「奥田民生ひとりカンタビレ」初日は3時間半7パート録音

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奥田民生がレコーディングライブツアー「奥田民生ひとりカンタビレ」の初日公演を3月15日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催。3時間半たったひとりで1曲をレコーディングするという前代未聞のツアーの幕を開けた。

リードギターを録音する民生。トラ目のサンバーストが特徴的なギブソン1959レスポールスタンダードは、ファンにもおなじみのギターだ。頭に着けたデビルホーンヘアバンドもお似合い。

リードギターを録音する民生。トラ目のサンバーストが特徴的なギブソン1959レスポールスタンダードは、ファンにもおなじみのギターだ。頭に着けたデビルホーンヘアバンドもお似合い。

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リズムギター録りに入ろうとするも、「背中かゆい!」と突然叫び「こんなところにちょうどいいものが!」と今回のツアーグッズのひとつ「カンタビレ 孫の手」を紹介するチャーミングな一面も見せる。膝にあるのはギブソンES-335だ。

リズムギター録りに入ろうとするも、「背中かゆい!」と突然叫び「こんなところにちょうどいいものが!」と今回のツアーグッズのひとつ「カンタビレ 孫の手」を紹介するチャーミングな一面も見せる。膝にあるのはギブソンES-335だ。

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危なげな運指でキーボードを弾く民生。「キーボードを録る姿は本当に、できる人の前では見せられないんですけどね」とぼやいていた。

危なげな運指でキーボードを弾く民生。「キーボードを録る姿は本当に、できる人の前では見せられないんですけどね」とぼやいていた。

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MCでは「このあいだ、音楽学校の生徒を呼んで試しに(リハーサルを)やってみたんだけど、アンケートに『座って歌うとは思いませんでした』って書かれました(笑)」とコメント。作業机前の事務椅子に座りながら「このままですよ! たいていボーカルの録音って立ってマイクに向かってこんなん(息継ぎ音や破裂音を低減するポップブロッカーのこと)付けてやってますけど、あんなんしませんよ!」と男らしく言い放った。

MCでは「このあいだ、音楽学校の生徒を呼んで試しに(リハーサルを)やってみたんだけど、アンケートに『座って歌うとは思いませんでした』って書かれました(笑)」とコメント。作業机前の事務椅子に座りながら「このままですよ! たいていボーカルの録音って立ってマイクに向かってこんなん(息継ぎ音や破裂音を低減するポップブロッカーのこと)付けてやってますけど、あんなんしませんよ!」と男らしく言い放った。

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着席式で196人のキャパシティしかない会場で行われたこのプレミアムライブ。定刻になって入場した観客が目にしたのは、すでに機材や什器がセッティングされたステージと、そこでお弁当をもぐつく民生の姿だった。通常のライブではあり得ない状況に、みんなの顔から自然に笑みがこぼれる。

入場してくるオーディエンスを尻目に、ドラムセットに座りサウンドチェックをする民生。さらに何かを食べる様子を見て、スタッフが何を食べているのか質問すると「おでん!」と威勢のいい答えが返ってきた。この日は、チケット1人分につきおつまみが1品付いており、民生が食べていたおでんはそのひとつ。観客は、好みのおつまみをチケットと引き換えたり、ドリンクを購入したりしながら開演を待った。

18:47におもむろに民生が立ち上がり、挨拶。「本日はご来店ありがとうございます。だいたいみなさん理解されてると思いますが、今日は一体感とかまるでないライブになると思います」とゆるいMCで笑わせる。「ざわざわしてて大丈夫です。思ったよりも客席の声が入らないんで。あんまりうるさかったら言いますけど」と観客への気遣いも見せつつ、「演ってる最中はあんまりじろじろ観ないでください(笑)。緊張するんで。それではご歓談ください」とライブ開始を宣言した。

■ ドラム録り

まずは、ステージ下手にセットされたドラムセットに座り「最初は“ドンカマ”と呼ばれるリズムを取る音を使ってドラム録りから始めます」と説明。続けてMacでレコーディング用ソフトウェア「Pro Tools」を表示しようとしたが、誤ってSEを流していたiTunesを出してしまう。改めてPro Toolsの画面を表示させ、録音開始。オレンジ色のヘッドホンを着けてスタンダードな8ビートを叩いていく。ステージ後方に掲示されたスクリーンには、民生がドラムを叩いている様子が大映しになったかと思えば、6分割の画面に切り替わりステージをマルチアングルで捉えたりMacの画面が映されたりするなど、レコーディングプロセスを多角的に理解するための工夫が凝らされていた。

