2019年に映画「夜明け」で監督デビューを果たした
同作は“わがままで、ずるくて、だけど愛おしい”主人公・詩(うた)と、彼女に振り回される夫と恋人による、一筋縄ではいかない多様な愛の物語。ありのままの自分を、目の前の人をどう愛し、ともに生きるか試行錯誤する日々が描かれる。脚本段階で2023年の釜山国際映画祭併設コンテンツマーケット・Asian Contents & Film Market(ACFM)内の企画マーケット「Asian Project Market(APM)」にて、CJ ENM AwardとARRI Awardの2冠を達成するなど注目を集めてきた。
長澤は、夫と恋人両方の愛を手に入れようと、3人での生活を提案する絵本作家・詩を演じた。「監督のみぞ知る世界を、迷い、探し、うねるように、静河さんと佑さんと過ごし、それでも、私達は自然にその場にいる事ができました。愛に助けられた、そんな感覚でした」と撮影を振り返る。
そして柄本は気遣いができ料理が得意な一面と、古きよき家族観の間で揺らぐ夫の杜夫、石橋は詩の恋人で担当編集者でもある潤奈に扮した。柄本は「不器用な欲しがりさんたちがお送りする愛に関する映画」と作品の魅力を伝え、石橋は「まさみさん、佑さんとのお芝居は、とても頼もしく、心地よい時間でした」と回想した。
脚本・監督・編集・原案を担った広瀬は、制作者集団・分福に所属し、是枝裕和や西川美和の監督助手としてキャリアを積んだ。これまで「夜明け」のほかにドキュメンタリー「つつんで、ひらいて」、ドラマ「潤一」「それでも愛を誓いますか?」「風のふく島」などを手がけてきた。広瀬は「このお話は、もっといろんな家族の形があってもいいんじゃないかという思いから生まれました」「誰かを好きになったり、家族を持ちたいと思ったときに起きる障壁や、女性に起きる問題、夫婦間の溝を丁寧に拾い上げ、軽やかにお届けできたらと思っています」とつづった。
なお同作は、広瀬の「既存の価値観にとらわれない作品を作りたい」という思いから、ホウ・シャオシェンの後期作品やホアン・シー監督作「台北暮色」などの撮影監督を務めたヤオ・ホンイーをはじめ、撮影と照明に台湾スタッフが参加した日台合作映画。撮影は2025年9月から10月にかけて行われ、すでに完成している。
YouTubeでは特報が公開中。詩の「変なこと想像しちゃった。3人でこの家に住むの」という言葉から始まり、彼女が杜夫と潤奈に奔放に気持ちをぶつける姿や、そんな詩をどこかうれしそうな口調で「わがまま」「いい加減」「だらしない」「欲張り」と評する杜夫と潤奈の声が収められた。音楽はシンガーソングライターの
「このごにおよんで愛など」は全国でロードショー。製作・配給はK2 Picturesが担う。長澤、柄本、石橋、広瀬のコメント全文と、プロデューサーの小出大樹から届いたメッセージは以下の通り。
映画「このごにおよんで愛など」特報
長澤まさみ コメント
詩ちゃんの矛盾した行動の中には、理想とか現実とか、正義感みたいなものが混ぜこぜになっていて、それでも、彼女の素直な態度や、素顔が周りを吸引していき、“こんなのもアリかもしれない”と思わせてくれました。
監督のみぞ知る世界を、迷い、探し、うねるように、静河さんと佑さんと過ごし、それでも、私達は自然にその場にいる事ができました。愛に助けられた、そんな感覚でした。映画の中でもずっと探している、皆さんにとって愛ってどんな形なんでしょう?
どうか、映画を楽しみにしていて欲しいです。
柄本佑 コメント
「このごにおよんで愛など」の先にどんな言葉が続くのか? そんな事を考えながら今作の撮影に臨んでいました。「無駄」なのか「ナンセンス」なのか、はたまた「…でも欲しい!」なのか?
今作を観終わった方の心にどんな言葉が紡がれるのか、とても気になります。
不器用な欲しがりさんたちがお送りする愛に関する映画。是非お楽しみ下さい。
石橋静河 コメント
初めて脚本を読んだ時、まったく違う正義を持った三人が時に激しくぶつかり、時に互いに寄りかかりすぎたり…この三人はどこに行ってしまうのだろう?!とハラハラドキドキしたのを覚えています。
潤奈という役は、不器用で、ハリネズミのように棘があって、でも心の中には子どものような柔らかさを秘めた人でした。
まさみさん、佑さんとのお芝居は、とても頼もしく、心地よい時間でした。
台湾の撮影チームの眼差しは、とても柔らかかった。
広瀬監督が一から描き、そしてキャスト・スタッフみんなで作り上げたこの物語が、たくさんの人の心に届くことを祈っています。
広瀬奈々子 コメント
はじめて原案を書いたのはコロナ禍のクリスマスでした。以来、わがままで、ずるくて、だけど愛おしい主人公を形づくるために、脚本の執筆に苦戦してきたわけですが、長澤まさみさんを主演にお迎えして、そんな苦労などすっかり忘れてしまうほど魅力的なキャラクターが誕生しました。さらに柄本佑さん、石橋静河さんが加わり、ちょっぴり歪な関係を紡ぎながら、想像以上に煌めく瞬間に立ち会うことができました。編集中にもこの三人でよかったと作品が喜んでいるように感じる場面があり、改めて幸せを噛み締めています。
このお話は、もっといろんな家族の形があってもいいんじゃないかという思いから生まれました。愛などと大仰な題を掲げてしまいましたが、誰かを好きになったり、家族を持ちたいと思ったときに起きる障壁や、女性に起きる問題、夫婦間の溝を丁寧に拾い上げ、軽やかにお届けできたらと思っています。
撮影は台湾のヤオ・ホンイーさんにお願いしました。海外の眼から見える東京が映し出されているのではないかと思います。公開まで楽しみにお待ちください。
小出大樹(プロデューサー)コメント
広瀬監督から提案いただき、初めて脚本を読ませてもらった際に、丁寧に書き上げられたひとりひとりの登場人物の可笑しみや苦悩する姿がとても魅力的だと感じたのを覚えています。フィクションとはいえ過度なキャラクターとはせずに映画にしようとする監督の想いを形にして、多くの人にこの作品を届けたいと思いました。
主人公の絵本作家・詩を、どなたが演じてくださるのだろうかと脚本を作っているときは感じましたが、長澤まさみさんにお会いし初めて台詞を読んでもらった際に、瞬く間に詩が現れたと感じました。となりに座る監督をみると、嬉しそうに目を細めて笑みを浮かべていたことはいまでも忘れられません。長澤さんをはじめとした素敵な俳優の方々に今作に参加いただき、彼女たちが紡ぐ会話劇をいつまでも見ていたいと、リハーサルの時から何度も感じました。キャスト、スタッフの皆さんと一丸となってコミュニケーションをとりながら作り上げました。劇場に足を運んでいただき、楽しんでいただければと思います。
奈紬 @T_natsumi723
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