映画「
大九は「命に向き合わざるを得ないストーリーだったので、若い頃の痛みや大事な人を失う痛みなどを(自分の中から)引っ張り出しつつ、下手くそだとしても痛みを正しく伝えたいなと思いました」と述懐。また萩原は役作りについて「皆さんそれぞれが素晴らしい引き出しを持っていました。小西はみんなからの言葉を原動力にする人物なので、いかにそれをこぼさずにキャッチするかを考えていました。また関西大学を丸々お貸しいただいて撮影したので、その景色や情報をできるだけ取りこぼさないようにとも。いつも以上に受け皿を大きくする意識をしていたと思います」と振り返る。
河合は「脚本を通しで読むと、桜田なりの孤独や父の不在など、彼女の抱えているものがわかります。ただ最初は“小西から見た桜田”の形から入ろうと思いました。お団子頭だったり、背筋をまっすぐ伸ばしたりと小西からの印象を入り口にしています」と説明。続いて伊東が「さっちゃんは明るくて、周りを巻き込むようなパワーがある人です。なので笑顔でいよう、オープンでいようといつも以上に意識しました」と話すと、大九は「私のさっちゃんへの思い入れが強かったことが伝染したのか、スタッフからも人気が高くて。『今日、バイト楽しかった!』というさっちゃんのセリフをまねるのが流行ったんです」と和やかな現場の様子を伝える。
また独自の方言“山根弁”を話す山根について、黒崎は「非常に個性的なキャラクターなので、脚本を読んだときはどうしようと。一歩間違えれば見るに堪えない役になるので」と苦笑い。「初号試写は緊張したんですが、福徳さんが優しく『よかったよ』と言ってくださって」「山根弁が流行ったらいいですね(笑)」と続けた。
本作の一押しポイントをフリップに書いて披露するコーナーも。萩原は走るシーンを挙げて「(車に乗ったカメラマンとの間合いを調整するために)普段は『走る速度を気持ち落としてください』と言われることがあります。ただ、むしろ今回は尋常じゃないくらい撮影の車が速くて! 僕が全力を出しても追いつかないくらいで、こんなに本気で走って撮ったのは初めてです」「全力走りさせていただきました」と坂道ダッシュを楽しげに回想した。大九は「小西が自分の一番弱い部分から逃げるというシーンだったので、死に物狂いで走らないと意味がなくなってしまう。ドライバーさんには『振り切るつもりで』と、利久さんには『車について来て』とお話ししました(笑)」と明かした。
「衣装・メイク」と書いた河合は「お団子頭の作り込みや洋服もそうですが、桜田は人からどう見られるのかという自意識がある子。ノーメイクではないだろうし、でもトレンドを追っているわけでもなく、自分自身で選んでいるという絶妙な感じを(スタッフが)取り入れてくれたのが興味深かったです」と、伊東は「(犬の)サクラです。皆さんも観ていたらワシャワシャしたくなってたまらなくなると思います。私は後半になるにつれて、サクラの顔を見るだけで泣ける気がしました」と語った。それを聞いた大九は「サクラは一番気難しい俳優でした(笑)。東京と大阪を往復してもらったんですが、大阪に入るとはしゃぐスイッチが入ってしまって大変で」と裏話を明かす。なお黒崎は芝生での撮影シーン、大九はキーとなる音楽に言及した。
最後に萩原は「(観客それぞれが置かれている)状況でいろんな見方ができる作品だと思います。狭いところでもがいている大学生を見て懐かしいと思うのか、それともかわいいと思うのか。自分と重なる部分を比べる方もいるかもしれません。素直に出てくる感想が100%の正解だと思います。それを大切に取っておいていただけると、時間が経って観たときにまた違った感想が出てくるんじゃないかと。そんなふうに長くこの作品を楽しんでいただけるのではと、初号試写を観たときに感じました。公開がとても楽しみです」と観客に語りかけ、イベントの幕を引いた。
「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」は4月25日よりテアトル新宿ほか全国でロードショー。
ᴍᴀᴀʏᴀɴ🐸💚 @fnt_ketran16
愛知も来ないから必然的に推しに会えない現実ばかり突きつけられております泣いて良いか😭 https://t.co/FuDGM9M38M