無事演奏を終えると、自然に客席から拍手が起こり、いよいよ始まったレコーディングに華を添えた。それを受け民生は「いやいや」と恐縮しながら「これね、うまくいってるかどうか全然わからないんですよ」と録音したばかりのドラムパートを再生する。聴き終わった後「これOKだって誰が決めるんだろう……どっか(まずいところ)あったー、テッチー?!」と、来場していたSPARKS GOGOのたちばな哲也(Dr)にコメントを求める。2F席から「ないよー!」と返事が聴こえると安心したように「ドラム終わり!」と宣言。観客から再びあたたかい拍手が沸き起こった。

■ ベース録り

「次ベース! ベーシストの皆さんお待たせしました!」とリッケンバッカーベースを持ちながら口にし、「問題はドラムとベースだけでどんな曲かわかるのかっていうことで」とプリプロダクション段階で制作しておいたギターパートを鳴らすことに。そのまま作業用の事務椅子でベースラインを弾き始めるが、すぐに「間違えた!」と叫ぶ。するとオーディエンスから「ドンマーイ」というかけ声が。改めて最初からベースを録り始めた。

ドラムパートでも存在した16小節分のブレイクにさしかかると「早送り!」と次の録音箇所までスキップ。その後フロアタムにベースラインを重ねるかどうか、フレーズを口ずさんで少し考え「いらないか」と判断。続く音を弾きながら、Macの画面を見て録音の様子を確認している。そして最後まで弾き終わると「ダメだこりゃ! 波があるな」と自らダメ出し。「こういうの、一人でやってるとむなしくなるんだよね。どこまで良かったんだろうって」と独り言のように口にし、ついさっき弾いたベースパートを再生してみる。

「とりあえず間違えたのはここなんで、パンチイン(任意の一部のみ録音し直すこと)で直します」と言い再度ベースを弾くが、また間違えてしまう。「大丈夫、コマンド+Z!」と叫んでアンドゥし、みたび弾き始めるがそれでも間違えてしまい「あー!」と叫ぶ民生の声がduoに響き渡る。「こういうときは照明暗くするって言ったでしょ、打ち合わせで!」と苦笑まじりにスタッフに訴え、4度目の正直とばかりベースを手に取るがやはり間違えてしまい、民生が「あっ!」と叫ぶと同時に照明が赤に変更され、そのタイミングの良さに会場中が爆笑した。

弾いたばかりのフレーズを再生しつつ「ここは使わないだろう……でも怪しかったな……」とつぶやきながら音を確認する民生。「ちょっと休憩していい?」とソファに倒れ込むも、すぐに身を起こし「ちょっと待てよ」と再び作業机に向かう。またしてもベースラインを聞き直し、間違えたところで机に突っ伏したり「ギャー!」と叫んだりと、納得のいかない様子。ついには「(Macで)細かく直していいスか……? これ全部やってたら時間がなくなっちゃうよ」と客席に理解を求めた上で、Pro Toolsでフレーズの修正にかかった。「ね、こうやってプロはみんな直してるんですよ」と半ば自嘲気味に説明しながら手直しを終えると、「これでいっか。なぁねぎちゃん!」と、やはり会場にいるDr.StrangeLoveの根岸孝旨(B)に声をかける。「OK!」の返事をもらうと、「それぞれみんなヒマで来るんなら演りゃーいいじゃねーか! みんな忙しいと思ったからこの企画考えたのに!」とくやしそうにコメントし、ベースパートの録音終了を宣言した。

■ リズムギター録りその1

フロアから起きる拍手を聞きつつ「休憩ー」とまたソファに寝そべる。「次何やるんだっけ、ギターかー」と言うと、ギブソンES-335を手に持ち「昨日AC/DC観たから、やっぱりマーシャルアンプで」とシールドをパラボックス(信号分配器)に接続する。「この機械を通すと2台のアンプが鳴るんですよ」と丁寧に説明することも忘れない。

ギターのチューニングを行いつつ「なんならAC/DCの曲演りますよ」とリップサービスすると拍手が起きてしまい、「いや時間がないんでね(笑)」とあわてて訂正。コードを押さえてギターを弾くも「自分の音がうるさくて(バックトラックが)聴こえない」と言い、ヘッドホンを装着した。この日使用したオレンジ色のモニターヘッドホンは、レコーディングの現場でよく使われるソニーのMDR-CD900STを民生がデザインしたWネームのもので、今後使用していく予定のようだ。

