たむらぱん、新作リリースツアーでアルバム全曲を再現

たむらぱんの新作「love and pain」リリースツアーの最終公演が2月21日に東京・Zepp Tokyoで開催され、集まったオーディエンスの前でアルバム収録曲が曲順通りにすべて披露された。

今回のライブ会場の客席には椅子が並び、アコースティックサウンドを主体としたアルバムの楽曲を観客がじっくり堪能できる空間が作られた。登場した彼女とサポートメンバー6人も椅子に座って演奏を開始。鍵盤ハーモニカの旋律によるイントロで1曲目「love and pain」が始まり、アルバムの雰囲気そのままの優しい音色が会場を包んだ。

曲を終え、彼女は「私がアルバムに込めた気持ちと、皆さんがそれを聴いて思った気持ちがこの会場で一緒になれば」とゆっくり客席に語りかけた。そして6人の奏者による表情豊かで穏やかなサウンドと彼女の歌が1曲1曲披露されていく。この日のステージ演出は主に演奏や歌にあわせて天井からゆっくり照明をメンバーに当てるだけの素朴なもの。観客はバンドと演出によって再現される「love and pain」の楽曲にじっくりと聴き入った。

「自分の今いる場所がいいって言える曲を届けたい」と言って「ココ（album ver.）」が演奏されるなど、ステージは彼女による楽曲の説明を挟みながら進行していく。静かな空間の中でも徐々に客席の一体感は高まっていき、ドラマチックな曲展開の9曲目「こんなにたくさん」が終わるとひときわ大きな拍手と歓声が起こった。その拍手が鳴り止まぬうちに始まったアルバム最終曲「やってくる」では彼女が「みんなで演奏したい！」と観客に呼びかけ、立ち上がった観客たちは手拍子で演奏に参加。バンジョーやアコーディオンなどによる軽快なサウンドでオーディエンスを楽しませ、アルバム収録曲の実演が終了した。

以降は雰囲気が一転。彼女が「難しいことはもう終わり！ このあとは存分に楽しんで！」と言うとステージはサポートメンバー含め全員立ち上がり、控えめだった照明もさまざまな色のライトがせわしく点いたり消えたりを繰り返すように。ハーフオープンのハイハットの音とダイナミックなピアノの鍵盤さばきが印象的なロックチューン「へぶん」が始まるとオーディエンスは徐々に体を動かし始める。「人生は走り出したら止まらないの！」という彼女のMC通り、ライブ後半の演目は「マウンテン」「SOS」「直球」といったアップテンポナンバーの連発。前半の演奏と違い疾走感のあふれる「ココ（single ver.）」と、大きな手拍子を誘った「ちょうどいいとこにいたい」で本編が終了した。

アンコールで彼女は1人だけで行うライブツアー「drawdraw music」の開催を告知。このメンバーと演奏できないことを寂しがりながら「でもまだ今日の“おしごと”は終わってないから」とメンバーに話して「おしごと」を歌い、ラスト「ジェットコースター」までステージ上の7人は観客を盛り上げ続けて大団円。東名阪を回る今回のツアーが幕を閉じた。

たむらぱんの次回公演「drawdraw music」は6月7、8日の東京・VACANTおよび6月15日の京都・元立誠小学校講堂の計3ステージ。このライブでは会場内に彼女の絵画も展示され、6月8日と15日にはライブ前の無料観覧も可能となっている。

たむらぱん「TAMURAPAN “love and pain” TOUR」2014年2月21日セットリスト

01. love and pain
02. くそったれ
03. music video life
04. 第2ステージ
05. 手が目が
06. ココ（album ver.）
07. 近くの愛情
08. only lonely road
09. こんなにたくさん
10. やってくる
11. へぶん
12. マウンテン
13. SOS
14. 直球
15. ココ（single ver.）
16. ちょうどいいとこにいたい
＜アンコール＞
17. おしごと
18. ジェットコースター

TAMURAPAN “drawdraw music” TOUR

2014年6月7日（土）東京都 VACANT
2014年6月8日（日）東京都 VACANT
2014年6月15日（日）京都府 元立誠小学校講堂