本作は、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」で短編「遠くへいきたいわ」を手がけた団塚による長編デビュー作。再開発が進む東京・渋谷を舞台に、母親が死去し、残された父親と息子の関係性がオリジナル脚本で描かれる。「さよなら ほやマン」で映画デビューした黒崎が蓮を演じ、遠藤憲一が父の初、井川遥が母の由美子、木竜が姉の恵美に扮した。
通常、監督週間部門ではスタッフ・キャストの登壇はないが、映画祭側から招待を受け、3人でレッドカーペットを歩くことが実現。黒崎と団塚はタキシードに身を包み、木竜は小津安二郎監督作品の衣装を手がけるなどした染織工芸家・浦野理一による振袖を着用した。カンヌ国際映画祭に初参加となった3人だが、レッドカーペットイベントを終えた感想を聞かれると、黒崎は「大きい音やたくさんのカメラがあって、緊張するのかなと思っていたのですが、映画祭スタッフも歩く前にテンションを上げてくれて、3人でも『楽しもう!』と話していたので、実際に楽しむことができたと思います!」と興奮を隠せない。木竜は「一瞬のことであっという間に時間が過ぎてしまったのですが、カーペットを歩いたあとに、団塚監督が小声で『映画作ってよかった』とおっしゃっていたので、私はそれが聞けて満足です」と明かす。団塚も「あっという間でしたが、すごく楽しく3人で歩くことができてよかったです」と充実感を口にした。
なお現地時間5月16日に行われたワールドプレミア上映には、会場が満席となる800人以上の観客が集まり、上映後は約7分間のスタンディングオベーションが起きた。団塚は「初めて世界中の方々に観ていただいて、すごく温かく受け入れてくださったなという印象なので、これから『見はらし世代』がもっと遠くのほうまで広がっていくことを、スタッフ一同僕も含め全員が祈ってると思います。本当にこれからが楽しみです」と満足げに語る。黒崎も「すごくドキドキしていたのですが、たまに笑いが起きたりもして、笑い声が起きるたびに安心して監督の膝を突いたりしました(笑)」と喜びをにじませ、観客とともに初めて本作を観た感想を問われると「東京の今の風景、今の若者たち、生活がすごく詰まった作品になっているので、数年後に観ても、あのときはこうだったなと思えるように、世代を超えた面白さが伝染していくような映画になるんじゃないかなと思います。本当にワクワクしていて、感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びと感謝を口にした。
「見はらし世代」は2025年秋公開。
映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】黒崎煌代・木竜麻生・団塚唯我がカンヌ国際映画祭を満喫、「見はらし世代」世界初上映
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