2025年度後期の朝ドラ「ばけばけ」制作決定、モデルは怪談を愛した小泉八雲の妻

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2025年度後期の連続テレビ小説が、没落士族の娘である小泉セツをモデルにした「ばけばけ」であることが明らかに。夫のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)とともに怪談を愛し、明治時代において名も無き人々に光を当てた夫婦の物語が描かれる。

ふじきみつ彦

ふじきみつ彦

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本作のヒロインは、島根県で生まれ育った松野トキ。お化けより生きるのが下手な人たちに囲まれ、幽霊よりもこの世をうらめしく思っていた彼女だったが、つまずきながらも前向きに生きていく。そして世界を転々とした末に日本にたどり着いた外国人の英語教師と出会い、怪しい話好きという共通点から次第に心を通わせていくのだった。

脚本は映画「子供はわかってあげない」やドラマ「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」などを手がけたふじきみつ彦が担当。トキ役と外国人英語教師役はオーディションにて決定する。

タイトルでは急速に近代化が進んだ明治の日本で、人々の暮らしや価値観が“化けて”いくことを表現。取り残された人々の思いも怪談という物語に形を変え語り継がれており、トキの世界もいつしかかけがえのないものに“化けて”いくという思いが込められている。

ふじきは「何も起きない物語を書いています。人生、光もあれば影もあると言いますが、人生って光でも影でもないところがほとんどだなぁというのが僕の実感です」と説明し、「キラキラしているわけではないけど影というほど暗くもない、取り立てて人に話すほどでもない他愛もない時間。そんな光でも影でもない部分に光を当てる朝ドラを書いてみたい。今回のモデルである小泉セツさんのことを知ってそういう考えに至りました」とつづった。プロデューサー・橋爪國臣のコメントは以下に掲載している。

連続テレビ小説「ばけばけ」は2025年の春にクランクイン予定。2025年秋から放送される。

ふじきみつ彦 コメント

何も起きない物語を書いています。
人生、光もあれば影もあると言いますが、人生って光でも影でもないところがほとんどだなぁというのが僕の実感です。キラキラしているわけではないけど影というほど暗くもない、取り立てて人に話すほどでもない他愛もない時間。そんな光でも影でもない部分に光を当てる朝ドラを書いてみたい。今回のモデルである小泉セツさんのことを知ってそういう考えに至りました。セツさんは特別なことを成し遂げたりとてつもない夢を叶えたりした人ではありません。少し変わった、しかし何気ない日常を送った、言ってみれば普通の人かもしれません。だけど、だからこそ愛おしいのです。
「夢は○○だけん!(島根言葉)」なんて一度も叫ばない朝ドラですが、好きになってもらえたら嬉しいです。

橋爪國臣 コメント

ヒロイン・松野トキは、夢を宣言し、がむしゃらに追いかけるヒロインではありません。時代の中で取り残されたり、大勢の意見の中で埋もれていったりする人々に光を当て、尊重し、共に生き抜いていく、そんなドラマを作りたいと思っていました。
脚本のふじきさんは、日常に潜む不条理をクスッと笑えるユーモアとして描き出すことができる方です。朝ドラを作るにあたって、ふじきさんなら、小さな声にも耳を傾け、日常の中にちょっとしたおかしみや悲しみが紛れ込み、気がつけば心が温まる、新しいドラマを作り上げることができると思いお願いしました。
ふじきさんと共に題材を探す中で、「小泉セツ」さんと出会いました。セツさんが残した「思い出の記」には、淡々とつづられた日々の奥に、二人の愛情や苦しみ、喜怒哀楽があふれています。大きく変わっていく世の中に翻弄されながらも、夫・ハーンとともに暮らしていく姿に強く感銘を受けました。違う価値観を持つ者同士が、お互いを尊重して受け入れていく姿は、今の私たちにも大切なものを示してくれると思います。
セツと八雲が「怪談」を通じて時代を描き出したように、「ばけばけ」も今を生きる皆さんの心に響く朝ドラとしてお届けできたらと思います。

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