映画「
東アジア反日武装戦線「さそり」の元メンバーである桐島聡の半生を描いた本作。連続企業爆破事件に関わったとして指名手配されながら、約半世紀にわたる逃亡の末、2024年1月に死去した彼が、どんな事件を起こし、どんな逃亡生活を送っていたのかを、「夜明けまでバス停で」で知られる脚本家・梶原阿貴と高橋のコンビがシナリオ化した。毎熊が桐島を演じ、ミュージシャンのキーナ役で北、バーの店主役で原田が出演している。
高橋は企画を担当した小宮亜里から本作の話があった際のことを振り返り、「『この映画を撮らんといかんでしょう?』って突き付けられるように言われまして。実は連合赤軍の映画を作っていたので、その流れでそういう話があったんです。何ができるかなと思ったんですが、桐島に関しては知らないことが多すぎて。ただその分自由であったことは確かです」と述懐。長尾は「私は50年前、高校生だったので、事件のことはぼやっとしか覚えていなかったんです。桐島という人が捕まらずに逃げているというのは知っていたので、漠然と何をしてるのかな?と。だからそれを伴明監督が描かれるということに興味がありました」と思い返した。
毎熊はエキストラとして初めて参加した映画の現場が高橋の監督作だったそう。「桐島は謎に包まれた人物で、つい最近まで同じ時間を生きていた人。だからそれを演じるのは怖いことだとも思ったんですが、伴明さんが桐島役を自分にと言ってくださってるなら、やります!と。伴明監督の作品でこのような役ができるという魅力のほうが勝ちました」と語る。また20代から70代までの桐島を特殊メイクを使用せず演じたことに触れ「70代いけるかな?と心配もあったんですが、撮影時に鏡に写った自分を見て、見えるなと。ヘアメイクの力に助けられましたね」と笑う。高橋は「今の男性は若いんです。70代になっても元気。ちょうどよかったんじゃないかな」と口にした。
ミュージシャンのキーナを演じた北は「キーナは明るく、夢に向かっているキャラクター。桐島の対極にいる女性でいたいと思いました。彼女は桐島に垣間見える人間らしさに惹かれたのかなって、お芝居をしている中で思いました」と回想。バーの店主に扮した原田は「実際に桐島が通っていたバーがあると聞いていたんです。クールではなく親しみやすいマスターじゃないかなと思って演じました」と伝える。
最後に北は「この作品を観て、現代に生きる1人の人間として、すごく思うところがあったんです。皆さんもそんな気持ちになると思うので、いろいろな方に観ていただきたいです」と口にし、毎熊は「僕のように事件を知らなかった人間も楽しめる映画になってます。桐島が優しかったり、怒っていたり、それがなんでだろう?と思う可能性もあります。でもいい疑問を持ったまま映画を観終える気がしています。できるだけたくさんの人に観てもらいたいです」とアピール。そして高橋は「なぜあの事件を起こしたのか? それはクエスチョンのままでいいと思うんですね。わからないまま、こういう50年間の青春があったんだとそれぞれに受け止めてもらえば」と呼びかけた。
「『桐島です』」は7月4日より新宿武蔵野館ほかで公開。
映画「『桐島です』」予告編
毎熊克哉の映画作品
リンク
Seiichiro@ @seiichiro1240
テロリストに顔を与えちゃいけないと、僕は思う。 https://t.co/HUXUzCnkiP