1966年にチェコスロバキアで製作された
“マリエ1”と“マリエ2”という2人の女の子を主人公に据えた本作では、彼女たちが人形のまねをしたり、姉妹と偽って男たちに食事をおごらせたり、牛乳風呂に入ったりと、自由に悪ふざけを楽しむ。それらの様子が、色ズレ、カラーリングの変化、実験的な効果音や光学処理など、あらゆる映画的な手法を用いて描かれた。マリエ1とマリエ2を演じたのは、オーディションで選ばれた素人の
ヒティロヴァは、チェコスロバキア・ヌーヴェルヴァーグの代表格として知られる女性監督。「ひなぎく」は食べ物を粗末に扱う描写が反体制的だと国会で糾弾され上映禁止の危機に瀕するも、多くの表現者や市民が作品を擁護し、上映が許可されたという経緯がある。ヒティロヴァの夫であるヤロスラフ・クチェラが撮影監督と美術を担い、エステル・クルンバホヴァーがヒティロヴァとの共同脚本・美術・衣装を手がけた。
YouTubeで公開された映像と場面写真には、主人公の2人が家やレストラン、線路、自然の中などで気ままに過ごす様子が収められた。画家の
なお本作のポストカード付き前売り券2種が、1月9日からシアター・イメージフォーラム、メイジャーのネット通販にて販売されることも明らかに。1回券は税込1600円、ペア券は税込2400円で購入することができる。さらにオフィシャルグッズのTシャツとクリアファイルも登場。詳細は映画の公式サイトやSNSにて近日告知予定だ。
「ひなぎく 4Kレストア版」は大阪のシネ・ヌーヴォ、兵庫・元町映画館、愛知のナゴヤキネマ・ノイ、京都・アップリンク京都ほかでも上映。配給はチェスキー・ケーが担当する。
映画「ひなぎく 4Kレストア版」予告編
ヒグチユウコ(画家)コメント
うつくしく愛らしく無垢であるようで、勝手気ままな少女たちの映像美は何度見ても目を奪われる。
単に綺麗な画面ならば心に残らないものですが、この作品の訳のわからない風刺のような暗示的結末によって普遍的な魅力を放ち続けるのでしょう。
宮代大嗣(映画批評家)コメント
世界が堕落しているなら、私たちも堕落しよう。「ひなぎく」において破壊とは、反抗であり、解放であり、消費であり、創造であり、何より喜びである。マリエとマリエは母でも妻でも娘でもない。女性の外見を持った、制御不能なマリオネットだ。空前絶後のパンキッシュな映画である。二人はあらゆる生産性や合理性に中指を立てる。この映画に熱狂する観客は、自分の胸の中に反逆のマリオネットを発見することだろう。コントロールを失った世界の快楽に陶酔することだろう。「ひなぎく」はエレガントに、毅然とした態度でオーディエンスに呼びかける。何者もあなたの若さを踏みにじることはできない。何者もあなたの喜びを踏みにじることはできない。
川原 康臣 YASUOMI KAWAHARA @kawa_wa_wa
ついにこの作品まで4Kに https://t.co/YQWMHJiXDK