本作の主人公であるお栄は、いつも北斎が「おーい、飯! おーい、筆!」と何かにつけて、お栄に用を頼むことから「葛飾応為」という画号を授かり、芸術は男のものだった江戸時代において、数少ない女性の絵師として活躍した人物。短気で気が強く、たばこがやめられない彼女は「美人画ではかなわない」と北斎も認めるほどの絵の才と豪快さをあわせ持ち、男社会を駆け抜けていった。本作では、夫と喧嘩の末に離縁して出戻り、北斎が90歳で亡くなるまで弟子・娘として暮らし続けた希代の絵師・葛飾応為の謎多き人生が解き明かされる。
応為を演じるにあたり、独特の筆の持ち方をする浮世絵の練習をクランクイン前から重ねたという長澤。彼女は「応為は子供の様な大胆さがあり、人の目を気にせず自由に生きます。その姿は現代の女性の匂いを纏っていて、カッコいい。知れば知るほど、味わい深い人物で、実際に彼女に会ってみたい、見てみたいと思いました」と語り、「絵や北斎に対しては、まるで人生そのものをかけているようで、勇ましく神々しい。その全てに、私は憧れを抱きながら演じていました」と振り返った。
また大森は「長澤まさみさんの演じる応為がオンボロ長屋で佇む姿がいまだに脳裏に焼きついて離れません。おそらく長澤さんは、長澤さんとしてでも、応為としてでもなく、ただの一人の誰か、体の大きな、キセルと犬と絵が好きな、江戸の長屋にいるある女として、そこにいたのだと思います」と述べ、「長澤まさみと言う女優はいつだってすごくいい。でもこの映画の長澤まさみは最高かもしれない」とつづっている。
飯島虚心が手がけた伝記「葛飾北斎伝」と
長澤まさみ コメント
大森監督はパッションが強い方。
演じることに向き合うだけでなく、自分と向き合う時間を与えてくれました。
そして私の心に灯った火を見つめる眼差しに、映画作りへの深い愛情を感じます。
応為は子供の様な大胆さがあり、人の目を気にせず自由に生きます。
その姿は現代の女性の匂いを纏っていて、カッコいい。
知れば知るほど、味わい深い人物で、実際に彼女に会ってみたい、見てみたいと思いました。
絵や北斎に対しては、まるで人生そのものをかけているようで、勇ましく神々しい。
その全てに、私は憧れを抱きながら演じていました。
凄まじい情熱を持って生きた父娘の姿を温かい目で見てもらいたい。そんな映画になっていると思います。
どうぞ、宜しくお願いします。
大森立嗣 コメント
応為という女性は北斎(鉄蔵)の娘で、北斎と生活を共にした。絵の才能は抜群だった。彼女の描く美人画は伸びやかで美しく、北斎は自分よりいいと言った。だが残されている作品は数少ない。谷川俊太郎風に言えば、応為はこんなことを思っていたのかもしれない。「そんなこと思ってないよ」と応為は言うだろうけど。
生きているということ
いま生きているということ
それは鉄蔵のイビキを聞くということ
煙草を吸うということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
それは葛飾北斎
すべての美しいものに出会うということ
長澤まさみさんの演じる応為がオンボロ長屋で佇む姿がいまだに脳裏に焼きついて離れません。おそらく長澤さんは、長澤さんとしてでも、応為としてでもなく、ただの一人の誰か、体の大きな、キセルと犬と絵が好きな、江戸の長屋にいるある女として、そこにいたのだと思います。
それは息をしているということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
長澤まさみと言う女優はいつだってすごくいい。でもこの映画の長澤まさみは最高かもしれない。
STRONG E @Go1701
真夏の京都で始まり、肌寒くなるまで頑張りました。
公開が楽しみです。
長澤まさみ主演「おーい、応為」10月公開、大森立嗣が北斎の娘・葛飾応為の人生描く https://t.co/u3lQACIIlC