りんたろう最新作「山中貞雄に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』」新潟でプレミア上映

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「銀河鉄道999」「幻魔大戦」などで知られるりんたろうの監督最新作「山中貞雄に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』」が3月20日10時より、第1回新潟国際アニメーション映画祭でワールドプレミア上映される。

「山中貞雄に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』』場面カット (c)山中貞雄 / 「鼠小僧次郎吉」製作委員会

「山中貞雄に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』』場面カット (c)山中貞雄 / 「鼠小僧次郎吉」製作委員会

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山中貞雄が生前に遺した「鼠小僧次郎吉 江戸の巻」をサイレントアニメーション化した本作は、江戸の街を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。大富豪から盗んだものを貧しい庶民にばら撒く義賊・鼠小僧次郎吉、夫に先立たれ幼い子供とつらい日々を送る町人・お鈴、お鈴を利用して鼠小僧の正体を暴こうとする梵字安五郎と長五郎、補物名人と謳われる岡っ引き勘右衛門といった登場人物の姿が描かれる。

キャラクターデザインを「AKIRA」の大友克洋が担当。サキソフォーン奏者であり作曲家として活動する本多俊之が音楽を手がけ、弁士役を小山茉美が務める。上映会場は新潟・新潟市民プラザで、現在前売り券が映画祭公式サイトで販売中だ。

りんたろう

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りんたろうは「ここに企画した短編アニメは山中貞雄脚本の『鼠小僧次郎吉 江戸の巻』を基に私たちチームが捧げる映画監督・山中貞雄へのささやかなオマージュです。戦地で書き残した日誌に『人情紙風船が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ』と記した山中さんに私たちの作品を届けることができればチト嬉しいのです」と語った。

第1回新潟国際アニメーション映画祭は、新潟・新潟市民プラザ、開志専門職大学、T・ジョイ新潟万代、シネ・ウインドで3月17日から22日まで開催される。

りんたろう コメント

[ ロング ロング アゴー ]
長い顎に無精髭、頭に手ぬぐいを巻き、薄っぺらな下駄履きという風貌でサイレントからトーキー時代の映画界を28歳という若さで駆け抜けて逝った映画監督・山中貞雄。その名前を知ったのは私が石ノ森章太郎「佐武と市捕物控」のTVアニメ作品を作っていたときだった。

初の時代劇アニメということでサイレント時代から活躍していた松田定次監督が監修としてアフレコに立ち会っていた。その松田氏から山中貞雄という監督の素晴らしさを聞かされたが作品を観る機会もないまま歳月が過ぎたころ、銀座の雑居ビルの地下にある並木座という名画座で山中貞雄監督作品「人情紙風船」に出会った。全編観る者に重苦しく迫ってくる悲壮感が漂う映画だったが、その物語を象徴するような紙風船が淡い光を帯びながら路地のどぶ川をゆっくりと流れ去っていく儚いラストシーンに心揺さぶられたまま映画館を出たことを今でも覚えている。

その後VHSやDVDが出たことで「丹下左膳 百萬両の壺」「河内山宗俊」を観ることができた。「丹下左膳 百萬両の壺」の軽妙洒脱な現代的なタッチで簡潔にまとめ上げた手腕に脱帽し、「河内山宗俊」の微に入り細にわたった山中のモダンな絵作りと人物造形の巧みさにどっぷりハマってしまった。

一方ノートの隅っこにパラパラ漫画を描いたり戯画を描いたりしていた山中の一面を知ったとき、仲間内からロングロングアゴーと呼ばれた長い顎と無精髭の人間・山中貞雄が一層好きになりいまに至っている。
ここに企画した短編アニメは山中貞雄脚本の「鼠小僧次郎吉 江戸の巻」を基に私たちチームが捧げる映画監督・山中貞雄へのささやかなオマージュです。戦地で書き残した日誌に「人情紙風船が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ」と記した山中さんに私たちの作品を届けることができればチト嬉しいのです。
By りんたろう

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玉置泰紀 エリアLOVE Walker総編集長 @tamatama2

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