上段左から細井徳太郎、松木美定、みらん、下段左からmeiyo、ヨエコ、Reol。

マイベストトラック2023 Vol. 7 [バックナンバー]

シンガーソングライター編

細井徳太郎、松木美定、みらん、meiyo、ヨエコ(ex. 倉橋ヨエコ)、Reolが選ぶ2023年の3曲

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2024年の幕開けに合わせ、音楽ナタリーではさまざまなアーティストに「2023年にもっとも愛聴した3曲」を聞くアンケート企画を実施。回答者のジャンルごとに分けた全8本の記事を公開していく。今回は「シンガーソングライター編」として、細井徳太郎松木美定みらんmeiyoヨエコ(ex. 倉橋ヨエコ)、Reolが選んだ2023年の3曲を紹介する。

構成 / 高橋拓也

細井徳太郎

細井徳太郎

細井徳太郎

2023年たくさんの音楽を聴いて楽しんだり救われたりしてきました。中でも2023年リリースの作品で特に僕が愛聴していた3曲をご紹介します。(たくさん紹介したい音楽があったのでとっても迷いましたが…!)

石若駿「空に逢う、朝を待つ feat. 櫻/Ying、苗代尚寛、マーティ・ホロベック」

今や日本を代表するドラマーの1人である石若駿くん。彼の歌ものプロジェクト“songbook”。作詞作曲ピアノドラムアレンジに歌唱、ドラマーとしてではなく音楽家としての彼の側面を見ることのできるこのプロジェクト、こちらの最新作「Songbook6」より「空に逢う、朝を待つ」です。この曲は実は僕自身が作詞をした曲なのですが、彼からデモ音源が送られてきたときに、「近い場所遠い場所、世界中にいる友達に向けた曲にしたい」と語ってくれました。ヨーロッパで活躍しているオペラ歌手の櫻さんをボーカルに迎えて、柔らかくも切ない素敵な曲に仕上がっています。何度も聴いてなかなか会えない友達に想いを馳せていました。

くるり「California coconuts」

続いて、昨年アルバムの制作風景を映画にしたことでも話題になったくるりの「感覚は道標」より「California coconuts」。映画を石若駿くんの誘いで一緒に観に行ったのですが、なんというかバンドを続けることとか友達とひさびさに会うとか、すっごくいいな…とじーんと思いました。人との出会いの切なさと尊さをこの曲を聴くたびに思い出させてくれます。岸田さん佐藤さんの優しい歌声とハーモニー、20年ぶりにくるりで叩く森信行さんのふくよかで熱いドラム、とっても素敵です。

フー・ドゥ・ユー・ラブ「愛の旅」

最後の1曲は、ロックバンド、フー・ドゥ・ユー・ラブの1stアルバム「フー・ドゥ・ユー・ラブ」より「愛の旅」です。岩出拓十郎、村上貴一(キイチビール)、樋口拓美という、インディロックシーンのファンには知らない人のいない3人によるスリーピースバンドです。粗く歪んだギターに気怠いボーカル、これぞパンクロックという音色とビートのベースとドラム。落ち込んだ気分の日もこの曲を聴けば気分が晴れて、聴いているうちに音量をぐっと上げたくなる、そんな素敵な曲です。

<プロフィール>

細井徳太郎(ホソイトクタロウ)

1993年生まれ、群馬県伊勢崎市出身。高校生の頃からギターに触れ、大学時代にジャズ研究会でバンド活動をスタートさせた。大学卒業後は上京し、ライブハウスに勤めながら音楽活動を展開。ソロ名義だけでなくSMTK、タコ足イヤホンズといったバンドのメンバーとしても活動している。2023年10月に初のフルアルバム「魚 _ 魚」を発表した。

細井徳太郎のブログ等
Tokutaro Hosoi (@hosoitokutaro) | Instagram
細井徳太郎(@tokuta7o) | X

松木美定

松木美定

松木美定

ウォルター・スミス3世「Contra」

2014年にPart1とも言える「Still Casual」に出会い僕はコンテンポラリーの扉を開いたのですが、今作はそれの続きとも言えるアルバムです。
僕は複雑で小難しいコードという要素だけの曲にはまったく惹かれないのですが、ウォルターの楽曲には複雑さに加えやはり歌心があります(歌心があるかどうかは僕の個人的な趣味による判断ですが)。
このコンセプトのアルバムは10年近く出していなかったのですが、期待を裏切ることのない出来です。

Diskoria, Laleilmanino, BCL「Badai Telah Berlalu」

去年くらいからインドネシアのPOPSに興味がありちょくちょくと気になったアーティストの動向をチェックしているのですが、最高の曲が去年も出ていました。
最初から最後まで無駄のない、飽きのこない、不自然さのないアレンジの壮大なPOPS。かと言って重くもならず聴き心地はあくまでさわやか。歌唱のニュアンスとリハーモナイズが相まって後半は特に泣きそうになります。正直この曲のコンセプト、歌詞の内容などは調べていないのですが全部すっとばしても最高の曲です。
こういった知らなかった大きな音楽シーンを見つけると大海を知らない蛙のような途方もない気持ちになります。

中川理沙「HATENA?」

素晴らしい音楽家の中川理沙さんのアルバム「動物の庭」から。このアルバム自体が中川さんのメロディセンス大爆発の名盤でどれを選んでもよかったのですが、アレンジ、リハーモナイズ力も存分に発揮されているこの曲を選びました。
曲が短く無駄のない構成で、可愛らしさと油断できないアレンジが同居した名曲です。

<プロフィール>

松木美定(マツキビテイ)

1993年生まれ。静岡県出身。20歳の頃からピアノと作曲を独学で始め、モダンジャズの作曲家たちの作品を研究しながらオリジナル曲を制作する。2018年にLampの音楽を知ったことから邦楽に関心を抱き、松木美定名義での活動をスタートさせた。その後2019年からコンスタントに楽曲を発表し、2023年11月に初のフルアルバム「THE MAGICAL TOUCH」をリリースした。

松木美定 / Bitei Matsuki|note
松木美定 Bitei Matsuki (@matsuki_bitei) | Instagram
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みらん

みらん

みらん

曽我部恵一「まる。」

むらかみなぎさ「デイリー」

田中ヤコブ「ミミコ、味になる」

去年大阪から上京し、ひとり暮らしをはじめ、寂しくなったらとりあえず外に出てイヤホンして歩く私に、「ああでも、みんなこんなふうかもな。求めすぎることも、捨てたくなることもあって、ぜんぶが生活としてここにあっていいものなんだよな。」と、落ち着かせてくれたのがこの3曲です。
誘導的でないのが今の私にとってよくて、独り言のような歌詞の中にたくさん本当のことがある。それらが支えになっているから優しくできたり、歌えるんだなって、聴くたびに胸が撫で下ろされます。
アンテナを張って音楽を聴くということをあまりしなかったけれど、去年はなんだか少しの音楽で充分でした。

<プロフィール>

みらん

1999年生まれのシンガーソングライター。2019年から関西を拠点に活動を開始し、2020年に宅録で制作した1stフルアルバム「帆風」を発表。その後、曽我部恵一や久米雄介(Special Favorite Music)をプロデューサーに迎えて数々の楽曲を制作し、2023年12月に3枚目のフルアルバム「WATASHIBOSHI」をリリースした。

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みらん (@mirams11) | Instagram
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読者の反応

Reol れをる @RRReol

僭越ながらわたしも寄稿しています🖋️
わたしが好きな曲たち、ぜひ聴いてみてくださいましー #マイベストトラック2023 https://t.co/lAtTKUmwHm

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