2003年に発表された久坂部羊の同名小説を原作とした本作は、まひなどにより回復する見込みがない手足“廃用身”をめぐる治療法によって、合理性と狂気のはざまへ踏み込んでいく医師が描かれる。ある町のデイケアに通う老人たちの間でひそかに広まる“画期的な”治療。それは患者に廃用身の切断を行った結果、「体も心も軽くなった」「厳しい性格がやわらかくなった」などの好ましい副作用が現れたというものだった。うわさを聞きつけた編集者の矢倉俊太郎は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、治療法を開発した院長・漆原糾に本の出版を持ちかける。だがデイケアに関する内部告発が週刊誌に流出。さらに患者宅で起きた衝撃的な事件をきっかけに、すべてが暗転していく。
主人公の漆原を染谷が演じ、矢倉に北村が扮する。また両脚と左腕のまひに苦しめられ、漆原の治療法によって人生を取り戻した高齢者・岩上武一役で六平、漆原を支える妻・菊子役で瀧内が出演。
北村は「ぜひともたくさんの方に劇場で観ていただき、賛否が激しく分かれてほしいです」とコメント。六平は「私の演じた岩上老人の葛藤と家族との生き様を是非味わって頂きたいと思います」と述べる。瀧内は「完成した作品を観たとき、ようやく『あれは作り物だったのだ』と受け止めることができ、昇華されていくような思いです」とつづった。
YouTubeで公開された特報は、「お年寄りの体重が軽くなったら、介護負担を減らすことができる」と漆原が語るシーンから始まる。続いて「もっと早く切ったらよかったね」という老人のセリフとともに、芝生の上で車椅子の老人たちが輪になり、楽しげに風船遊びをしている光景が映し出され、最後には静かにほほえみながら「少し冷酷だと思いましたか?」と矢倉に問いかける漆原の姿が収められた。
「廃用身」は5月に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開される。
映画「廃用身」特報
北村有起哉 コメント
私は最初にこの台本を読んだ時、気がつけば実際に起こったノンフィクションの話だと思い込んで読み進めてしまっていました。それくらい身の回りで起きてそうだと自然に想像をし、自身にあるいは自身の家族にそして、医学が発達している世界中の人々にもふりかかってくる永遠のテーマだと感じたからです。
ご覧になる方は今まで見逃していた新たな倫理観に揺さぶられると思います。そして問われると思います。このテーマに共感できるか、拒絶するか。
ぜひともたくさんの方に劇場で観ていただき、賛否が激しく分かれてほしいです。
六平直政 コメント
この映画に出演が決まってから、原作の小説を読んで今まで知らなかった、廃用身の世界をしって、人間の心と体のバランスの中身や医者と患者の関係性や自分の肉体と気持ちの戦い方や本人と家族の関係性の問題を自分なりに考えるようになりました。撮影を終えて、自らの身体を切って、心を開放していく老人たちの気持ちを考えるようになりました。この難しい社会の闇の問題を、映画をご覧になる皆様に是非考えて頂きたいと思います。私の演じた岩上老人の葛藤と家族との生き様を是非味わって頂きたいと思います。
瀧内公美 コメント
𠮷田監督が新作を撮られると聞き、これまで作品を追いかけ続けてきた身として、お声がけいただけたことをとても嬉しく思いました。
原作は、ルポルタージュかと思うような小説で、何度読み返しても「これは本当に小説(物語)なのだろうか」と戸惑い続けました。
どう演じることが正しいのか、どう在るべきなのか。現場に立ちながらも、答えを探し続ける日々でした。クランクアップ後も、あの日々が自分の人生と地続きのまま生きているような感覚があり、ふとした瞬間に思い出していました。
完成した作品を観たとき、ようやく「あれは作り物だったのだ」と受け止めることができ、昇華されていくような思いです。
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「chokladkahvi」 @aporingyo
すごい演技派の重用。興味深いな…。 https://t.co/3e0nKEH2cm