映画「
同映画祭コンペティションのジソク部門に正式出品された本作。キム・ジソク賞は2017年に設立され、2022年から正式なコンペティションとなった釜山国際映画祭を代表する部門の1つだ。これまで同賞へ出品された日本映画には、吉田大八監督作「羊の木」や瀬々敬久監督作「楽園」がある。
「市子」は、3年間ともに暮らしてきた恋人からプロポーズされた翌日、忽然と姿を消した女性・川辺市子が主人公の物語。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な過去と真実がつづられる。上映前の舞台挨拶で杉咲は「アンニョンハセヨ。杉咲花です。自分にとって特別な映画が、ようやく皆さんに観ていただけることができてうれしいです。一緒に観れる機会はなかなかないので緊張するんですけど、楽しみたいと思います」と韓国語を交えた挨拶で会場を沸かせた。
上映後のQ&Aで「この作品に携わることになったきっかけ」について問われた戸田は「この物語は、もともとは舞台『川辺市子のために』の脚本です。それを映画化するという話になり、主演・市子を誰に託すかを考えながら脚本を書いていました。自分としては杉咲花さんにやっていただきたいという思いが強く、お手紙を書かせていただきました」と明かす。杉咲は「監督からいただいたお手紙がすごく記憶に残っていて。自分の監督人生において分岐点となる作品だと、この作品に懸ける並々ならぬ思いを感じました。そして、自分が市子という役を演じられる機会を与えられたことについても深く感動し、震える思いでオファーをお受けしました」と回想する。
また「感情的な部分で消耗することが多かったのでは?」という声に、杉咲は「市子としてカメラの前に立つとき、満ち足りていない感覚を持つことが必要な気がしていて、その気持ちに向き合うことに集中していました」と役に入り込んでいたことを語る。若葉は「僕は市子の人生をお客さんと一緒に見ていくという立場なので、その事実を知ったときのリアクションは本当に新鮮なものじゃないといけない。台本を読み込んだり、ここで意図的にこういう声を出そうとか、涙を流そうとかではなく、そのときに自分がどんな気持ちになるんだろうということを楽しんで演じました。初めてこの映画を観たときは、自分の想像とは違う表情をしている自分自身を見ることができて、戸田監督に感謝しています」と述懐した。
「市子」は12月8日より東京・テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国でロードショー。なお第28回釜山国際映画祭の受賞結果は10月13日に発表される予定だ。
映画「市子」予告編
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