香川照之が6役演じ分けた「連続ドラマW 災」、引き出しの多さに監督集団・5月が感服

「連続ドラマW 災（さい）」の完成報告会が、本日3月20日に東京・WOWOW Labで行われ、主演の香川照之、監督・脚本・編集を担った監督集団「5月」の関友太郎と平瀬謙太朗が登壇した。

「連続ドラマW 災」は葛藤を抱えながら現代を生きる罪なき6人の人生に、香川演じる“男”が現れ“災い”をもたらすさまを描く群像劇。「六本木クラス」以来約3年ぶりのドラマ出演となる香川が6人の異なる人間を演じた。松田龍平、じろう（シソンヌ）、坂井真紀、中島セナ、内田慈、藤原季節が各話の主人公に扮し、中村アン、竹原ピストル、宮近海斗（Travis Japan）も参加している。

5月は関、平瀬、佐藤雅彦の3人組。香川とは2022年公開の映画「宮松と山下」に続いてのタッグとなり、今回は関と平瀬の2人が参加した。香川は「『宮松と山下』では非常に豊かな体験をさせていただいた」と振り返り、「5月というユニットは、主役なのにセリフの少ない台本を書く天才でございまして。少ないセリフで主役をやらせていただけるのはありがたい（笑）。それだけに主人公が何を考えているかわからない怖さが増幅するんだと思います」とその魅力を口にする。

関いわく今作では「新しい恐怖、味わったことのない気持ち悪さを楽しめる作品」を目指したという。関は「作品を撮るとき、僕たちはストーリーから入るのではなく、映像の作り方や構造の面白さを見つけ出して、それから中身を考えるという順序でやっています。そうすれば新しいものが作れるんじゃないかと思って」と続ける。6人を演じ分ける主演のキャスティングについては「何も悩まなかった」と平瀬が断言。「前作でもご一緒しているので。すごく難しい役をお願いしなきゃならないと考えたとき、香川さんなら一緒に作っていけるだろうというのが見えてオファーさせていただきました」と続け、手応えをうかがわせた。

たいてい衣装合わせは2時間ほどあれば十分というが、今作では2日掛かったという。香川は「当時、ロン毛にしていて不評極まりなかったんですけど、それも生かせました。まるでこのドラマをやるために髪を伸ばしていたみたい」と苦笑。セリフ回しなどは現場でディスカッションしたといい、関は「各話ごとに香川さんが『こういうのどうかな？』と、いろいろやってくださって。香川さんの引き出しがすごいんです」、平瀬は「しゃべり方だけじゃなくて、小道具などもメイクさんと話しながら考えてくださって。『このキャラは歯がきれいすぎないほうがいい』と歯に何かを塗ったり」と話し、香川の役作りへの情熱に感服しきりだった。

また香川からは、映画監督・西川美和が今作の撮影現場を訪れたというエピソードも飛び出す。「竹原さんと僕は映画『ゆれる』で、中村さんもテレビコマーシャルで、西川監督にお世話になっていて。『現場に行きます』と言ってくださり、久しぶりにお会いできました」と述懐。「その日、たまたま撮影スタッフとキャストみんなで集合写真を撮ることになっていたんです。西川監督にど真ん中に来てもらい、まるで西川組かのような写真を撮りました（笑）」と続け、「『ゆれる』も怖い映画でしたから、このドラマも同じ源流から来ているのではと確認できた瞬間でした」と語る。平瀬は「僕らも『ゆれる』が大好きで。西川さんと香川さんが会話しているのを見て『話してる……！』となりました」と、いちファンとして感激したことを明かした。

全6話の「連続ドラマW 災」は4月6日にスタート。毎週日曜22時からWOWOWで放送・配信される。

連続ドラマW 災（全6話）

WOWOWプライム、WOWOWオンデマンド 2025年4月6日（日）放送・配信スタート 毎週日曜 22:00～
※第1話無料放送

「連続ドラマW 災」予告編