フィリピン人監督のハイメ・パセナ2世が東日本大震災をテーマに制作した映画「この場所」が、2026年春より東京・K's cinema、宮城・フォーラム仙台、岩手・フォーラム盛岡ほかにて順次公開されるとわかった。
本作は震災から10年以上の時が経った岩手・陸前高田市を舞台に、日本人と再婚した父親を持つフィリピン在住の28歳・エラの“心の復興”を描いた物語。父親の葬儀のために陸前高田を訪れたエラは、腹違いの妹・橋本レイナと出会う。2人は父の残した遺言書をめぐって激しく衝突するが、エラには遺産が必要な事情があった。やがて彼女は同地に住む人々が経験した震災、そしてその傷の深さを理解していく。
エラ役で「ビリーとエマ」「ハイフン」のギャビー・パディラ、レイナ役で「PERFECT DAYS」の
ビジュアルアーティストとして10年以上にわたり東北と関わってきたパセナ2世は「東日本大震災と津波によって変貌を遂げた陸前高田の回復力を目の当たりにしました。壊滅的な津波は、私自身の心の激動期と重なり、街の復興と私自身の静かな回復の両方から、この映画の物語が紡ぎ出されました」とコメント。続けて「ディアスポラ(離散)と家族という視点を通して、記憶、喪失、そして再生を深く考察しています」と語っている。
「この場所」の配給はSpanic Filmsが担当。
ハイメ・パセナ2世 コメント
映画「この場所」は、私が東北地方でビジュアルアーティストとして活動した10年以上に渡る旅路から生まれました。その中で、2011年の東日本大震災と津波によって変貌を遂げた陸前高田の回復力を目の当たりにしました。壊滅的な津波は、私自身の心の激動期と重なり、街の復興と私自身の静かな回復の両方から、この映画の物語が紡ぎ出されました。本作は、13年間のアーカイブ写真と映像を基に、ディアスポラ(離散)と家族という視点を通して、記憶、喪失、そして再生を深く考察しています。
今回、「この場所」が誕生の地・日本で上映されるにあたり、この作品を感謝のしるしとして皆様にお届け出来れば嬉しいです。本作は、フィリピン人と日本人の間の揺るぎない絆、そして本当に大切なものを再建するために記憶することの力の証しです。
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フィリピン情報/Philippines @akaihachi
フィリピン人監督が東日本大震災を見つめる、“心の復興”描いた「この場所」来春公開
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