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![529411「ガラクタ」ジャケ写](https://ogre.natalie.mu/media/pickup/529411/529411_jkt_202412.jpg?imwidth=640&imdensity=1)
529411 ガラクタ
平穏と不穏を揺蕩いながら“誰かの苦しみ”を代弁する
文 / 小松香里
529411(ウツクシイヒト)は、2019年より弾き語りとして活動してきたちゃんくもによるソロプロジェクト。主に東京でライブ活動を展開し、「誰かの苦しみや悲しみの代弁者でありたい」というコンセプトのもと、楽曲を制作している。
3年前にミュージックビデオが公開された「ガラクタ」は、浮遊感を宿したループするギターの音色にポエトリーリーディング調のボーカルが乗るところからスタートする。「あの空に向かって飛べたら 楽になれるのかな」と「君」に対する「僕」の問いかけからストーリーは始まり、ポストロック的なアンサンブルに乗せて歌われるのは、絶望、寂しさ、悲しみ、裏切りといったネガティブな感情。ちゃんくもの歌は平穏と不穏を行ったり来たりしながら、どんどん切迫感を募らせていく。「塞ぎこんだ先には絶望しか 待っていないから 今日もまた眠る」と言い切るのだが、その歌声に救いのような手触りが宿っているのが不思議だ。2分18秒。スピーディに言葉が吐き出されていき、最後は「壊れたガラクタになった今 僕に存在価値があると言って」と歌い、すがるように自らの存在証明を求める。
529411「ガラクタ」
- 529411「ガラクタ」
- 2022年7月29日(金)配信開始 / 529411
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529411(ウツクシイヒト)
2019年、ちゃんくもとして弾き語りによるソロ活動を開始。2021年に名義を529411に変更し、今の活動スタイルに至る。2024年11月に3rdアルバム「529411-3-」をリリース。2025年1月より「529411-3-」のリリースツアーを開催する。