東アジア反日武装戦線「さそり」の元メンバーで、約半世紀にわたる逃亡の末に死去した桐島聡を描いた映画「『桐島です』」が、7月4日に東京・新宿武蔵野館ほかで公開。
物語は1970年代、桐島の大学時代から始まる。反日武装戦線の活動に共鳴して行動をともにしていた彼は、1974年の三菱重工爆破事件で多数の犠牲者を出したことにより、深い葛藤にさいなまれる。警察当局の捜査が進んで組織が壊滅状態になる中、指名手配された桐島は偽名を使って逃亡。やがて工務店での住み込みの職と静かな生活を手にした桐島は、ライブハウスで歌手キーナと知り合う。
桐島の同志であり、現在も反権力闘争を続ける宇賀神寿一が取材に協力。撮影は2024年7月下旬から8月半ばにかけて関東各地で行われ、毎熊は20代から70代の桐島を1人で演じた。黒縁メガネの桐島を捉えたビジュアルには、「偽名で生きてきた。けれど心までは、偽らなかった。」とコピーが添えられている。
毎熊のほか、宇賀神役で
本作を企画した小宮亜里から、2024年2月頃に「桐島撮らんといかんでしょ」と言われたことを振り返る高橋伴明。制作を決めた当時のことを「頭の中で白いガラス玉が砕けた。連赤映画(「光の雨」)のオトシマエをつけろ──と聞こえた。そう、あの時代を共に生きた我々にはその責任があるのだろう。直ぐに脚本の梶原に電話をした。案の定、すでに桐島のスクラップをつくっていた。ウソツキ部分はオレが責任を持つ」と語っている。
「『桐島です』」の配給は渋谷プロダクションが担当。なお、古舘寛治が桐島を演じた、題材を同じくする映画「逃走」は3月15日より公開される。
高橋伴明 コメント
昨年(2024年)の2月に入ってすぐだったと思う。別件で会っていた(本作企画の)小宮女史から、突然「桐島撮らんといかんでしょ」という言葉が飛び出した。頭の中で白いガラス玉が砕けた。連赤映画(「光の雨」)のオトシマエをつけろ──と聞こえた。そう、あの時代を共に生きた我々にはその責任があるのだろう。直ぐに脚本の梶原に電話をした。案の定、すでに桐島のスクラップをつくっていた。ウソツキ部分はオレが責任を持つ。
高橋伴明の映画作品
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木俣冬 @kamitonami
毎熊克哉が桐島聡を演じた「桐島です」7月公開、共演に奥野瑛太・北香那・高橋惠子ら https://t.co/cU42SaB2Xd