北野武、会見で「首」の次回作語る テーマは「暴力映画におけるお笑い」

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北野武が本日11月15日に東京・日本外国特派員協会で行われた記者会見に出席。11月23日に公開される監督作「」や、現在制作に入っている新作映画について語った。

北野武

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北野が監督のほか原作・脚本・編集も担当した「首」では、 “本能寺の変”をテーマに武将たちの野望、裏切り、運命が描かれる。ビートたけしが本能寺の変を策略する羽柴秀吉を演じ、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋、小林薫、岸部一徳らがキャストに名を連ねた。

北野武

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北野は「NHKの大河ドラマとかはかっこいい役者を使って、実にきれいごとを並べたような戦国の物語を描くんですが、戦国時代にはもっとドロドロした男同士の関係や裏切りがあった。例えば信長は22人も子供を作っているわけで、性的な関係性が当時と今では違っている」と淡々と話し、「首」ではテレビ番組では表現されないことを描いていると明かす。また試写会では評判がよかったそうで、「非常に喜んでます」とニヤリとした。

当初は出演するつもりはなかったという北野。「本当は監督1本でいきたかったけど、映画会社としては自分が出ないと海外で宣伝しづらいみたいで、『じゃあ出るよ』って言いました。昔からタレントを戦国武将になぞらえたような本がよくあって、ぼんちおさむちゃんが信長だとか、(島田)紳助が明智光秀だとか。自分はたいてい秀吉なんですよ。自分としてもやりやすいのは秀吉ですし、ストーリーの陰の部分の悪人ということでけっこう離れて人の芝居を見られるので、監督もしやすいかなと」と裏側を語る。

北野武(中央)

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「首」を含め、北野の映画には暴力的であったりコミカルだったりと、さまざまなキャラクターが登場する。このことについて北野は「シリアスなこととお笑いは表裏一体というか、お笑いは悪魔だと思ってるんですよ。悪魔は結婚式とかお葬式とかに必ず忍び込んでくる。ホームレスの人がバナナの皮を踏んで転ぶとかわいそうと思うけど、総理大臣とかがバナナを踏んで倒れるとみんな笑うという(チャールズ・)チャップリンの言葉がありますが、暴力映画も一緒で、シリアスなシーンを撮ると悪魔が忍び寄ってきて現場で大笑いすることがいっぱいある」と、撮影を振り返りつつ持論を述べた。

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そして北野は「暴力映画におけるお笑い」というテーマで新作映画を制作していることも明かした。新作では“パロディ”がキーワードになっているそうで、北野は「『これはあの映画のパロディだよ』っていうことをやる場合、もとの題材は『風と共に去りぬ』『ローマの休日』『E.T.』『ジョーズ』のようにヒットした映画じゃないとパロディにならない。今新しくやろうとしているのは、まずギャング・暴力映画を撮って、それと同じキャスティングとストーリーで2部としてパロディを流してみるということ。いろいろ大変なことはありますが、どうにかなりそう」と説明。さらに「新しいプロジェクトで言うと、日本は80年代やバブルの時代に反社会的なグループとか芸能界の人たちが入り乱れていて、いろんなことがあったんですが、それは今台本を作っている最中。映画はいろいろな可能性があるので、ひらめいたことを実現する努力はしてます」と自身の取り組みを伝えた。

なお「首」は11月23日の公開初日より、全国49館にてIMAXでも上映される。

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北野「シリアスなこととお笑いは表裏一体というか、お笑いは悪魔だと思ってるんですよ。悪魔は結婚式とかお葬式とかに必ず忍び込んでくる」

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