そしてギターを弾き始めようとするが、思い出したように「あ、これ着けなきゃ」とAC/DCのツアーグッズである光るデビルホーンヘアバンドを装着。位置が定まらず、ヘアバンドを数回落下させるも、ヘッドホンのイヤーパッドに差し込んで無事解決。改めてギターを弾き始めたがすぐにチューニングが狂っていることに気付き中断という落ちに。観客がくすくすと笑う中、「もう1回お願いします!」と叫んで本腰を入れてギターを奏で始めた。

集中した成果か、今度はすんなりと最後まで通して録音することに成功。「よしっ!……ギターだとまかせろって感じなんだよなぁ」とぼやきながら録ったサウンドを確認する。Pro Toolsの画面を見ながら、ギターのトラックを選択し「これですね、アンプが2本(あるのでトラックも2つあります)」と片方のトラックを落としてみるが「あんま変わんないねぇ!」とサウンドの微妙な違いを揶揄。おまけに「ドラムが失敗してるねぇ、どうしよう、ここだけ直したい」と悩むが「まぁいいや、もう1本ギターを録ります」と先に進むことを選んだ。

■ リズムギター録りその2

次に手にしたのはギブソン1968 SG Special。「さっきよりも音が軽めというか、何をやってるかわかりやすい音になってます。“小汚ネイティブ”っていうか……意味わかります?」とオーディエンスに語りかけ、ここで初めて「あ、エンジニアの宮島さんです」とレコーディングエンジニアの宮島哲博を紹介。民生のレコーディング現場にはかかせない凄腕エンジニアが脇に控えているとあり、安心して録音作業を進められるようだ。ただし「普段はこういう音色の調整とかは全部宮ちゃんがやってくれるんだけど、今回はこういう企画なんで」宮島は横で相談に乗るのみ。エンジニアリング作業まで民生がひとりでこなす、改めて誰も行ったことのない企画であることがわかった。

そして座った姿勢でリズムギターパートを弾きだすが、すぐに立ち上がり作業机の前を離れようとする。「あっ、ここ離れたらやっぱりヘッドホン必要じゃん! フットスイッチがアンプの前までしか届かないんですよ!」と訴え、おとなしく再びヘッドホンを装着。「結局立って弾けってことね」とつぶやき8小節ほどリフを弾くが、アンプから出力されるギターサウンドが大きくバックトラックが聴こえない状態に。そこで音量を調整して再度スタート。ところが今度はブレイク後に弾き始める小節を間違えてしまう。「こんだけ待ったのに」と苦笑しながら、ブレイク後のフレーズを弾くも2度目も間違え「あー!」と叫ぶ。この日は民生の叫び声をよく聞いた日となった。

弾くべきフレーズを確認して再度録音を開始し、今度は無事最後まで弾き終えるも「あっ! 録音してない!」という大声が響き渡り、とたんに照明が赤に反転。おまけにフラッシュライトまで明滅する演出が繰り広げられた。ちなみに録音できていないと思ったのは民生の勘違いで、その後無事録れていることが確認できた。

■ リードギター録り

ここまで照明に照らされた状態で作業を進めていたため、ステージ上の気温はかなりの暑さまで上昇。民生は「あっちー! 扇風機買うって言ってたのに忘れてた!」と悔やみつつ「次はソロみたいなギターをもう1本録ります。その前にちょっと休憩……ずっと休憩してるみたいなもんだけど(笑)」と宣言。これが19:54のことで、約1時間強で4種類の楽器パートを録り終えたことになる。驚異的なスピードと言っていい早さで、レコーディングはぐんぐん進められていく。

リードギターの音色作りが終わり、Pro Toolsの調整も完了したところで照明が明るくなった。ギブソン1959レスポールスタンダードを手に持つと「今度は昔懐かしテープエコーって機械を使います」と説明。このエフェクターは、テープで録音した音を時間差で再生することでアナログディレイに似た効果を出すもの。さらに「アンプはベース用の(フェンダー)BASSMANを使います……さっきベース録るときに使えばよかったんじゃないかっていう」と笑いながら話す。そしてまず軽く頭の8小節を弾いてみて止め、録音したサウンドを確認。「もう1回演りますね」と丁寧に観客に告げてから同じ小節をなぞる。納得いく音が出ているようで「はい、次弾きます」ときっぱり言って滑らかにフレーズを弾いていった。

