ラッパー / ビートメイカーの
精神的な不調を乗り越えて、昨年リリースした6年ぶりのアルバム「MAKTUB」が各方面から絶賛を集める中、精力的なライブ活動を続けてきたJJJ。7月に行った「July Tour」に続く今回の「Nov Tour」では福岡、台湾、宮城を回り、過去最大規模の会場となる野音をツアーファイナルの舞台に選んだ。JJJが主催公演を野音で行うのはこれが初であり、客演は事前にアナウンスされていなかったものの、チケットは即完。勢いを増すJJJにとって、もはや野音ですら大きすぎる会場ではなくなっていた。
11月の終わり、気温13℃の野音。オープニングDJのKazuhiko Fujitaがメロウな音楽で来場者を出迎える。厚着したファンで会場がにぎわう中、開演時刻の16:45を迎えると、すぐにライブが始まるが、そこに現れたのはJJJではなく、車椅子に乗った
OMSBに代わっては
主役のJJJはなかなか現れないが、今回はJJJのワンマンライブというよりも、JJJ主催のパーティといった構成のようだ。CFN Malikに続いては「I told you 響くbeats K to the M」というJJJの声を使ったプロデューサータグで知られるプロデューサー / DJの
開演から90分ほど過ぎた頃、バックDJのAru-2に続いて、ようやくJJJがファンの前に姿を見せる。ステージが赤く染まる中、彼が1曲目に披露したのは未発表の新曲だ。怪しいドリルビートに乗せて気迫みなぎるラップを観客に叩き付けたJJJは「Synthese Freestyle」を皮切りにアルバム「MAKTUB」の楽曲を連発。シーンきってのライブ巧者である彼は、会場の熱気を取り込みつつ、緩急を付けたラップで観客の心を震わせる。コントラバス奏者の岩見継吾、尺八奏者の瀧北榮山、箏奏者の岡村秀太郎の演奏により楽曲の世界観は厚みを増し、「Mihara」ではプロジェクションマッピングにより三原山の風景がステージに映し出された。
「自分が辛いときに支えてくれたCampanellaとかOMSBにライブしてほしくて。Malikもそうだけど、最終日に自分の大好きな友達と一緒にできてうれしいです」と思いを語ったJJJ。ライブ中盤には
さらに今回のツアー全公演に参加したCampanellaとの「Something」、Febb、KID FRESINOとの「2024」も披露され、ライブは佳境へ。寒空の下、JJJはFebbのビートに思いを乗せた「Beautiful Mind」、今年初めにリリースされ、すでに代表曲の1つとなった「Kids Return」、愛する人への感謝を込めた「Oneluv」を畳みかけていく。そしてJJJは「聴いてくれている人いつもありがとうございます。自分がここに立てるなんて思ってなかった。昔のこととか思い出すといろいろきます」と感慨を語ると、STUTSとの「Changes」へ。この曲でライブを締めくくった彼は、雪景色の映像とともに未発表の新曲が流れる中、クロージングDJを務めるKID FRESINOにステージを任せて去っていった。
なお今回のライブでJJJが披露した新曲2曲の詳細は不明。この2曲のリリースを含め、来年の活動への期待が高まる。
JJJ「Nov Tour」2024年11月30日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)セットリスト
01. 新曲
02. Synthese Freestyle
03. Mihara
04. July
05. Find a way feat. Daichi Yamamoto
06. Drink feat. MFS
07. Me & My Musik feat. ISSUGI
08. Darlin' feat. 仙人掌
09. U feat. C.O.S.A.
10. 心 feat. OMSB, STUTS
11. Bro feat. OMSB
12. STRAND feat. KEIJU
13. Maktub
14. Something feat. Campanella
15. Eye Splice
16. 2024 feat. Fla$hBackS
17. Beautiful Mind
18. Kids Return
19. Oneluv
20. Changes feat. STUTS
SPACE SHOWER MUSIC STAFF @ssm_staff__
【Natalie LIVE REPORT】
JJJ「Nov Tour」2024.11.30(SAT)@日比谷公園大音楽堂
Photo by Daiki Miura & A.Masanobu
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