森達也「シンプル・アクシデント」は「最高点に達した作品」監督に賛辞を贈る

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第78回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した映画「シンプル・アクシデント/偶然」のトークイベントが4月28日に東京・キノフィルムズ試写室で行われ、映画監督・作家の森達也が登壇した。

映画「シンプル・アクシデント/偶然」のトークイベントに登壇した森達也

映画「シンプル・アクシデント/偶然」のトークイベントに登壇した森達也

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イランの映画監督ジャファル・パナヒが監督を務める本作は、不当に投獄された人々の姿をスリリングかつユーモラスにつづった復讐劇。主人公ワヒドが偶然の事故をきっかけに、自らの人生を奪った残忍な看守“義足のエグバル”と思しき男と再会したことから物語が展開する。2010年に“イラン国家の安全を脅かした罪”として20年間の映画制作と出国を禁じられたパナヒが、2023年に渡航禁止を解かれてから最初に手がけた作品だ。

「シンプル・アクシデント/偶然」場面写真

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森は本作について「パナヒ監督が、1つの最高点に達した作品」と評価し、出演者たちの存在感に関心を示す。彼は、本作で俳優が本業ではない人々が起用されていることに触れ、「どうやって演出しているのか不思議なくらい、しっかり演技ができている」とたたえた。また「映画的には悪いやつを造形したほうがわかりやすいし、感情移入もしやすい。でも彼(パナヒ)は絶対にそれをやらない」と語り、「体制や組織こそ諸悪の根源だという思いが、イランの映画人たちには共通しているのではないか」と口にする。

映画「シンプル・アクシデント/偶然」のトークイベントに登壇した森達也

映画「シンプル・アクシデント/偶然」のトークイベントに登壇した森達也 [高画質で見る]

森は現在のイラン情勢についても言及し、「日本にいる僕たちは、もっと言えることがあるはずなのに、言っていない」とコメント。またパナヒに関して「(検閲から逃れるため)国外に出る選択をした監督も多い中で、彼は絶対に出ない。イランにとどまり、イランで上映できないのに、イランで撮り続ける。もう尊敬しかないです」と述べ、「それを支える全員がすごい」とスタッフやキャストにも賛辞を贈った。最後に森は「皆さん、いい作品に巡り合えたと感じているんじゃないでしょうか」と観客に呼びかけ、イベントを締めた。

映画「シンプル・アクシデント/偶然」のトークイベントに登壇した森達也

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「シンプル・アクシデント/偶然」は5月8日より東京・新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国でロードショー。第98回アカデミー賞では国際長編映画賞と脚本賞にノミネートされた。出演にはワヒド・モバシェリ、マルヤム・アフシャリ、エブラヒム・アジジ、ハディス・パクバテン、マジッド・パナヒ、モハマッド・アリ・エリヤスメールらが名を連ねる。

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©LesFilmsPelleas

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