リードギターの録音はバシッと決まり、オーディエンスから「おー」と歓声が。つられたようにステージ上の民生も「おー」と口にする。そしてラストのフレーズを弾き終わると「イエーイ」とうきうきした声が口をついて出た。「心の中ではめっちゃ盛り上がってるんですよ、淡々と演ってますけど(笑)」と言いながら「この音のまま間奏でソロ的なことを」と続けていく。ブルージーなフレーズが奏でられ、うっとりと魅入る観客に対し照れたような口調で「……みたいな」とおどけてみせる民生。「(弾くフレーズは)なんでもいいんですよ!」とコメントし、今しがたのプレイを再生して確認すると「いいんじゃないですかね……できました!」とギター録りが無事終わったことを宣言した。

■ キーボード録り

次は民生が苦手とするキーボードの録音だ。「この企画のためにキーボードを買いました!」と言い取り出したのは、AKAI professionalのMIDIキーボード・LPK25。わずか25鍵のミニキーボードを目にしてフロアがわぁっと沸く。しかしマウスポインタが待機状態を表したまま変わらないMacを指し、「これ録るのうまくいかなかったら、前日準備したスタッフのせいです」と笑わせる。すると突然、スクリーンに投影されていた映像がぶつっと途切れ、同時に「あっ!」と民生が絶叫。次の瞬間、Pro Toolsを映していた映像から民生の姿を投影する映像に切り替わったのを見て「びっくりした、(HDDが)飛んだかと思った」と胸を撫で下ろしていた。

改めて、スクリーンに映されたMacの画面にソフトシンセが表示されると「有太これ知らないでしょ?」と会場にいる斎藤有太(Key)に話しかける。そして無事Macから音が鳴ると、観客の間にも安堵の空気が流れた。「ひえー、ちゃんと弾けるかな! うまくいったら1回で終わるんだけど」と自分を鼓舞するような言葉を口にし、ハモンドオルガンの音色を奏で始める。ちなみにキーボードが使われるのは、ドラムやベース、ギターが弾かれなかった、あのブレイク部分だ。

8小節を弾き終えやりきったと思ったのもつかの間「まだあった!」と叫んで顔を覆う。とたんに照明は赤くチェンジ。その上2回目も失敗してしまうと、客席から「パンチインはー?」と声が飛ぶ。それに対し「これパンチイン使えんの?……誰に聞いてんだ、俺は」とひとりごち、3回目のチャレンジに挑む。そして無事に弾き切ると観客が自然と拍手喝采を送る。「今まさに会場とステージが一体になりました!」と民生が叫ぶと、笑いまで起こった。

続いて音色をビブラフォンに変更して別のフレーズを弾き、確認して再度弾き直す。「キーボードが一番盛り上がってるな! まぁなんつーか、みんなの『がんばれ』って空気は感じてるよ(笑)」と民生が笑ったとおり、この日一番の緊張感にあふれた時間となった。最終的に、音色をリコーダー音に変更したものとシンセ音に変更して録ったものを含め、4パターンのフレーズを録音。「キーボードできましたー」との民生の声で、無事終了が告げられた。

■ ボーカル&コーラス録り

「次はいよいよ歌です。まぁ今日はねぎちゃんに歌ってもらうんだけど(笑)」と冗談混じりに話しながら、準備のために少々の休憩を宣言。また、この日行われていたインターネットでのストリーミング生配信はここでストップ。歌入れからは、会場に集った人たちのみが楽しめるさらにスペシャルな時間となった。

まずは16小節ほど歌うと「さみしいからエコーかけていい?」と誰ともなく許可を求め、強めのリバーブを施してから本格的に歌入れをスタート。妙に良い姿勢で椅子に浅く座り、マイクを左手でつかんでメインボーカルを入れていく。ここで初めてメロディが判明したとあり、うっとりと聴き入る人、真剣な眼差しでステージを見つめる人と、観客の楽しみ方も人それぞれ。「なんとなく曲が終わりましたが、ではもう一度」と歌い直すと、満足いくものだったのかぐったりした様子で机に突っ伏し「おつかれさま……」と一言口にする。フロアからはこの日何度目かのあたたかい拍手が鳴り響き「胸が熱くなった!」という賛辞の声も飛んだ。

「ちょっと聴いていい? 疲れるなー、これ!」と叫びながら、録音した歌を再生してチェックする。「ちょっと直していいっスか? なんかヴー!って言い過ぎてダメなところがある」と微調整に入る。とはいってもMac上で音程を直すわけではなく、気に入らない箇所を歌い直すというやり方だ。「直してすいません。1回ですめばよかったんだけど」と恐縮する民生。

