出する「海岸通り」という、「リライト」同様アジカンのライブには欠かせない2曲をもって本編は終了。スマホでの写真撮影が許可されたアンコールが始まると、後藤がひとり大きなボードを抱えてステージに戻ってくる。彼はQRコードが印刷されたボードを持ち、自身が創立したNPO法人「APPLE VINEGAR -Music Support-」で行なっていたクラウドファンディングの目標金額達成を報告。そして「今を生きて」、Oasis「Wonderwall」とのマッシュアップによる「ソラニン」を弾き語りで届けた。

Cosmostudio loves 伊地知潔(撮影:山川哲矢)

Cosmostudio loves 伊地知潔(撮影:山川哲矢)[拡大]

Cosmostudio(撮影:山川哲矢)

Cosmostudio(撮影:山川哲矢)[拡大]

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファン感謝サーキット」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファン感謝サーキット」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:山川哲矢)[拡大]

アンコールでは「ファン感謝祭2024」に続き、喜多と山田の2人によるデュオCosmostudioによるパフォーマンスも。「冷蔵庫のろくでもないジョーク」には伊地知が加わり、しばらく活動休止というCosmostudioのステージに華を添えた。その後、アジカンのキャリアとほぼ“同い年”の「遥か彼方」が作り出した激しい余韻の中でライブは終了と思いきや、フロアの熱気に呼ばれるようにメンバーが三度ステージへ。後藤は「『ファン感謝サーキット』は終わるけど、いつも感謝してるから」と笑い、喜多、山田、伊地知は柔らかな眼差しを、フロアをびっしり埋め尽くすファンに向ける。そして4人はアジカンとしてのアティチュードを刻んだ「出町柳パラレルユニバース」を高らかに鳴らし、3カ月に及んだ旅を締めくくった。

ライブレポート

セットリスト

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファン感謝サーキット」2024年12月19日 Zepp DiverCity(TOKYO)

01. センスレス
02. 振動覚
03. リライト
04. 夏の日、残像
05. バタフライ
06. エンパシー
07. それでは、また明日
08. 十二進法の夕景
09. 転がる岩、君に朝が降る
10. 或る街の群青
11. ナイトダイビング
12. 嘘とワンダーランド
13. お祭りのあと
14. 荒野を歩け
15. 江ノ島エスカー
16. 橙
17. 君という花
18. 海岸通り
<アンコール>
19. 今を生きて
20. ソラニン
21. 雨上がりの希望
22. 冷蔵庫のろくでもないジョーク
23. 迷子犬と雨のビート
24. 遥か彼方
<ダブルアンコール>
25. 出町柳パラレルユニバース

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