「あらののはて」で知られる
架空の小説をめぐる2つの物語で構成された本作。第1話「書架の物語」は、本に興味のない生徒会長・健一郎が、「本が禁止された未来の世界から来た」というツムギと図書室で出会うことから展開される。第2話「埋めてくる」では、死んだ人気小説家の遺体を“絶対に見つからない場所”に埋めようとする者たちの姿が描かれる。特報はYouTubeで公開中。
両話で「Polar Night」の
主人公の姿を書影に収めたデザインのビジュアルには、「一冊の本が変えるアナタのすべて。」というコピーが添えられた。本作の配給はMomentumLabo.が担当する。
※高橋雄祐の高は、はしごだかが正式表記
映画「架空書影。」特報
峰平朔良 コメント
まだ自分の中の何かが変わるような本には出会ったことはありませんが、心の元気がなくなった時に読み返す本は、清水杜氏彦さんの「少女モモのながい逃亡」です。
昔のソ連時代をモデルに描かれたもので、政府の暴走や大飢饉で家族を失った少女が自由を求めて国から逃亡する物語です。
終盤の、枯れた地を歩くボロボロのモモがついに倒れた時に見る景色は物凄く残酷で、物凄く生きていて、物凄く美しい。この描写はいつも心揺さぶられます。社会のルールの中で器用に暮らしていけばいいものを、苦しむと分かっていても自分が選んだ道を突き進む姿は、どんなに辛いことがあっても諦めなくていいんだ。自分を信じて続けてていいんだ。欲しいものを求め続けていいんだ。と思わせてくます。
そういう意味では、めげそうになっている私の心を元気な心へと変えてくれる一冊です。
さて、この映画は本にまつわる2つの物語が合わさった映画です。
大きなテーマとして「本」について考えながら見るとまた一段と面白いかもしれません。
最後まで読んでくださりありがとうございました。ぜひ劇場で。
長谷川朋史 コメント
1970年代に幼少期を過ごした私は、当時NHKで放送されていた「少年ドラマシリーズ」に夢中でした。筒井康隆、光瀬龍、星新一、眉村卓、そうそうたる作家の名著を原作に放送された作品の中でも、「なぞの転校生」眉村卓と「七瀬ふたたび」筒井康隆の二作品には強い衝撃を受けました。そこから両作家の小説を読み漁り、自分でもキャラクターやストーリーを作って妄想の世界に浸っていました。
「架空書影。」はそれらの小説に漂う得体の知れない不安感、淡い恋愛幻想、そんな影響を色濃く反映した映画です。
第一話の「書架の物語」では、まだ出会っていないのに失恋が運命づけられた高校生の男女をタイムスリップというSFの古典的手法で描き、第二話の「埋めてくる」では小説家のゴーストライターをしている女優の“ゴースト”をサイコサスペンス風のメタフィクションとして描きました。
タイトルの「架空書影。」は存在しない本の表紙を意味します。
様々な本に出会って自分の人生観や運命が変わったように、たとえ幻の本であっても、この映画があなたの心を揺り動かす一冊になってほしいと強く願っています。
峰平朔良の映画作品
リンク
田村 魁成 @t_kaisei
配給担当をします、「#架空書影 」が7/26〜池袋シネマ・ロサで上映します。
人生が変わった一冊はありますか?
ぜひ期待してお待ちください! https://t.co/C2OTYPlOpW