細かく歌い直して上書き録音できたところで、メインボーカルの録音が終了した。続いて曲の後半部分に入れるコーラス録りに移る。「まずはダブル(メインボーカルと同じフレーズを歌うコーラス)を」と説明し、録音。さらに「ダブル」の後にはハーモニーとしてのコーラスを3トラック分録った。疲れが出てきたのか、微細なピッチがあわず「あっはっはっは」と笑ったり「うにゃむにゃちくしょー!」と叫んだりする。ここまでで開場からすでに約3時間が経過しており、民生が疲れるのも無理はないといったところ。少し手こずりながらもコーラス録音を終えると「はい! というわけで、だいたい音は入ったと思うんです」と高らかに宣言し、「この後は音のバランスをとってからお聴かせしたいと思うんで、しばしご歓談ください」とこの日2度目の長めの休憩に入った。

■ 完成音源の試聴

休憩時間が終了すると民生が「質問シートのことを忘れてました」と告白。これは、それぞれの観客に対し1枚準備された質問シートに、民生に聞きたいことを記入して会場のあちこちに待機しているスタッフに渡すと、運が良ければ民生が質問に答えてくれるというもの。今後ツアーに参加予定のある人は覚えておこう。それら質問の中には、楽曲のCDリリース予定を問いかけるものもあり、民生は「10回ぐらいやると曲がたまるんで、アルバムにしたいと思っています」と頼もしい答えを返してくれた。

そしていよいよ完成音源が披露される時間に。録りたてほやほやの新曲「最強のこれから」が流れ、スクリーンには罫線入りノートに民生が手書きで書いた歌詞が表示される中、会場の誰もが感慨深げに曲に聴き入る。ステージ上の民生は、椅子の前後を逆にして座りながらMacに向かい、ときどき笑みを浮かべている。そして楽曲がフェードアウトして終わると、この日一番の拍手が沸き起こった。「ありがとうございます! もうちょいサクサクやりたかったんですけど、曲も5分ちょいありましたし、楽器も多かったんでこんな時間になってしまいました」とお礼がてらこの日の感想を口にする。そして配信リリースに関する告知を行うと、iTunesからクロージングSEとしてルイ・アームストロング「What a Wonderful World」が流される。観客が鳴らす万雷の拍手の中、ステージ上手に退場していく民生の後ろ姿は、3時間半ひとりでやりきった充実感であふれていた。

なお「奥田民生ひとりカンタビレ」はこの後、4月10日の福岡DRUM LOGOS公演から再開。すでにソールドアウトとなった5月3日のSHIBUYA-AX公演を除き、3月20日から順次チケット一般発売がスタートする。また、4月29日には東京・PARCO劇場にて追加公演が実施されることも決定。チケットを取り逃していた関東近郊ファンはこの機会にがんばっておこう。

会場から寄せられた質問とそれに対する回答

Q01. ギターのエフェクターは何を使っていますか? リバーブですか?
A01. 今回、エフェクトはテープエコー以外使っていません。ギターの歪みは全部アンプの音で出してます。

Q02. そもそもパソコンのソフトは何ですか?
A02. Pro Toolsってソフトを使ってます。名前にProって付いてるから(笑)。

Q03. この大変な作業を、いつもはどれぐらいの時間でやってるんですか?
A03. 俺、そもそもこの企画を考えたとき、普段はもっと短くやってると思ってて。今回家でシミュレーションしてみたら、5時間かかった! だから今は後悔してます(笑)。

Q04. 便利なパソコンのソフトがなかったときはどうしてたんですか?
A04. 昔からこういうのが好きで。大きいテープを使った24chトラックレコーダーとか、もう少し小さい16chトラックレコーダーを使ってました。そもそも高校時代に、家庭用カセットテープに4ch録れるレコーダーがあって、それを買ったのが最初です。そのときはPOLICE「Roxanne」をほかのヤツに歌わせてました。

Q05. ソフトシンセやメロトロンプラグインは何を使っているんですか?
A05. Sample Tankにもともと入ってるプラグインです。

Q06. 楽曲は配信リリースだけですか? CDではリリースされないんですか?
A06. 10回ぐらいやると曲がたまるんで、アルバムにしたいと思ってます。

Q07. パソコンはWindowsですか? Macintoshですか?
A07. Macです。キーボード録りの前に表示されたぐるぐる(待機状態のマウスポインタ)を見ればわかるように(笑)。

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