映画「
染井為人の小説をもとにした本作は、市役所のケースワーカーとして働く公務員・佐々木が犯罪に巻き込まれ、破滅していくサスペンス。北村が佐々木、河合が色仕掛けで佐々木を犯罪に巻き込むシングルマザー・林野愛美、窪田が犯罪計画の首謀者・金本に扮した。
映像を最初に観た感想を聞かれた北村は「(登場人物たちが)非常に滑稽だったので、面白かったです!と監督にも伝えました」と述べ、特に滑稽だった人物については「(竹原)ピストルさん(が演じた山田吉男)ですかね。もうどうしようもない人だなって」と即答する。山田は生活保護を不正受給するドラッグの売人で、金本の手下。金本役の窪田も「ズルいよね!」と賛同した。
河合は「脚本を読んだときも思いましたが、ラストの展開で積み上げていったものが、全部はしごを外されてしまうような驚きがあった」「やっぱり笑っちゃう。笑っていいんだなって思いました」と感想を口にし、窪田も「みんなクズとワルなんだけど、その中にもどこか美学というか、そういうのも感じました」と語る。また城定が「これだけの実力を持つ俳優陣を前に、僕は何をすればいいんだろうという気持ちで撮影してました」と当時の心境を明かすと、北村と窪田から「ずっとニヤニヤしていましたよ! 一番悪い顔をしてましたよね!」と思わぬ暴露を受ける一幕もあった。
原作者・染井は北村の“闇堕ち”ぶりを絶賛していたそう。対する北村は「自分の一番奥のほうにある引き出しを久々に開けるような感覚でした。思いのままに演じさせてもらって楽しかったです」と話し、さらにワルへ転落した佐々木の感情が爆発する独白シーンを挙げて「どれだけ暴れてもいいやっていう感覚もあったので、自由に演じさせてもらいました。『貧乏ゆすりを高速でしてくれ』って言われたときは、どうやるんだろうと(笑)」と城定のオーダーを振り返る。窪田も「どうやったら本当に人の心を不愉快にさせられるか、ずっと考えていました」と役作りを話すと、北村から「不愉快でした……」とつぶやきが漏れ、会場には笑いが起こった。
続いて話題は大きな見どころでもある、嵐のシーンへ。あまりのカオスぶりに“思わず笑ってしまった”という感想もあったそうだが、窪田は「本当にもしあったら『みんないったん(家の)中に入らない?』ってならないかな?(笑)」、北村は「中も狭かったよね」とコメント。当初は家の中を想定していたものの狭かったために外で撮ることになり、ずぶ濡れかつ泥まみれという、寒く過酷な撮影になったのだとか。河合は「窪田さんが見たことないくらい震えていて、一言もしゃべらなくなってて怖かったです」と笑いを交えて苦労をのぞかせた。
イベントでは本作のキャッチコピー「公務員、闇堕ち」にちなみ、“堕ちる”ほどハマっているものが語られた。北村は「米」、河合は「ルービックキューブ」と回答。窪田は「ChatGPT」と答えて「最近知ったんですよ! もうメジャーなの!?」「例えば『悪い夏』で検索を掛けたらなんて返ってくるんだろう?」と興味津々の様子を見せる。
最後に城定は「笑ってもいいし泣いてもいいし、エンタメの要素をいろいろ詰め込みました。みんなに楽しんでもらえたらいいなと、そういう映画にしました」と伝え、北村は「本当に映画が大好きです。その中で『悪い夏』と出会って、久々にワクワクする映画作りだなと思いました。みんなで感想を共有していけたら、映画のあり方がすごく広がるのかなと」と挨拶。大きな拍手の中、イベントは幕を閉じた。
「悪い夏」は全国で上映中。
映画「悪い夏」本予告
関連記事
北村匠海の映画作品
リンク
hiro @hiro
#悪い夏 の舞台挨拶も今日だったのか。昨日見たけど、ほんとにいいエンタメ映画でした。嵐のシーンは、どちらかというと笑ってた。
https://t.co/eMJAGSGd9A