PFF京都のプログラム解禁、関西と縁の深い大森一樹の自主映画時代を特集

10月14日より京都・京都文化博物館で開催される「ぴあフィルムフェスティバル in 京都2023」のプログラムが明らかに。コンペティションのPFFアワード2023の入選22作品に加え、招待作品部門「イカすぜ！70～80年代」では計6つの企画上映が用意された。

“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマに掲げて1977年にスタートした同映画祭。映画監督の登竜門として知られるPFFアワードに、今年は557本の応募作品から22本が入選した。中野晃太による「リテイク」がグランプリ、高田恭輔による「ふれる」が準グランプリに輝いたのは既報の通り。京都会場では観客投票により「京都観客賞」を選出する。

PFF京都のオープニングを飾るのは、関西と縁の深い大森一樹の特集。大阪で生まれた大森は兵庫・芦屋で高校時代、京都で大学時代を過ごし、大阪芸術大学芸術学部映像学科の学科長を務めるなど、関西を拠点に活躍を続けた。京都府立医科大学在学中に制作し、一躍その名を轟かせた「暗くなるまで待てない！」をはじめ、貴重な自主映画時代の8mm、16mmの全9作品が3プログラムに分けて上映される。

トークゲストとして、かつて大森の助監督を務めた緒方明、大森の自主映画時代の主演俳優である南浮泰造の来場も決定。さらに京都会場では、10月27日に発売される大森のエッセイ集「映画監督はこれだから楽しい わが心の自叙伝」の先行販売が行われる。本書は神戸新聞に連載された「わが心の自叙伝」（24編）と、過去の著作や雑誌への寄稿から選りすぐった文章を収録した1冊だ。

PFF京都では連日イベントも開催。京都芸術大学教授で「嵐電」を手がけた鈴木卓爾、神戸芸術工科大学で教鞭を執る鶴岡慧子、京都在住歴のある山中瑶子が、それぞれのプログラムで登壇する。またPFFアワード2023では「鳥籠」を手がけた京都芸術大学に在学中の立花遼、「ハーフタイム」を監督した大阪芸術大学と立命館大学出身の張曜元ら総勢11名が舞台挨拶を行う予定だ。詳細なスケジュールは公式サイトで確認を。

ぴあフィルムフェスティバル in 京都2023

2023年10月14日（土）～22日（日）京都府 京都文化博物館

PFFアワード2023 入選作品

「完璧な若い女性」
「ホモ・アミークス」
「リテイク」
「ちょっと吐くね」
「鳥籠」
「サッドカラー」
「USE BY YOUTH」
「ただいまはいまだ」
「移動する記憶装置展」
「また来週」
「ふれる」
「Flip-Up Tonic」
「ParkingArea」
「逃避」
「うらぼんえ」
「こころざしと東京の街」
「リバーシブル／リバーシブル」
「肉にまつわる日常の話」
「Sewing Love」
「じゃ、また。」
「ハーフタイム」
「不在の出来事」

招待作品部門「イカすぜ！70～80年代」

大森一樹再発見

「革命狂時代」
「ヒロシマから遠く離れて」
「明日に向って走れない！」
「空飛ぶ円盤を見た男1」
「空飛ぶ円盤を見た男2 銀幕死闘編」
「空飛ぶ円盤を見た男3 エネルギーマン」
「死ぬにはまにあわない！」
「暗くなるまで待てない！」
「夏子と長いお別れ」

斎藤久志再発見

スペシャルトーク「鈴木卓爾氏が斎藤監督を語り、秘蔵映画をみせる」

日比野幸子プロデューサー再発見

「風櫃（フンクイ）の少年」
「旅人（ナグネ）は休まない」

山中瑶子「あみこ」への道

「あみこ」
「おやすみ、また向こう岸で」
「ポゼッション」
「ホーリー・マウンテン」

鶴岡慧子セレクト

「くじらのまち」
「WANDA/ワンダ」

驚異の傑作！

「ビハインド」
「1／880000の孤独」